3 / 7
夏休み疲れ
しおりを挟む
ユアリィが命令に従ってくれたせいか、夏休みにフェブは不調を感じることもなかった。
他の友達もいっしょだったが、ユアリィと建国祭の花火を見に行った。図書館で宿題をした。海で泳いだ。いつも通りの夏休みだった。
「欲求不満の不調になった」なんて、親に言うのも恥ずかしくて、今度、具合が悪くなったらでいいか…と、フェブは先延ばしにしていた。
しかし、新学期が始まって1週間が過ぎ、また微かな頭痛と、体の熱っぽさとだるさが、やって来た。
「夏休み疲れ?」
笑う母に、もじもじ、もごもご、フェブが不調の理由を言うと、家にあった抑制剤を渡された。
薬屋で買った抑制剤なのか、邸に寄り集まって住む親戚の誰かが病院で処方された抑制剤なのか、フェブの不調には、あまり効かなかった。
病院へ行って、お医者さんに診てもらって、自分の不調に合う抑制剤を処方してもらえば、効くのかもしれない。でも、お金もかかるし、病院に連れて行ってもらうために、母親に仕事を休ませることになる。ちょっと我慢すればいいだけだと、フェブは自分で自分に言い聞かせて、本当につらい時だけ、抑制剤を飲むようにした。抑制剤がなくなっちゃったら、買わないとならないから。
抑制剤を飲んでも、自分の命令に、ユアリィが従ってくれた時みたく、微かな頭痛も、体の熱っぽさも、だるさも、すっと消えてはくれない。
――フェブは、あの時のことは、思い出さないようにしていた。ユアリィの熱っぽく潤んだ青い瞳も、半開きの唇も。
風邪じゃないから、フェブは学校に行っていたが、生成魔術の実技で、微かな頭痛に邪魔されて、上手く魔力を集中できずに、球体を作り上げられなかったのが、くやしくて、放課後、教室に居残って、練習していた。
がんばっても、やっぱり球体は、どことなく歪で、フェブは、大きなため息をついた。
「お薬、飲んでる?」
フェブが魔力を集中する邪魔にならないように、視界に入らない席の机の上に腰掛けているユアリィが聞いて来た。
「抑制剤」ではなく「お薬」と言ったのは、教室には二人だけだったが、廊下で誰かに通りがかりに聞かれるかもしれないと、ユアリィが気遣ってだろう。
まだ精神的・身体的に未熟な子どもたちの、友人関係・恋愛感情に悪影響を及ぼさないように、おともだちのDom・Sub・Normalを聞き出そうとしたり、言わせたりすることは、禁じられている。と言っても、仲の良い友達や、お付き合いしている相手と、こっそり教え合うことは、大人に止めようもなかった。
ユアリィが何も言わないから、フェブも何も言わなかったけれど、ユアリィが教えてくれないことを、俺って、教えてもらえるほどの友達じゃないんだな…と、実は内心、くよくよしていた。
自分の机の上の、歪な球体を見つめたまま、フェブは答えた。
「飲んでるよ」
「でも、具合、良くないよね?」
「そんなことない」
「ふふっ」
ユアリィに笑われて、フェブは頬がカッと熱くなって、顔を上げた。――そんなわけないのに、貧乏貴族は病院にも行けず、ちゃんとした抑制剤も飲めないことを、ユアリィに見透かされて笑われたみたいに感じてしまったのだ。
ユアリィは笑顔で、遠い席のフェブの顔を覗き込むように体を横向きに乗り出して見る。フェブは下を向いて、歪な球体を見つめ、言葉に気を付けて、言った。うっかりユアリィを命令に従わせてしまわないように、フェブは言葉に気を付けていた。
「どうして笑うんだよ?」
「ふふっ。具合悪いの、否定するだろうなと思ったら、まんま否定したから。ふふふっ」
「笑うなよっ」と言うことが、フェブはできなかった。
今まで全く意識もしていなかったが、日常生活で、普通に命令を言っているのだ。
ユアリィを従わせてしまった「座って」もそうだが、「来なよ」とか「見て」とか「待って」とか「やめろ」とか、めちゃくちゃ普通に言ってる。
フェブが教室に誰もいなくなるのを待って、生成魔術の練習を始めようとした時にも、机の上に腰掛けたユアリィに、「もう帰れよ」と言いたかったのだが、命令じゃない言い方を思いつかなかった。
フェブは乗り出していた体を真っすぐにすると、長い足を、ぶらぶら振って、言う。
「今までだって、普通だろ。フェブが『座れよ』って言って、ぼくがイスに座るの、普通だろ。『来いよ』ってフェブに言われたら、普通に、ぼく、走って行くよ。ぼくが制服の上着、着てて、暑そうにしてたら、『脱げば?』ってフェブ、普通に言うだろ。そしたら、ぼく、普通に制服の上着、脱ぐよ。それが『命令』になるだけの話だろ」
ユアリィも、自分と同じことを思っている。と、フェブは思った。でも、結論がちがう。――やっていることは、今までと何にも変わらなくても、『意味』は変わってしまう。変わっていってしまう。
フェブは下を向いたまま、歪な球体を見つめて言った。
「友達だから。友達なのに、『支配する』とか『支配される』とか、おかしいよ」
「ぼくもそう思うよ」
ユアリィは、音を立てて隣の机を引き寄せて、自分が腰掛けている机にくっ付けると、寝そべった。
「自分がSubって、」
「誰かに聞かれたらどうするんだよ」
フェブは顔を上げ、ユアリィをさえぎる。Subだなんて知られたら、Domの誰かが、ユアリィを支配してしまうかもしれないと思うと、フェブの頭痛は強くなった。
「だいじょうぶ。結界魔術で封じてるから。ぼくたちのことは、誰にも見えない。聞こえない。」
ユアリィはそう言って、話を続けた。
「自分がSubって知って、マジ最悪最低って思ったよ。ぼく、こう見えて、人の言いなりになるの、キライな人じゃん?」
「そうだね…」
魔術実技で、先生の説明が終わる前に、ユアリィは勝手に始めて、いつも怒られている。遊んでいる時も、たとえば昼休みに、ほとんどの友達が「サークルドッジボールで遊ぼう」と言っていたら、自分がちがう遊びをしたかったとしても言わないでおくのが普通なのに、ユアリィはヘーキで、ちがう遊びがしたいと言い出す。本気でサークルドッジボールがしたくないと思えば、遊ばずに一人で教室に戻ることすらある。
ユアリィは机の上、起き上がった。
「でも、フェブに支配されたの、いやじゃなかった」
美しい濃い褐色の肌。夏の空みたいな青い瞳。さらさらの短い黒髪。長い手足。
フェブは唇を噛む。頭の中で痛みが叫ぶ。
支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい
「Come」
フェブの唇は命令していた。――きっと命令に従ってしまうSubの体って、こんな感じなんだろうな。と思いながら。自分の体なのに、まるで自分の体じゃない。
ユアリィは机を下りて、フェブの席のそばに歩いて来る。
「Sit」
フェブの命令に、ユアリィは床に座り込む。フェブの命令に従わされているのに、ユアリィは、にこにこしている。フェブは手を伸ばし、黒髪を、さらさらと撫でた。
フェブの頭痛は消え、体の熱っぽさも、だるさも消え失せていた。
ユアリィとプレイするようになって、フェブは欲求不満の不調を感じることはなくなり、魔力が強くなった。
魔力の強さは、DomやSubの本能の欲求と比例する。
魔力が強くなっているということは、「支配したい」というDomの本能の欲求が強くなっているということを意味していた。フェブは、それが、とてつもなく嫌だった。
ユアリィを支配なんかしたくないのに。友達なのに。
他の友達もいっしょだったが、ユアリィと建国祭の花火を見に行った。図書館で宿題をした。海で泳いだ。いつも通りの夏休みだった。
「欲求不満の不調になった」なんて、親に言うのも恥ずかしくて、今度、具合が悪くなったらでいいか…と、フェブは先延ばしにしていた。
しかし、新学期が始まって1週間が過ぎ、また微かな頭痛と、体の熱っぽさとだるさが、やって来た。
「夏休み疲れ?」
笑う母に、もじもじ、もごもご、フェブが不調の理由を言うと、家にあった抑制剤を渡された。
薬屋で買った抑制剤なのか、邸に寄り集まって住む親戚の誰かが病院で処方された抑制剤なのか、フェブの不調には、あまり効かなかった。
病院へ行って、お医者さんに診てもらって、自分の不調に合う抑制剤を処方してもらえば、効くのかもしれない。でも、お金もかかるし、病院に連れて行ってもらうために、母親に仕事を休ませることになる。ちょっと我慢すればいいだけだと、フェブは自分で自分に言い聞かせて、本当につらい時だけ、抑制剤を飲むようにした。抑制剤がなくなっちゃったら、買わないとならないから。
抑制剤を飲んでも、自分の命令に、ユアリィが従ってくれた時みたく、微かな頭痛も、体の熱っぽさも、だるさも、すっと消えてはくれない。
――フェブは、あの時のことは、思い出さないようにしていた。ユアリィの熱っぽく潤んだ青い瞳も、半開きの唇も。
風邪じゃないから、フェブは学校に行っていたが、生成魔術の実技で、微かな頭痛に邪魔されて、上手く魔力を集中できずに、球体を作り上げられなかったのが、くやしくて、放課後、教室に居残って、練習していた。
がんばっても、やっぱり球体は、どことなく歪で、フェブは、大きなため息をついた。
「お薬、飲んでる?」
フェブが魔力を集中する邪魔にならないように、視界に入らない席の机の上に腰掛けているユアリィが聞いて来た。
「抑制剤」ではなく「お薬」と言ったのは、教室には二人だけだったが、廊下で誰かに通りがかりに聞かれるかもしれないと、ユアリィが気遣ってだろう。
まだ精神的・身体的に未熟な子どもたちの、友人関係・恋愛感情に悪影響を及ぼさないように、おともだちのDom・Sub・Normalを聞き出そうとしたり、言わせたりすることは、禁じられている。と言っても、仲の良い友達や、お付き合いしている相手と、こっそり教え合うことは、大人に止めようもなかった。
