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13章 キスマニア
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しおりを挟む「ここはっ!?──」
「カラオケ屋!」
怪訝な表情で俺を見つめる苗に俺はそう言い張った‥
「仕方ないだろ!?土曜の夜はどこも混んでるんだから」
「でもカラオケ屋じゃない‥」
「あるよ‥カラオケもゲームも」
俺の指差す方を見て本当にカラオケがあることを確認した苗は安心したのか緊張した表情を和らげた。
「兄さん!!ちょっとだけゲームしてもいい!?」
「時間あるからいいよ‥」
‥どのみち、今からの時間だとお泊まり料金‥‥
ウキウキしながらゲームを始める苗を一人にし、晴樹はシャワーを浴びた‥
――ドンドンドンッ!
突然、浴室を激しくノックする音が‥
―カチャ!
「なんだ?」
扉から顔だけを覗かせると苗は血相変えて聞いてくる
「なんで!?なんで兄さんシャワーなんて浴びてんのさ!??」
「‥今日ちょっと色々あって泥まみれなんだょ‥‥‥」
晴樹の目線を追うと確かに泥の付いたシャツが脱ぎ捨ててあった‥
地蔵に蹴り倒された時に付いたものらしい‥
苗はそれを見てとりあえず安心したようで‥大人しくゲームをしに戻っていった。
シャワーを済ませローブを身につけ、部屋に向かうと苗はゲームに夢中になっている‥
…………………………………………
晴樹は苗に飲み物を差し出し隣に腰掛けた‥‥
「兄さん、もうちょいで終わるから歌うやつ決めといて!!」
画面を杭入るように見つめピコピコゲームをする姿がけっこう可愛い‥‥
苗はソファの上に正座をして画面の中の主人公がジャンプする度に自分も微動していた‥‥‥
「ょしゃぁーー!!」
気合いの入った声と同時に画面の中では旗に捕まる
ヒゲの主人公と花火が打ち上がる‥
「兄さんは何歌うのさ?」
ゲームで高得点を打ち出した達成感でイキイキとしながら苗は聞いた。
「福山でいく‥‥」
「お、なに!?中々やるな!!‥‥じゃぁあたしは‥‥と
アニソンにしょっと‥‥」
何となくムード系の歌は歌っちゃイカン!!‥
本能で警笛がなっていた‥‥‥
そして、苗はアニソンを熱唱しはじめる‥
「ウィーアー、ウィーアー、ウィーアッ!」
‥‥なんか異様に上手いな‥‥
合唱団なみの発声力で微妙にマイク調整する苗に晴樹は感心していた
そして、晴樹はサラリと福山を歌いこなす‥‥
「ムム‥‥
兄さん‥中々やるじゃぁないか‥‥‥」
悔しそうに声をかける苗に晴樹はフフン!‥と鼻で笑った
……………………………………………………
さすがにたった二人きりでのカラオケは中々しんどいものがある‥‥喉の悲鳴を聞きつつ晴樹は思った‥
‥何やってんだ俺!?‥
苗も限界がきてるのか、喉を擦りながら歌を歌っている。
「苗、‥ちょっと休憩しよう」
晴樹の言葉に苗は素直に従いマイクを置いた。
そして、晴樹はカラオケ画面をテレビに変えるとヤケに鼻にかかった声で女子校生に尋問するおいちゃんが映る。
突然、場面は切り替わり
『ぁ、ふぅん』
とスピーカーから悩ましいボイスが‥‥
突然流れた大人な映像に晴樹は慌ててチャンネルを変えた。
やっとまともな一般番組に辿りつき安堵しながら画面を見ていると‥
外人さんの、えらい熱烈なラブシーンがアップで映る。
丁度、土曜洋画の盛り上がりのシーンのようだった。
しょうがないので黙ってそれを見たがエロビよりもはっきり言ってなまめかしい。
晴樹は画面のまったりとしたディープなキスシーンに困惑しながら苗に目をやると、苗は画面に食い付くように見入っている‥
…………………………………………
‥はぁ‥やっぱ、外人さんは絵になるなぁ///‥
この人、不二子ちゃんみたいだ!
不二子ちゃんは苗の憧れの人だった‥
晴樹は再び画面に目を向けた‥‥
画面の中では獣のような接吻を繰り返し衣服を脱がし合う男女が暗闇の中のシルエットで映っている‥‥
‥しかし、普通の映画のくせに‥なげーラブシーンだな…
晴樹はソファの肘掛けに手を置き頬杖つきながら、半分呆れ顔で見ていると一番思い出したくない出来事がフラッシュバックしはじめた。
『しかし、なげーちゅぅだなぁ』
バカップルの行動を逐一、観察していた貴志の言葉。
「………」
こんなキスしてたのか?
──!ッ
再び夏目に対しての怒りが沸き始めた‥‥
目の前に映る裸の二人にどうしても、苗と夏目を重ねて見てしまう
‥だめだ‥‥見たくない…
晴樹は頬杖ついていた手で目を覆う、それでもスピーカーからは愛を囁く声と舌を絡め合う音が響いてくる‥‥
──クソッ!‥堪んねぇ!!
「苗ッ!」
「──ッ?なに?」
‥今、イイとこなのに‥
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