ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

文字の大きさ
77 / 255
19章 大切なひと(後編)

1

しおりを挟む



―カラン!


「‥お、晴樹。

お前も来てたのか?」


「ん、‥‥あぁ」


「学校サボってんだよ。
夕べ飲み過ぎたとかで‥

貴志はブレンドでいいんだろ?」


マスターは晴樹の代わりに答えながら、貴志に確認をとっている



「へぇ、たまにはいいんじゃねぇの?!最近クソ真面目だったんだろ?‥と、」


話の途中で携帯が鳴ったらしく貴志はポケットを探っていた


「おぅ、なんだ?

‥‥あぁ!!?
‥だから、そんな女、知らねぇつってんだろっ
次に掛ってきても相手にすんじゃねぇぞ!あぁ‥
じゃあな」

―プツ――



「たくっ──」


「なんだ?まだ、揉めてんのか?」


電話を切ってもキレ続ける貴志に晴樹が聞いた



「あぁ、これは何でもねぇよ。
なんか、女を預かってるからとか、わけわかんねぇ脅迫電話が本部に掛ってきてるらしくてよぉ…

俺、繋がりの女だっつんだけどいっぱい居すぎて解んねぇって!
女拐ったからって極道が一々動いてられるかよ!?
命いくつあってもたんねぇっつーの!!」


「まさに極道ってか‥極悪非道だな」


貴志の語りにマスターがボヤいた。

そして、店の電話が鳴り響く‥



「はい、ブルー・ムーンカフェです‥

あぁ、晴樹ね!ハイハイ‥」


マスターはそう受け応えしながら受話器を晴樹に渡した‥



「あぁ、リエ?
‥ああ‥‥わかった。

今から行くから‥じゃ」


「なんだ?
今のリエか?‥何で携帯にかけてこないんだ!?」



受話器をマスターに返す晴樹に貴志が聞いた


「携帯は今、電源切ってあるから‥‥ちょっとうざくて…」


微かに影のある表情で晴樹は答える‥


「マスター、チェックして‥

今からムーンライト行くから‥」


「なんだ、もう行くのか?」


「あぁ、リエが先に行って待ってるから‥」


マスターの問いかけにそう答えた晴樹に貴志は言った


「お、とうとうリエに落ちたか?
あの女も粘ったもんなぁ?俺も後で行くわ!」



茶化す貴志に生返事を返し晴樹は店を出た。














「なに、リエちゃん?
ニヤニヤしちゃって‥」


カウンターに座っているリエにチーフは話しかけた‥



「フフ‥‥‥

晴樹がさぁ‥‥

なんか、すごく優しいんだよねぇ‥‥//‥」



リエは頬をほんのりと染めながら自慢気に語っている‥



‥今日も泊まる。なんて言ってくれちゃうし‥‥//‥プッシュし続けたかいがあった!



身体だけの関係から何となく抜け出せた──


リエはそんな気がしてウキウキしていた‥












「ごめん、待った?


ボックス行くか?」


「うん‥//‥」


ボックスの方がまったりできる‥‥‥
それに、晴樹の口からごめん。なんて言葉を聞いたのも初めて‥


リエは自分が晴樹の特別になったような気がしていた。













―カラン!


「!‥いらっしゃ‥」

「すいません!!結城って人来てませんか!!?」


「え?
あぁ‥ハルなら30分くらい前まで居たけど‥‥」



貴志も出て行った後に店に入って来るなり晴樹のことを聞く少年に戸惑いながらマスターは答えた


‥結城の制服着てるからハルの後輩だよな。
なんかあったのかな?
こんな汗だくになってハルを尋ねて来るってことは‥


「さっきまでいた!??

‥クソ!入れ違いかよ!!」


険しい表情で呟く少年にマスターは言う


「急ぎの用ならムーンライトってクラブハウスに行きなよ。

そこに居るはずだから」


「ほんとに!?
有難うございます!!」



マスターに言われ、少年は深々と頭を下げて出て行った‥


クラブハウス‥次に探しに行こうと思ってた場所だ―!


