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13章 キスマニア
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しおりを挟む「違うって何が?」
「大ちゃんは友達だも‥」
「じゃあ俺は何だよ?//」
‥//俺はお前のなんなんだよっ!?
晴樹は胸を疼かせながら答えを待った‥‥‥
「兄さん‥」
「は?」
「兄さんだも!
苗の足なが兄さんだも!‥ぅぅ‥他にいないも‥‥
苗の足なが兄さんは兄さんしかいないも゛‥‥ぅぅ」
──…っ……
‥こいつっ──!?
「俺は兄さんじゃないっ!!」
「え‥」
晴樹の否定に苗はショックを隠せない!
「兄さん、酷いょ‥‥」
苗は再びシクシク泣き始めた。
‥酷い!??どっちがだ!?
クソッ!──
泣きたいのはこっちだ!このバカ女!!
夏目は友達だとハッキリ言う苗に少しでも期待した自分が惨めになった。
目の前で自分を必要だとシクシク泣く苗を可愛く思うが、必要性の意味が違う。
晴樹は頭を掻きむしり強い溜め息を吐いた
「はあ…っ‥冗談だよ‥‥
困ったことがあったら頼ってもいいから‥‥‥」
…………………………………………
援助という理由でもつけない限り苗に近づく接点はない。
晴樹は良き兄さんを演じるしかなかった…
「冗談‥‥‥ホントに?」
晴樹の言葉に苗は顔を上げる‥
「あぁ、だからちゃんと食えよ‥
食いきらねぇんだったら折りに入れて持って帰るか?
お持ち帰り好きだろお前‥」
「う‥ん‥…」
晴樹の言葉に安堵した苗は機嫌を直し、泣き腫らした顔で目の前の料理を貪りだす
にこにこしながら天ぷらを頬張り始めた苗を見て‥
‥こりゃ持ち帰るほど料理余らないな…
そう感じた晴樹は店の人に寿司を10人前、頼んであげた。
美味しいを連発しながら晴樹の大好きな笑顔を向けて料理を食べる苗に愛しさとはがゆさが募る
そんな苗に晴樹は再びセクハラを行なった──
「苗‥‥ぬか喜びしてんなよ‥‥援助続けるにも条件があるからな‥」
その言葉に顔を上げた苗を指でコイコイと招き寄せる。そして晴樹は身を乗り出した苗の顔を両手で引き寄せテーブル越しに唇を奪った──
…………………………………………
さっきよりは全然、短いキスに想いを込める‥‥
2、3度唇を離しては顔の向きを変えて苗の唇を味わうと離れ難そうに下唇を甘噛みし、見つめた。
「毎日一回‥‥‥
キスさせろよ…
減るもんじゃないからいいだろ?‥」
「……──」
‥たしかに減るもんじゃない‥
‥ちゅうだけなら別にいいかな‥‥?
苗はそう考え直し、頷いた…
晴樹は頷く苗の瞳を閉じさせると再び唇を重ねる。
今度は深く優しく苗の唇をくわえ込み熱い舌を滑り込ませた──
唇が離れきらないうちにまた深く入り込む‥‥
晴樹はうっとりしながらその動作を繰り返し、唇をついばみ吸い付く音に晴樹は再び興奮を覚える‥
‥邪魔だ‥‥このテーブル
すんげー‥邪魔‥‥
テーブルをはさんだ微妙な距離がもどかしい──
じれったい距離に体の中心が疼く‥‥
‥クソッ‥//ホテルでヤッときゃよかった‥
けっこう長い時間二人きりで過ごしたのに‥‥
晴樹は今更ながら後悔していた‥
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