ユアリィが何も言わないから、フェブも何も言わなかったけれど、ユアリィが教えてくれないことを、俺って、教えてもらえるほどの友達じゃないんだな…と、実は内心、くよくよしていた。
自分の机の上の、歪な球体を見つめたまま、フェブは答えた。
「飲んでるよ」
「でも、具合、良くないよね?」
「そんなことない」
「ふふっ」
ユアリィに笑われて、フェブは頬がカッと熱くなって、顔を上げた。――そんなわけないのに、貧乏貴族は病院にも行けず、ちゃんとした抑制剤も飲めないことを、ユアリィに見透かされて笑われたみたいに感じてしまったのだ。
ユアリィは笑顔で、遠い席のフェブの顔を覗き込むように体を横向きに乗り出して見る。フェブは下を向いて、歪な球体を見つめ、言葉に気を付けて、言った。うっかりユアリィを命令に従わせてしまわないように、フェブは言葉に気を付けていた。
「どうして笑うんだよ?」
「ふふっ。具合悪いの、否定するだろうなと思ったら、まんま否定したから。ふふふっ」
「笑うなよっ」と言うことが、フェブはできなかった。
今まで全く意識もしていなかったが、日常生活で、普通に命令を言っているのだ。
ユアリィを従わせてしまった「座って」もそうだが、「来なよ」とか「見て」とか「待って」とか「やめろ」とか、めちゃくちゃ普通に言ってる。
フェブが教室に誰もいなくなるのを待って、生成魔術の練習を始めようとした時にも、机の上に腰掛けたユアリィに、「もう帰れよ」と言いたかったのだが、命令じゃない言い方を思いつかなかった。
フェブは乗り出していた体を真っすぐにすると、長い足を、ぶらぶら振って、言う。
「今までだって、普通だろ。フェブが『座れよ』って言って、ぼくがイスに座るの、普通だろ。『来いよ』ってフェブに言われたら、普通に、ぼく、走って行くよ。ぼくが制服の上着、着てて、暑そうにしてたら、『脱げば?』ってフェブ、普通に言うだろ。そしたら、ぼく、普通に制服の上着、脱ぐよ。それが『命令』になるだけの話だろ」
ユアリィも、自分と同じことを思っている。と、フェブは思った。でも、結論がちがう。――やっていることは、今までと何にも変わらなくても、『意味』は変わってしまう。変わっていってしまう。
フェブは下を向いたまま、歪な球体を見つめて言った。
「友達だから。友達なのに、『支配する』とか『支配される』とか、おかしいよ」
「ぼくもそう思うよ」
ユアリィは、音を立てて隣の机を引き寄せて、自分が腰掛けている机にくっ付けると、寝そべった。
「自分がSubって、」
「誰かに聞かれたらどうするんだよ」
フェブは顔を上げ、ユアリィをさえぎる。Subだなんて知られたら、Domの誰かが、ユアリィを支配してしまうかもしれないと思うと、フェブの頭痛は強くなった。
「だいじょうぶ。結界魔術で封じてるから。ぼくたちのことは、誰にも見えない。聞こえない。」
ユアリィはそう言って、話を続けた。
「自分がSubって知って、マジ最悪最低って思ったよ。ぼく、こう見えて、人の言いなりになるの、キライな人じゃん?」
「そうだね…」
魔術実技で、先生の説明が終わる前に、ユアリィは勝手に始めて、いつも怒られている。遊んでいる時も、たとえば昼休みに、ほとんどの友達が「サークルドッジボールで遊ぼう」と言っていたら、自分がちがう遊びをしたかったとしても言わないでおくのが普通なのに、ユアリィはヘーキで、ちがう遊びがしたいと言い出す。本気でサークルドッジボールがしたくないと思えば、遊ばずに一人で教室に戻ることすらある。
ユアリィは机の上、起き上がった。
「でも、フェブに支配されたの、いやじゃなかった」
美しい濃い褐色の肌。夏の空みたいな青い瞳。さらさらの短い黒髪。長い手足。
フェブは唇を噛む。頭の中で痛みが叫ぶ。
支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい支配したい
「Come」
フェブの唇は命令していた。――きっと命令に従ってしまうSubの体って、こんな感じなんだろうな。と思いながら。自分の体なのに、まるで自分の体じゃない。
ユアリィは机を下りて、フェブの席のそばに歩いて来る。
「Sit」
フェブの命令に、ユアリィは床に座り込む。フェブの命令に従わされているのに、ユアリィは、にこにこしている。フェブは手を伸ばし、黒髪を、さらさらと撫でた。
フェブの頭痛は消え、体の熱っぽさも、だるさも消え失せていた。
ユアリィとプレイするようになって、フェブは欲求不満の不調を感じることはなくなり、魔力が強くなった。
魔力の強さは、DomやSubの本能の欲求と比例する。
魔力が強くなっているということは、「支配したい」というDomの本能の欲求が強くなっているということを意味していた。フェブは、それが、とてつもなく嫌だった。
ユアリィを支配なんかしたくないのに。友達なのに。
0
あなたにおすすめの小説
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる