ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

文字の大きさ
51 / 255
13章 キスマニア

3

しおりを挟む

晴樹は苗の口に熱い舌を押し入れアメをかばう苗の舌を絡めとる‥

かばわれたアメが晴樹の舌に触れても晴樹はソレを押し退け苗の舌を求め続けた──


アメが溶けきるまでの長いディープなキスに酔いが回る‥

乱れる呼吸もそのままに晴樹は苗の唇を貪り甘い唾液を味わう‥‥‥




――ナエッ!!



晴樹は堪らず苗の首筋に食い付くようにキスをし耳たぶを噛んでいた──


「──!?うっぁ
兄さん、アメはそこにないょ?!」



苗に言われて晴樹は再び苗の唇を塞ぐ‥

そして、小さくなった苗の口の中のアメを晴樹は意図も簡単に奪いとっていた──




‥‥はッ!!?
簡単に捕られてまったやないけ!?



呆然とする苗の口に晴樹はコロンとアメを戻しそして、苗の口の中でアメを転がす‥

苗の唇の脇からはみだした甘い唾液を舐めながらアメを奪ったり戻したり、晴樹は遊ぶようにその動作を繰り返した。

そして‥‥‥

最後の最後にアメを奪い小さくなったアメは晴樹の口の中で簡単に砕けて消えてしまった──


アメを守りきれなかったショックで放心状態の苗を晴樹は見つめ軽くキスをする。



そして晴樹は伝えてしまいたい思いを堪え苗を強く強く抱きしめた‥

…………………………………………

‥好きだとはっきり言えばいいだけのこと‥‥

ただ‥


それが晴樹には難しい‥



‘兄さん’としての俺を必要としても、男としての俺を‥コイツは必要とするだろうか──


声を聞くだけで浮かれる自分と‘電話は用があるからかける!’
なんてはっきり言ってくれる苗に晴樹は気持ちを伝える自信がない‥‥‥


夏目のことを聞いただけで顔を赤らめた苗と、今こうして激しいディープなキスをしてても晴樹からの援助のことしか頭にない苗の態度を晴樹はかなり気にしていた‥‥‥



晴樹は抱きしめた苗を解放するとソファから立ちあがる



「着替えてくる‥‥‥」





一言だけ呟くと洗面所に向かった──






‥アメ‥‥‥捕られちった‥



兄さんからの援助はもう望めない‥‥‥ワンモアチャンス…


ワンモアだから次はナッシング‥‥



当分は‥兄さんのくれたお中元で何とかしのいでいける‥‥‥

ちょっと‥割りのいいバイトさがさなきゃだょ‥‥‥






苗はソファで正座しこれからの生活を色々と考えていた

…………………………………………

―カチャ!


「もう、帰るぞ‥」


着替えを済ませ洗面所から出てきた晴樹は苗に声をかけ部屋を出た──



苗は重い腰を上げ、晴樹の後を着いていく‥‥








‥はぁ…

兄さんにはもう頼れない‥何とかしなきゃ‥‥‥



晴樹の後からエレベーター乗り込みながら、苗は肩を落としため息をついた。



黙ったままの晴樹を見上げては苗は何度もため息をこぼす



うつ向きながら肩を落として歩く姿は裸の大将そのものだった。






「大将、どこ行くんだ?」



いつの間にか晴樹とは違う方向に向かって歩く苗を晴樹は呼び止めた。


拗ねた表情で下唇を突き出し振り返った苗は今にも線路沿いに向かって逃げ出しそうなほどに大将だった──。




「おいで‥

腹減ったから何か食べて帰ろう‥‥‥」


車の助手席を開けて手招きする晴樹のもとへ、とぼとぼと戻り、大将…いや、苗は車に乗り込む‥‥




‥これが最後の晩餐になるんだ‥‥‥






普段なら嬉しい筈の食事の誘いも最後だと考えるだけで悲しい‥



車は賑やかな交差点を過ぎて駐車場に止まる‥‥




うつ向いたままの苗はどこに連れてこられたかわからなかった‥

…………………………………………

ある店の前に来ると
暖簾(のれん)をくぐれば、威勢のいい声が聞こえてくる



「らっしゃい!!
お、久しぶり!カウンター空いてるよ!」



「あぁ、ごめん。

ちょっと今日は個室にしとくよ

服装がラフ過ぎるからさ‥」

さすがに裸の大将ルックの苗をカウンターに座らせるわけにはいかない。

晴樹は暖簾越しに中の人にボソボソっと声をかけた‥



そして、店の人が晴樹達を個室へと案内する‥

店の中は酸味の聞いた匂いと檜の香りが、すがすがしく漂っていた。


掘りごたつのテーブルにつき晴樹は苗にメニューを見せた。



アワビ、大トロ、ボタン海老、踊り




様々な魚介名の下には値段らしきものが書いていない。


ここは銀座の一角にある隠れ家的、超高級寿司店。

種類の少ない、おしながきには常連さん専用のメニューが用意されているせいもあった‥




「載ってないのも頼めば出てくるよ‥わからなきゃお任せにしとくか?」


晴樹の助言に苗は頷いた。


頼んだ料理がどんどん運ばれてくるが、苗はあまり箸が進まない‥


「どうした?

寿司嫌いだったか?」



晴樹の問いかけに苗は首を振り、そしてシクシクと泣き始めた。

…………………………………………

「どうした、苗?‥」



「ぅぅ‥だって、
兄さんが苗を捨てるって言うだもぉ‥‥ぅぇっく‥」


「‥‥っ‥人聞き悪いことゆーなょ‥誰も捨てるなんて言ってねぇだろ!?」



「だって、最後の晩餐だからこんなに豪華なんでしょっ‥‥‥ぅぅ‥」


鼻をズビズビすすりながら泣く苗に、晴樹は頭を掻きながら困り果てていた‥


ただ‥ほんのちょっと嬉しい気もする‥‥‥



「なんで、最後なんだよ」


「ぅぅ‥‥だって、アメ捕られたもっ!ワンモアチャンスだったのにぃ‥‥グエッ‥ぅう‥


捨てないでぇ‥‥ぅぇ‥」


「‥‥‥っ!?‥//」


‥さっきの、本気にしてたのか?
それで、大人しかったのかよ?



「兄さん居なかったら苗は生きてけないょぅ‥ぅぅ‥‥」



「別に俺が居なくても生きて行けるだろ?」


少し意地悪を言う晴樹に苗はぐぇぐぇ泣きながら首を振って訴える




「ムリだょぉ‥‥ぅぅ‥


兄さん側にいてょぉ‥ぐぇ‥ぅぅ‥」



「///‥俺が居なくたって夏目がいるだろ‥‥」



料理をつつきながら晴樹は夏目の名前を出してちらっと苗を見た


「ぅぅ‥大ちゃんは違うもん‥‥」

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件

沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」 高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。 そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。 見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。 意外な共通点から意気投合する二人。 だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは―― > 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」 一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。 ……翌日、学校で再会するまでは。 実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!? オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

処理中です...