ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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11章 復活祭

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「ねぇ大ちゃん!コレできる?」



夏目のヒートUPをよそに海を眺めながら苗は隣で不思議な踊りをやっている‥‥


「‥‥‥こ、こうか?」


好きな娘に言われちゃやらない訳にはいかない!
夏目はとりあえず苗の動きを真似した



「そぅ、それを五回繰り返したら次はこの動きっ!! ‥はぁっ‥」


息を切らす苗に比べ夏目は余裕で踊りをこなす‥‥

そぅ苗はビリーダンスをしていた

全く息の乱れない夏目に苗はなんとなく悔しさを覚える‥‥‥


「もぅ! なんで大ちゃん全然疲れないの!??」


‥付き合わせといて逆ギレかょ?…

「‥だって俺…水泳部だもん
こんなんで疲れてたら退部になっちまう‥‥‥」



「///む〰‥もぅいぃ!!」


夏目の言葉に何も返せず、苗はプゥーと顔を膨らましいきなりしゃがみ込んでしまった



「‥‥え‥な、苗?




苗ちゃん?…






おやぁ、‥どうしちゃったのかな?      苗?」




膝を抱えうつ向く苗の顔を覗き込む‥‥



「―――!?‥‥苗?‥‥




‥‥‥どうした?‥‥」





苗は瞳にいっぱい涙を溜めて我慢していた‥‥



………………………………………

‥コイツやっぱりすげーカワイイ‥//‥



「‥苗、急にどうしたんだ?
そんなに俺が疲れないのが嫌だった?」




夏目の言葉に苗はズビズビと鼻をすすり首を振った…


‥じゃあなんだ? さっきは店に行くまでケタケタ、バイクの後ろで笑ってたのに‥‥





!?‥‥‥まさか…



よく考えたら店出てからなんだか大人しくな‥‥った‥‥‥。










「苗?‥
もしかして、さっきの店で言われたこと気にしてる?」


苗は首を縦にも横にも振らない


‥やっぱり‥‥‥



「苗‥‥‥気にするなょ



な!ほら、顔上げて‥‥」



夏目は苗の頭をポンポンしながら撫でた
貧乏が故にカラーもパーマもしていない艶やかな感触が指先に伝わる


夏目は苗の隣に腰を下ろし顔を抱えてしゃがんでいた苗の肩を抱き寄せた



「苗、‥‥ちゃんと座んねぇと足痛いだろ?」


限界が来ていたのか苗は素直に夏目の言葉に従いコンクリに直に腰を下ろす

夏目はそんな苗を一生懸命慰めた

「‥‥苗、別にいいじゃん!!
さっきの奴らに負けないくらい苗はイイとこあるし‥‥
イイとこだらけだし!!

お前のが全然っ勝ってる!」


…………………………………………

「それに‥‥‥俺の中ではお前最高だから‥‥///


だから…さ、‥あの…///」


「‥プッ」


「プッ?‥って‥‥苗?

‥‥お前///

人が必死で慰めてんのに!」



「アハハ!ごめん!!
だって大ちゃんなんか、
青春ものに出てきそうな
セリフゆーからウケるんだもー!!!」


「なんだよそれ///」


真っ赤になって怒る夏目に苗はごめん、と繰り返し言う

苗は今度は笑いで涙を溢れさせていた


「‥でも、ありがと‥‥


大ちゃん優しいね

今日はいっぱいお世話に
なっちゃったょ!

‥‥ホントにアリガト‥」


「──…っ!…な…え」


苗はありがと、を繰り返し涙目で夏目に微笑む

その瞬間、今まで照れくさそうにしていた夏目の表情が息を呑み真剣な顔つきに変わった‥



「──苗っ‥

慰めだけじゃないから!!

お前だけだからっ



俺が‥こんなことゆーの

‥苗だけだから‥‥」

夏目はビックリしてる苗の肩を突然強く抱きしめた


「な、‥‥大ちゃん?
どしたの、急に興奮して‥」



苗の言葉に夏目は余計に血が騒ぐ


「‥‥ッあんな顔で笑いかけられたら興奮するに決まってんだろ!?バカ苗!!」

…………………………………………

夏目は苗を自分に向かせ睨むように苗を見つめる…

自然と苗の唇に視線が移るとその瞬間苦しそうに天を仰ぐ。そして苗を掻き抱きかすれた声で何かを囁いた






「‥スキだッ‥‥」



強く抱きしめた腕を緩め再び苗を見つめる‥‥
苗は突然の思わぬ告白に放心状態だった‥


「苗っ‥‥ゴメンな‥

ホントにゴメン‥‥‥」


何に対するゴメンなのか?…

夏目は悲痛な表情を浮かべその言葉を繰り返す‥

そして苗の唇を塞いだ――



そう。たぶん夏目の言ったゴメンの意味はこれ‥



‥もう、とめられない‥



‥とまらない‥‥‥




‥好きだからしょうがない‥‥‥





苗の髪をとかし片手で柔らかな頬を捕らえる‥

夏目の大きな手の平は苗の頬と後頭部を包み込むのに十分過ぎる大きさだった…


唇だけを食むキスから、夏目は少しずつ様子を窺い苗の唇を舌先で軽くつついてくる


離れ難い唇を苗から離し、熱をおびたため息を漏らすと、夏目は溶けそうな眼差しで苗を見つめた



「苗、‥‥好きだから…


すごく‥好きだから」


…………………………………………

夏目は自分の気持ちを何度も繰り返し囁いては唇だけを食むようなキスをした‥


深いキスもしたいけど‥何となくとっておきたい気もする‥‥
それに、そんなキスをしてしまえば絶対に自分に歯止めが効かない!


今はこれで十分だ‥‥‥


苗は全然、嫌がらない‥
それだけで十分‥‥‥













「んぁ〰なんだ!?
チュウだけかよ!!つまんねーなぁあのバカップル!」



人気のない防波堤でイチャつくバカップルを湾岸線の端に停車している1台の改造車から眺め不満を洩らす輩がひとり‥‥‥




「おぃ晴樹!お前も見て見ろよ!!
アイツら笑えるぜ?!
二人で妙な踊り踊ったりケンカしてみたりよぉ‥‥


まぁ、ケンカならこっちもそろそろおっぱじまるけどな!!」



暇つぶしにバカップルを眺めていた貴志が晴樹にしきりにお前も覗け!と言ってくる。そんな貴志に同乗していたメンバーがいった。


「でも、貴志サン、
あのバカップルあのままアソコいたら巻き込まれるんじゃないですか?」



「ん~‥‥それもそうだけどお楽しみを邪魔しちゃ可哀想だしなぁ‥‥‥
しかし、長げぇチュウだな?
ガツっとヤリゃいいのに!」

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