ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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1章 きっかけ

6

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「えっ、マジっすか?
ほんとに?なんで!!?」

苗は繰り返し聞いた

「…要するに、今回の合併は閉校対策であって生徒達にはなんの罪もないわけだ。で、ウチに来たくて来るわけじゃないから‥二ノ宮高校を丸ごと買収した形になるだけだよ。

今、ウチの方で新校舎建ててるからそれが出来次第合併の予定だけど…
そしたら君らはクラス編成なしでそのまま移動するだけ!

買収つっても営利目的ってわけじゃない。ウチの理事長が、実は二ノ宮の卒業生なんだと。で、世話になったから恩返ししたいってことで決まった話だから、場所を移動するだけで他はほとんど今までと変わらない。

二ノ宮の名前は消えるけどね…まあ、それは仕方ない。制服や身の回りの物はウチの制服着たきゃ買えばいいし別にそのままでも‥‥
校章バッチは買ってもらうけどね。
てことで以上!で、他に聞きたい事は?」


「ナッシング!!」

苗は晴樹の答えに満足そうに答えた…


「な~んだ!
めちゃめちゃいい話しじゃんっ
取り越し苦労して損しちゃったよ」


「そう?理解を得られてよかったよ」

苗は満足な笑みで先程おかわりしてきたパスタを再び頬張った。


  
「ところで、中ちゃんは何が聞きたかったの?」


苗はやっと話題を中島に振った。


「えっ、
あぁ‥あたしは‥苗と同じことだったからもう いいよっ」

… しょうがない。彼女の有無は後でお兄ぃに聞いてみよう…


中島はそう思い直す。
ガンガンはっきりと物を言いそうなイメージだが、中島は案外、奥手だった…


「///…ところで、どう?ルパンなみの人居そう?」

苗は中島に聞いてみた。


「ん~ここでは無理だと思う‥」


「‥そか‥‥やっぱ、そうだよね‥
ルパンくらいの野生身溢れる人がこんなお坊っちゃん学校に居るわけないもんね‥ちぇ‥」


苗は残りのパスタを頬張りながら愚痴ると中島にこっそり聞いた…

「中ちゃんは好みの人居た?なんなら協力しようか?」


「えっマジ?
実はあたし、結っ…」

「て、ああっ! もうこんな時間だ!!  ごめんっ、中ちゃんあたし先に帰るよっ弟達が帰って来てるからさ!」


……コイツ…っ…


中島の怒りをよそに、苗は慌てて玉子の箱と持ち帰りで増えた食材の袋を抱えガタガタッ!と席を立つ。

そして、晴樹の肩をはたいた。



「兄さん!今日はありがとう!!」



その一言を残して苗は去って行った…



… 自己紹介してもやっぱ、兄さんかよ?


台風一過のような静けさのなか…晴樹はうつ向きながら黙々と食べかけのパスタを口にしている…

そして、中島はそんな晴樹に話しかけようとタイミングを伺っていた…
すると晴樹はパスタを食べる手を止め、うつ向いたままゆっくりと片手で顔を覆う…





「…っ……ぷっ」




ぷっ、の声に驚き中島は晴樹を見つめる…

そんな晴樹の肩は小刻みに震えていた。



「‥晴‥樹さん?‥」


中島の問いかけに晴樹は何でもない、と肩を震わせながら無言のまま手をヒラヒラさせる…

が、その数秒後に…


「っぶはっ!ダメっ…ムリっもう…ぶふっ!」


勢いよく吹き出した…


「晴樹さん……」


涙目で顔を赤らめあまりのおかしさに声もでない。

腹を抱え悶絶をうつ晴樹はとても苦しそうだった。

「あ~……っ…疲れたぁ‥‥ククッ…はぁっ‥‥あのさぁ‥」

残り笑いを堪え晴樹は中島に話しかける。


「俺、聞いてなかったんだけどさぁ‥あの子‥名前なんていうの?」


「‥え、‥苗のこと?‥」

「そう!‥いまの子‥なえ?何  なえ?」


「田中‥ 苗 ……」


  
晴樹の喰らい付き方に中島は驚きながら答えた。


「田中…なえ、ね…なえ はどんな字?」

晴樹は突っ込んで聞いた。


「え‥‥苗木の苗…」

「苗木?…へぇ…案外お祖父さんが豊作でお祖母さんがイネ(稲)って名前だったりしてなっ?  ぷぷっ」


晴樹は楽しそうに語っている。
そんな晴樹を中島は再び悶絶へと追い込んだ。

「当たってますよ……ちなみにお父さんが満作だって言ってました」


「満作!?・・・ぷっ、最高っ!!ぶはっ…たまんねぇっ気に入った!!」


晴樹は膝を何度も叩きながら喜んでいた。


「なぁ友理、晴樹さん…
何、一人であんなに盛り上がってんだ?」

お兄ぃが料理を取りに来たついでに中島の側にきて聞いた‥

「うん… なんか…あたしの友達のことがツボにハマったみたい」

「そう、なんだ……いや、ちょっと珍しいからさ。晴樹さんがあんなにバカウケするなんて‥」

「やっぱり?見た感じクールそうだもんね…」

お兄ぃと中島は笑い疲れてぐったりなってる晴樹を眺め意見をかわす。

そして晴樹は時折、肩を震わせながら思い出したように吹き出していた……。

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