ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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9章 嫉妬

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そして更につけ加える


「所詮、お前が動き回ってる所は結城の配下だ…
わしに解らんことなどひとつもないっ!!
まあ、この狭い日本。結城の配下以外を探す方が困難だがの…ホホ」



…っ…くそ…それじゃあ今までのことも筒抜けってことかよ!?


「まあ、お前が別に何でもないってゆうなら、山岸不動産の息子がまだ嫁をもらってないらしい…
苗ちゃんを紹介しようかと思ってるとこだが……あの娘なら紹介しても恥ずかしくないイイ嫁サンになるはずだ! 晴樹はどう思う?」


―――…っ

「……ど、う…って……それは…」



……………………………………………

「それは?」

自分の言葉に戸惑うように目を泳がす晴樹にお爺は聞き返す


「それは……」



“あんたに苗は渡さないから!!”



夏目の言葉が脳裏をよぎる


あんたに渡さない──…か



──ふっ…上等だよ……


その言葉‥

そっくりそのままお前に返してやるっ──!






晴樹は思い詰めていた顔を上げて凛々しい表情をお爺に向ける



「お爺…悪いけど苗は誰にもやれない! 山岸の息子には結城の本社にもいっぱい行きそびれたのが居るだろ? 順番に片付けないと恨まれるぜ?」


「…っ…そ、それもそうだなっ…」

恨まれるのは勘弁じゃっ…


「じゃ、もうすぐ午後の授業始まるから…お爺のいうとうり学生生活をエンジョイすることにした! …でわ、理事長! 僕はこの辺で失礼させて頂きます」


晴樹は言いたい事だけをハッキリと告げ、深々と頭を下げて理事長室を後にした。





苗…やっとわかった。


俺は初めから苗のことを妹だなんて見ていない―――


じゃなきゃ、たかが女に
抱きしめられたくらいで俺が赤くなるはずがない……




晴樹は屋上で苗に突然ハグされた時の事を思い出していた。
……………………………………………

自分の中で答えが出た…

苗のことは別に焦る必要はない。



“落とし前くらいはつけてこい…”


先ずはこっちが先だな…
わかったよお爺!! 自分の尻(ケツ)は自分で拭きゃいいんだろ!?


晴樹は携帯を取り出した。

カパッ―
‥ピッ‥ピ‥‥


「もしもし‥良二(リョウジ)? 今度の集会出るから…うん…ああ……わかった…じゃあ土曜日にな」

プッ――


ふぅ…


一息つくと電話を切って直ぐに別口の番号を押す

‥ピッ‥ピッ‥

「あ、モシモシ…高松サン?…お久しぶりです。晴樹です。…実はお願いが…」


「どうした? 真面目に過ごしてると思ったが何かトラブったか?」

「‥いや、トラブってるのを何とかしてこいってお爺にせっつかれて…今度の土曜日に湾岸沿いの空き地で集会開くから、今回は見逃してもらえませんか? 
警察(ヒネ)からちゃちゃ入れられると、まとまるもんも、まとめらんないんで…」



「…ふ…やっと動く気になってくれたか……結城の会長もさすがだな! 湾岸沿いなら多少暴れても住民から苦情は来ないだろうからお前に任せるよ」



「その言い方は……
もしかして、お爺にチームの情報流したの高松サン?」

……………………………………………

「それは知らん!!」


「堂々としすぎて余計に怪しいですよ…」


「……っ…」


「……あと、貴志(たかし)にも動いて貰うけど今回は組とは全く別問題だからそれ担当の人にも口きいてて欲し…」

「ああ…気にするな。そっちも俺が担当だ…少年課と切っても切れない……そんくらいガキが手に追えなくなっちまってな。
お前らみたいにやるだけやんちゃやって、とっとと卒業してくれりゃいいんだが…
大人になっても抜け出せないのが増えてる…
遊び方の下手な奴らが増えてんだよ」



「‥‥‥なんか、相当、俺らが悪い事したような言い方しますね……

「記憶にないのか?」

「うっ……」


「まあいい。ところで、どうする? 完全に潰すのか?それとも……」


「辞めてから一度も顔出してないからどんな奴らがいるか解らないけど……まとめるつもりでいるよ…

あいつらだって居場所が欲しいだろうから、解散するのは簡単だけど‥‥それやったら結局あぶれた奴らが中途半端にチーム作って暴れるだろ? そうなったら、俺はもう口出せないからさ…」


「‥‥なるほど!
さすが、会長の秘蔵っ子だな!! お前に期待してる意味が解る!」

………………………………………………

「お前の言う通りだ。
大人だろうが、ガキだろうが組織ってもんを作ったんなら中途半端なことはやっちゃいけねえ…

お前なら大企業の
代表(トップ)を張れる! 背中に背負っていけるってもんだ!! そのあかつきにはウチの娘をもらってくれ! ハハっ」


「何言ってんすかっ? 会社はもう兄貴達が継いでるから」


「何言ってる!? 見りゃ解る。いづれはお前の肩に乗ってくるぞ!!
お前の兄さん達はお膳立てされた階段を昇っただけだ…

あんだけのものを継ぐには世間の裏の仕組みも表の仕組みも理解してなきゃいかん……

やりたかねぇっつっても逃げらんねぇぞ、だから今のウチに遊んどけ!!」


「高松サン‥‥お爺と同じ事言ってくれますね?
なんか頼まれてます?」

…なんかおかしぃ‥
お爺のやつ、俺が高松サンに連絡するって先読みしやがったなっ…


「んな事はない!…
じゃあ俺からも頼むぞ、上手くまとめて、あいつらにもやんちゃの仕方教えてやれ…

遊び方知ってりゃ人生ぼうに振るこたねぇからな…

ただ、鬼頭組には気をつけろ。今、内部でもめてるらしいから」


「ああわかった…貴志に聞いてみる。じゃあ、お願いします…」

プッ―ッ―‥

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