60 / 255
15章 恋心
3
しおりを挟むタナカサン‥‥
「……──ん?」
何だか呼ばれたような気がして苗は辺りを見回す‥‥
「……っ!??‥」
そして、電柱の影から手招きをする結城の生徒らしき女子と目があった。
銀ぶちの眼鏡をかけ、キチキチに編んだみつ編みが結城の制服の可愛さを殺している。
ゆっくりとした手招きに苗は恐怖を憶えながらもフラリと近寄ってしまった!
女生徒は、捕まえた!!そう言わんとばかりに苗の手を握り眼鏡のレンズを光らせる!!
「田中サン!貴方に頼みがあるの!聞いてくれる!?」
「‥‥‥お得な情報ですかね?」
苗の言葉に相手はウンウン頷いている。
そして、ソッと‥‥デジカメを渡した‥‥‥
「これは?‥」
「結城先輩の写真を撮って欲しいの。ベストショットなら……高く買うわ」
銀ぶちを゚+。゚キラーン!と光らせ獲物を見据えるように苗を見つめる‥
「‥高く‥‥‥買う?」
「そうよ…調べによると貴方、結構生活に困ってるらしいじゃないの‥‥‥
イイ稼ぎになると思うわよ‥‥‥」
言った後に、にやりっと笑いズリ下がる眼鏡を押し上げる。
‥いい‥稼ぎ‥‥//‥
・
稼ぎ──その言葉に苗は心なしか興奮し、顔を紅潮させている‥‥‥
そして聞いた!
「写真は現金と引き換えですか!!?」
苗の言葉に女生徒は深く頷く‥‥
「‥‥ヌードなら‥‥‥
かなり、高額で引き取るわよ‥‥‥」
‥きゃ、きゃなり高額‥‥
‥‥ゴクッ‥‥‥
苗は生唾を飲みながら考えた‥
‥しゅ、しゅごく美味しい話しかも‥‥‥
兄さんからの援助は物資のみ‥‥‥
さすがに現金をくれ、とは言えなひ‥‥‥
しょれに、そんな事したら完全にほんとの援交になってちまぅ‥‥‥
現金があったら、今止められてる電話代も払える‥
そして、三度目の督促状が来ている水道代も‥‥‥
ちょっとでも、いいから生活費の足しになるなら──っ
「ヌードなら‥‥
コレだけ払うわ‥」
女生徒は指三本を苗の目の前にずいっと立てた!
「‥さ、‥‥
さんびゃくえんも‥っ‥」
‥しゅごいっ‥
苗は興奮気味で思考する言葉もおかしくなっていた‥
・
‥やっぱり兄さんは苗の足なが兄さんなんだね‥゚+。゚
これで、現金収入が確保できたょ‥
兄さんありがとう‥‥
そして、女生徒は何故か体をワナワナと震わせている‥
「‥‥‥三百円?‥っ〰
先輩のヌードがそんなに安いわけないでしょ!!?そこらのアイドルよりカッコイイんだから!!」
ムキになって巻くし立てられ苗はびびった。
「え?じゃあ‥
さん‥ぜん‥え‥」
「三万よ。
決まってるでしょ!?
他にもセクシーショットだったら高値でかうわ‥」
どうやら彼女は欲しいモノに関しては、金にいとめをつけない典型的なマニア‥‥晴樹マニアだった。
‥ゴクッ‥三万円。‥‥‥
苗はぎゅっとデジカメを握りしめる‥そして宣言した!
「わたくち、田中 苗!
この命に代えても今世紀に残るベストなショットを手に入れて参ります!!」
苗は額にビシッと手を添え姿勢を正した──
「うむ‥是非とも私が萌え萌えするような作品を期待してるわ‥‥
じゃあ、いいモノが撮れたらココに連絡して‥
頼んだわよ‥‥‥」
苗は返事をすると、女生徒の後ろ姿に必死で手を振った
・
渡されたメモを見るとそこには名前と携帯番号メアドが書かれていた‥
‥松島 彩乃(マツシマ アヤノ)‥
校章バッチが青だったから兄さんと同じ二年だよね‥
~♪~
着信―兄さん―
‥あ、忘れてたっ
プツ‥
『こら、苗!?
いったいドコいるんだお前はっ』
「ごみん兄さん!すぐ行くょ」
‥ベストなショット‥手にいれなきゃ!!!
苗は下心満々で晴樹の元へ向かった‥
「遅くなってごめんなさいっ兄さん!!
すごい会いたかったょ!」
「っ‥//‥」
車に乗り込む前に言われたこの一言に晴樹は怒るに怒れない。
苗は知らずの内に晴樹のツボを押さえていた‥
何となく嬉しい気分の晴樹は苗に言う。
「今日でテスト終わりだろ、今からどっか行くか?」
‥ムム?!!‥どっか行く?‥
ベストショット‥‥撮れるかもしれなひっ。+゚。
「うん行きたい!!
兄さんとならどこ行っても楽しいし!!」
「‥///‥」
お金は全部払ってくれるし♪損しないしぃ~♪
苗の下心も知らず晴樹は苗の言葉に心が早る‥
「‥//‥どこ行きたい?」
‥う➰ん‥‥‥
兄さんが脱ぐようなとこ‥‥って‥‥
・
「温泉!!」
「おんせん!!?」
苗はキラキラとした顔を晴樹に向けて言った。
「俺、今から行くとこを聞いたんだけど?」
「あ、‥‥‥そっか。
そだね‥ちょっと無理だね」
‥チッ、温泉ならセクシーショット取り放題だと思ったのに〰
はっ!イカンイカン!ちっと焦り過ぎだな!うん!!
腕を組み難しい顔をしてうんうん、言ってる苗を晴樹は見つめる
「別に無理ってわけじゃねぇけど‥
どう考えても‥
泊まりになるぜ?」
晴樹は苗に確認をとった
‥泊まり?‥
‥浴衣の兄さん‥
‥裸体の腰にタオルを巻き巻きする兄さん‥‥
‥風呂上がりにコーシー牛乳を飲む兄さん‥‥
‥マッサージ機であまりの気持ち良さにうたた寝兄さん‥
ベストショットだらけだょ‥゚+。゚
泊まりになるって言葉に黙りこんだ苗を晴樹は気にした‥
「苗、それ以外に行きたいとこ‥」
「温泉だょっ!やっぱ温泉!!
それしかないだょっ!」
異様に興奮する表情で苗は言う‥
「それしかっ…て」
‥コイツ泊まりの意味解ってんのか!!?
むろん解ってるはずもない‥苗の目的は違うところにあるのだから。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
恋愛
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる