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14章 つながり
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しおりを挟む「っ‥‥苗‥//
大丈夫か?」
晴樹は唇を触れさせたまま言葉を掛ける‥
苗の苦しそうな声が漏れると晴樹は舌を引っ込め、唇をゆっくりと何度も優しく吸い上げた‥
唇を吸う音と晴樹の荒々しい吐息が車内にこもる‥‥‥
唇が放れてしまえば1日一度っきりのキスの契約が果たされてしまう‥‥
もっと味わっていたい‥
晴樹の切なくなるほどの熱い欲望が瞳に映し出され、目の前の大好きな人を捕らえていた──
苗のふっくらとした唇を自分の熱い舌先で円を描くようになぞる‥
そして軽く唇を落とすとおでこに‥頬に‥苗の髪を撫でながら晴樹はキスを注いだ…
好きな娘とするキスがこんなにいいものだなんて知らなかった‥‥‥
何度しても飽きない‥
ずっと唇を重ねていたい‥
初めての自分の欲望の強さに晴樹自身も戸惑った。
自分で抑えが効かない‥
むやみやたらな理由をつけてでも‥‥
キスしたかった…
晴樹は苗を見つめると甘い余韻を噛み締めるように優しく抱きしめる‥‥‥
‥兄さん‥欲求不満なのかな?‥
・
苗は晴樹に優しく抱きしめられながら思った‥‥
父ちゃん‥
母ちゃん‥‥
苗はとうとぅ援交をしてしまいました‥‥‥
こんなにも熱烈な愛情を注がれていても苗は晴樹の気持ちに見事に気づかなかった…
そして‥疼く熱さに身悶える少年がここにも一人‥‥
‥あ〰〰〰バカだ!
めちゃめちゃバカだ俺ッ‥
告った興奮で肝心なこと言うの忘れてた!!
少年は気捲(きまく)れ騰がる股間を押さえつつ自分のバカさ加減に己自身を罵っていた‥
『苗‥
俺と付き合って‥‥‥』
そう‥夏目は一番大事な事を伝えていなかったのだ。
‥だって‥‥//
しょうがねぇじゃん!‥
苗、すげー‥可愛かったし///‥
すげぇ、唇‥柔かったし//
‥はぁ‥‥//‥苗‥ッ!
異常な程の興奮で瞳が熱く潤んでくる‥
夏目は苗とのキスから先の事を想像した‥‥
熱く潤む瞳を閉じると生唾を飲み込む‥
‥ぅッ‥‥苗ッ‥‥//
少年は苗の感触を思い出し、股間に伸ばした手にギュッと力を加えていた‥
・
―ガチャ!
「んじゃ、兄さんっお持ち帰りまでくれてありがと!!もぅ、遅いからゆっくり休んでね!たら、おやすみぃ♪」
「あぁ//‥」
‥はぁ‥‥//‥
苗は体中の動悸が収まらないままの晴樹を見捨て、あっさりと別れを告げて家に入って行く‥
晴樹は苗の後ろ姿を見送りながら、大きな溜め息をつくとハンドルを抱え込むように顔を伏せた‥‥
晴樹の苦し気な表情が物語る‥
‥このまんまじゃ寝れない
ゆっくり休める訳ねぇだろ!?…//
運転も手につかず晴樹はその場で目を閉じた‥
‥夏目もそこまでバカじゃない‥‥
もしかしたら明日にでも苗にはっきり付き合って。そう言ってくるかもしれない‥‥ッ
アイツは度胸だけはある‥
晴樹が不安にさいなまれていると携帯の着信音がなった‥
「はい…」
『こらっ!テメェいったいどこほっつき歩いてやがる!?』
貴志だった。
『店の勘定はどうしてくれんだ!??あぁ?』
「………」
勝手な言い分の内容だった‥
「今から戻る‥‥」
‥どうせこのままじゃ家戻っても寝れねぇしな…
・
晴樹は貴志からの電話を切ると再び深いため息をつき閉じた携帯を手の平で弄ぶ。
「‥‥‥‥」
あった方が便利だよな‥
携帯を見つめふと、そんなことを思いながら貴志の待つ店へ向かった──
「なんだお前‥
ヌキにでも行ってたのか?にしちゃあスッキリしねぇ面してんな?」
「ほっとけ!」
クラブに戻って来た晴樹に一番口に放たれた言葉がこれだった‥
「まだ、帰んねぇだろ?」
晴樹は心なしかスッキリ顔の貴志に確認をとった
「あぁ‥久しぶりに続けて二回もヌイちまった。
今からは男同士の語らいの時間よ。お前はどうなんだ? あん!? 不発か? そんな糞詰まりみてぇな面しやがってよ♪」
「おぅっ!?」
言いながら貴志に股間をコヅかれ晴樹はうめいた
「ヌイてこいよ‥‥」
ニヤニヤしながら貴志が顎をしゃくる方を見るとさっきの女が晴樹に流し目を送っていた‥
「お前はどこ行ったんだ!?ってずっとウザかったぜ?」
貴志の愚痴を聞き流し、晴樹は女に意味あり気な視線を送ると奥の従業員用のトイレに向かった‥
・
「あれ、清掃中になってる?」
「今、ハルが使ってるから客用のトイレ行ってきな!」
トイレのドア越しに店の従業員とマスターの会話が聞こえてくる‥
荒い息遣いが狭いトイレのタイル壁に響き渡る‥
キスをせがむ女の口を晴樹は自分の手で塞いだ
「口は切れて痛ぇっつってんだろ!?」
晴樹は女を睨みながら腰を動かしていた‥‥
唯一、苗とつながった部分‥‥‥
唇だけは誰にも触れられたくない‥‥‥
そして、触れさせたくない‥‥
──苗ッ!
自分とキスをして、なんの反応も示さない苗に腹が立つ!!
俺だけが苦しい!
俺だけが‥‥‥
こんなに想ってる‥‥
一方通行の想いがこんなに辛いものだとは思わなかった‥
体は目の前の女を抱きながらも頭と心は苗のことでいっぱいだった‥‥
なんとかしないと‥‥
夏目に捕られる前に‥‥
「……っ…」
そんな気持ちとは裏腹に体は一瞬の気持ち良さに飲まれて行く‥‥‥
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