ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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11章 復活祭

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「‥‥可哀想って、貴志サンでも相手の立場になって考えることあるんスね!!」



「んだとぉ!?コノヤロ!」

運転席にいた余計な口を叩くメンバーを貴志は後部席からしきりにどつく


何を言ってもただ一点だけを見つめる…
晴樹は隣で暴れる貴志の行動にも興味を示さなかった‥‥


晴樹は時計に目を向ける  

‥十時前‥‥‥さすがにもう帰ってる頃だろ?‥‥




‥‥帰り着いててほしい!!




何となく祈るような気持ちで晴樹は携帯に手をかけた。












ジリリ〰ン

『はぃもしもし?
田中です‥』


電話口に出たのはオカンだった


「あの、もしもし?
夜分遅くに申し訳ありません‥結城といいます、、、
苗サンをお願いできますか?」


オカン相手の晴樹はとても丁寧だった‥‥



‥なんだ、コイツ?
キレてたと思ったら今度は女のとこに電話かよ‥

再び車の中が静かになり晴樹の電話に皆が聞耳をたてる



『結城?‥‥あっ!晴樹クンね』


「はぃ」


やけに明るい声で語りかけられ晴樹は戸惑った


…………………………………………

‥やっぱり苗と親子だな


声が似てる‥///




似てるだけで胸が疼く‥ それだけで切なさが込み上げていた‥






そして、再び死神復活の時を迎える‥‥‥







『ごめんね晴樹クン、苗、まだ帰ってないの‥今日は夏目クンとデートなのよね‥8時過ぎに電話あって夏目クンのバイクでどっか行くって言ってたから、急ぎなら夏目クンの携帯に連絡してみるけど‥‥‥』



オカンの言葉が呆然とする晴樹の耳を突いた…

晴樹の顔は次第に青ざめていく‥


「‥夏目のバイクで?‥‥


わかりました…
すいません‥‥‥」



オカンから説明を聞くと晴樹は静かに携帯を切った


…なえ…っ…


やり場のない苛立ちに蝕まれる




「──…っ…ちくしょう!!
あの、クソガキッ!!

苗をどこ連れて行きやがったっ!?──」



晴樹はくしゃりと自分の髪を鷲掴むと声を張り上げた



辛い!苦し過ぎるっ‥‥苗!!


どこにいる!?



俺との約束はどうした!?

なんでッ──!





黒い感情が渦巻く‥‥








さっきとは違うキレ方に今度は貴志も息を呑む‥‥


晴樹の瞳の奥に嫉妬の炎が燃え盛っていた‥

…………………………………………

‥なんか‥コイツ危ねぇな?

こんな壊れた奴だったか?‥


貴志は危険なオーラをまとった晴樹に唖然としていた












「苗‥…」



夏目は苗の唇を濡らしている自分の唾液を親指で軽く拭いさると今度はぎゅっと抱きしめた


「苗‥‥///帰ろうか…」

首に顔を埋めそう口を開く

長すぎる抱擁の後にお互いどう接していいか解らず夏目の短い言葉で二人は腰を上げた‥

下をうつ向き黙って頷く苗の手を引いた途端、夏目の携帯が鳴り出す

「はぃ、あ‥今から帰ります!すいません、遅くなってっ‥‥‥え?‥


あ‥はぃわかりました‥
苗に代わらなくても?‥‥‥‥はぃ‥」



切った携帯を握ったまま重い表情で考え込む夏目を不審に思い、苗は夏目に声を掛ける


「今の家からでしょ?


もしかして怒られた?」


「いゃ全然、怒ってないよ‥‥‥」



夏目はそれだけ言うと携帯をポケットにしまい込んだ‥


‥ゴメン苗‥‥
伝えてくれって言われたけど伝えたくない‥‥‥



『晴樹クンから二回も電話があったって伝えてくれる?』





‥伝えたくなかったんだ、アイツの名前なんて…


…………………………………………

「お、  丁度いい‥バカップルが帰りやがる‥‥」



手を繋ぎ海岸線の脇に止めてあるバイクに向かうバカップルを眺めながら貴志が言った


「あの分じゃぁ、今から
ホテル直行ッスね!きっと」


「だろぅな?
盛り上がってたみたいだし‥‥股間も盛り上がってんじゃねぇの!?ブハハッ!」



なんだか嬉しそうに笑う貴志を見て助手席にいたメンバーは思った‥


‥この人黙ってればメチャメチャ綺麗なのに‥‥



「あ、‥そろそろ始まりそうですよ‥」



見張っていたメンバーの声に促され、集会の広場に目を向けると集まっているデスナイツのチームの周りにけたたましい爆音を轟かせながら、無数のヘッドライトの光りがちらつき始めた













― な、なんだ?コイツら!?


― どーなってんだょ


― マジかょ……ゴクッ…





周りを取り囲む無数の族の群れに、何も知らないカスメンバー達は脅え始めた!


動揺を隠せないデスナイツのメンバーに向かって、その中の一人が口を開く…




「何か‥特別な集会が開かれるってきいてよぉ‥‥‥これは、是非参加しなきゃもったいねぇからって来てやったんだよ!!」

…………………………………………

ガムをくちゃくちゃと噛み、ニヤつきながら言った男のバイクには何やら漢字で書かれたチーム名のステッカーが貼られていた‥‥‥



その名を見てデスナイツのメンバーは息を飲む‥‥

そのチームは晴樹達がデスナイツを組む前から族のトップに君臨していた最強の喧嘩チーム‥‥【月華乱舞】‥‥
だった…


そして男は続けて言う‥‥

「まぁ‥‥見たとこ俺らのお目当ての奴らは見当たんねぇみてぇだな‥‥‥
情報はガセネタか?

あん!?俺ぁカスに用はねぇんだよ!!!」




男は一人で吠えたくりキレ出す!


そう本場の喧嘩チーム月華乱舞は、晴樹達が抜けてしまった後のデスナイツを端から相手にはしていなかったのだ‥




腕に自身のあるヤツは必ず強いヤツを求める‥‥
強いヤツに勝ってこそ意味がある‥‥

それがモットーの負け知らずの【月華乱舞】が初めて負けを認めた相手が新参者のデスナイツ‥だった。


晴樹達がいた頃は集会の度に喧嘩をフッかけてきていたが‥‥今のデスナイツにはほとんど興味がない…

それと言うのも
頭数だけ揃ったフヌケ族‥‥
今のデスナイツは族の間でそう呼ばれ、ホントに強い族からは相手にされていなかったのだ…

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