夏目は再びバイクに跨るとその場所へ向かった‥


ことは一刻を争う…


相手がヤクザなだけに、苗に何をするか解らないっ



苗!頼むから無事で居てくれっ…


くそっ!大体、なんでアイツこんな時に携帯切ってんだよ!!?
ふざけんじゃねぇッ!



夏目は晴樹に対しての怒りを彷彿させながらクラブハウスを目指した──














「ねぇ晴樹ぃ‥‥」

「あぁ‥?」


リエはほろ酔い気分で晴樹にしなだれ掛っていた‥

夕べの飲み過ぎが祟ったせいか、酒には手をつけずコーラを口に含みながら晴樹はリエの肩を抱く

そして、キスをしていた‥

リエは晴樹に優しく肩を抱かれるのも初めてだった‥


それでも、晴樹の気持ちはココにない‥


どんなに優しいキスをしても‥そっと肩を抱かれても



晴樹の気持ちはココにはなかった──






うっとりと自分を見つめてくるリエを晴樹は遠い瞳で見つめ返す‥‥‥

今の晴樹の瞳はまるでガラス玉のように目の前にあるモノをただ、映し出すだけにすぎなかった──



ボックス席のソファで唇を重ね舌を絡め合う‥
片手はすでにリエの服の中に入り込んでいた…



入り口でバタン!とドアが激しく開閉する音にも気づかずに、晴樹は心から溺れることのないディープなキスを繰り返す‥








「──…ッ?!きゃぁッ」



──ッ?




悲鳴と同時に抱きしめていたリエが姿を消し、そして自分は誰かに胸ぐらを掴まれていた──




「──‥‥夏‥目‥?」


床には突き飛ばされたリエが放心状態で自分達を見上げている──




「お前っ!なっ…」

「…っ…あんたッなんで携帯切ってんだよ!!?」


タンカをきろうとした晴樹よりも険しい表情で夏目は叫んだ!



‥なんだコイツ!!?

なんでコイツにこんなこと言われなきゃなんねぇ!?‥‥



自分の怒りの元凶が目の前に居る‥‥‥

自分の欲しかったものをあっさりと拐ったヤツが‥



忘れてた嫉妬が渦を巻いた──


怒りで震えがでてくる。



自分の好きな人と手を繋いで嬉しそうな顔をしていたコイツになんでっ‥


俺がどんな思いで携帯を切ったかも知らねぇくせにっ──




……ただ、コイツが何をこんなにキレてるのかがわからない‥




晴樹は自分の胸ぐらを掴みボロボロと顔を泣き崩す夏目に息を飲んだ──



「苗を‥フッ‥ク‥



苗をッ返せ!!!




俺の彼女だぞッ‥ヒッ‥

ヒッ‥ク‥グッ‥


大事な‥ゥ‥クッ


大事なッ‥俺の彼女なんだぞ!!」



ソファに晴樹を押し倒し叫びながら訴える夏目に晴樹も胸が締め付けられた



「──な…っ…んなことっ


わざわざ言わなくてもわかってるっ!!!」



‥なんだよコイツッ!?

わざわざここまで来て言いたいのはそれかよ!?


…っ…何処まで人をコケにすればっ…





晴樹は掴み掛ってくる夏目を睨み返しながら叫んだ


「俺に何が言いたいんだよ!!?
彼女なら二人でよろしくやってりゃいいだろうが!!?今更、わけ解んねぇいちゃもんつけてっ‥」


「拐われたんだよッ──!」


「───…っ!?…」



自分の怒りを遮るように、夏目の口から発せられた言葉に晴樹は思考が止まった──



「銃を持ってる奴らに‥


──…っ…苗が拐われちまったんだよッ!!」



「‥‥‥‥」


叫ぶと同時に夏目はその場に崩れた──



「拐われ‥た‥?」

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい

みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。 それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。 願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。 スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。 ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。 ※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。

東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」 ──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。 購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。 それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、 いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!? 否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。 気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。 ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ! 最後は笑って、ちょっと泣ける。 #誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。

S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…

senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。 地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。 クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。 彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。 しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。 悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。 ――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。 謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。 ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。 この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。 陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!

処理中です...