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18章 大切なひと(前編)
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しおりを挟む「──‥‥‥」
‥‥マジ?‥
‥‥なんで!?
微かに見え隠れする二人の手は確かにしっかりと繋がれている──
そして、晴樹は呆然としながら二人の立ち去った校門を見つめていた‥
「‥‥‥‥‥」
どういうことだ?‥
どういうコトだなんて、わざわざ考えなくても想像はつく‥
ただ‥
晴樹は認めたくはなかった──
二人仲良く手を繋いで帰る‥‥‥
どっからどうみても恋人同士にしか見えない。
晴樹はそんな二人を認めたくはなかった‥
「ねぇ、早く行こ~💨」
いつまでも呆然とつっ立っている晴樹をお嬢が急かす
「‥‥あぁ‥」
晴樹はお嬢に手を引かれるまま学校を後にした──
「ねぇ、晴樹!
ねぇ‥聞いてる?」
「‥‥あぁ‥」
「‥‥」
さっきから何を言っても抜け殻のような返事しか返さない晴樹にお嬢はしつこく食い下がっている‥
「この後どうする?」
・
軽く食事をしながらお嬢は晴樹に意味深な目線を投げ掛けていた‥
「お前の好きにすれば?」
どーでもいい‥
晴樹はそんな面持ちで受け答えしている‥
頭も胸の中は空っぽ──
何を話ているかもほとんど憶えてない‥
今は何も考えられない‥
そして、考えたくもなかった──
「着替え持って来てたらよかったんだけどさ‥
さすがに制服じゃ飲みには行けないもんね」
お嬢はそう言いながら洗面所で髪を乾かす──
‥制服でラブホはいいわけだ‥
晴樹はベッドで横になったままお嬢のボヤキに心でツッコんでいた。
「晴樹?まだ服着ないの?」
裸で横になったままの晴樹に髪を乾かし終えたお嬢が問いかける
「‥少し休んでから出る‥
お前、先に帰れよ‥」
「えぇ〰やだ、
ラブホから一人で出るなんて恥ずいじゃん!」
晴樹の冷たい言葉にお嬢はむくれながら言った
そして、晴樹に絡む‥
「休むっ‥て、だって晴樹激し過ぎるんだもんっ
ねぇ、もしかして晴樹も久しぶりだった?‥//
アタシももう少しゆっくりしようかな~…//
晴樹のせいで疲れちゃったしっ」
・
お嬢はそう言いながらベッドに潜り込み、背中を向けている晴樹にぴたりと密着して後ろから晴樹の顔を覗き込むと、キスをせがんだ‥
お嬢から絡めてくるキスの感触に晴樹は苗の唇を思い出す‥‥‥
苗とホテルでかわしたキスの感触を‥‥
賭けをして、苗は必死になって俺にキスをした‥
小さなアメを二人で奪い合う賭けを‥‥‥
たどたどしい舌の動きに俺はすごく夢中になった‥
すごく可愛いキスだった‥
苗はこんなに上手いキスはしてこない──
晴樹はお嬢と舌を絡めながらも心は冷めていた‥
「やっぱり帰る‥‥」
晴樹はお嬢をグイッと押し退けるとベッドから出て服を着始めた‥
何故か自然と手の甲で口を拭う仕草を繰り返す‥
‥やっぱり苗とじゃないと──
気持ちが苗に向かってる今、どんな女を相手にしても燃えない‥‥‥
苗とのキスを知った以上‥
苗、以外の女じゃ埋められない──
苗じゃないと──…っ…
―バタン!
「ちょっと、晴樹!?
待ってよぉ!」
晴樹はさっさと着替えを済ませると、お嬢を置いてホテルを出ていってしまった‥
・
「あ、ハル!来てくれたんだ?
今日はマスターは休みだよ!」
「あぁ、知ってる‥
ちょっと飲みたくて来ただけだから‥」
晴樹はお嬢を置いて家に戻り、再び街に繰り出していた‥
「車は?」
「置いて来た‥
ちょっと強いヤツ貰える?」
「‥へぇ、トコトン飲むつもりって訳だ‥」
いきつけの店ブルームーンに来た晴樹はカウンターに腰掛け店のチーフに酒を頼んだ。
「最近、貴志もよく来てるんだって?」
酒を準備するチーフに晴樹は尋ねる
そして、出された酒を晴樹は一気に飲み干した──
「おーおー‥
いきなり一気かょ‥‥」
「‥‥っ‥あぁ──…ペース上げないと今日は中々酔えない気がして…」
「なんだ?飲みに来たんじゃなくて、酔いに来たわけだ‥‥
なんかあったのか?‥」
チーフの問いかけに晴樹は軽く笑ってごまかす‥
そして空のグラスを返した。
「ハルを酔わすには普通の酒じゃ効かねぇな?
たまには、テキーラいくか?
もちろん、ショットで?」
ニヤリと笑うチーフに晴樹も答えた。
‥飲まなきゃやってらんねぇ‥‥‥
・
チーフがテキーラを用意する間に晴樹は携帯を眺める‥
夏目とのコトを苗に確認したくても中々、電話をかけることが出来ずにいた‥‥
‥確認して‥‥
それから、どうする?
「‥‥‥‥」
晴樹は苗の番号を押しきれないまま携帯を閉じていた──
「はいよ!
今日は店も暇だから俺も付き合うぜ!」
チーフはそう言ってショットグラスを二つとレモンを並べる
「じゃあ、晴樹を悩ます元凶に乾杯!!」
「‥‥なんだょそれ」
そう言いながら、二人はグラスを持つ手を互いに交差させ、最初の一杯目をグイッと飲み干した。
「…で、そんなに携帯ばっか眺めて、誰かから連絡でもくるのか?」
最初の2、3杯だけを付き合ったチーフはほろ酔い気分の晴樹に尋ねながらテキーラを注ぐ
ボトルを空ける程の勢いで飲み、やっと酔いの回った晴樹は虚ろな目で携帯をずっと開いたり閉じたりしていた…
そして、酒の酔いでなんとなく気持ちがほぐれた晴樹は苗の番号を何気なく押してしまっていたのだ…
‥あ‥ヤバイッ…
かけちまった──
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