ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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21章 君に熱視線°!

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「ご両親には無事だったともう伝えておるから──」


お爺は晴樹にそう言うと今度は組の者に話しかける



「ところで苗ちゃんはまだかな?
早く元気な姿が見たいんだが?」


そんなお爺に組の者は困り顔で答えた。


「それが‥‥






腹が痛いとかでトイレから出てこないんで‥‥」


『『トイレから!??』』


その場のみんなが声を揃えた──













そして苗は‥



‥あぃたたたぁ‥っ‥

ひょ〰
ピーピーシャーシャーだょッ…




晴樹に睨まれた恐怖とこれから裏画像で怒られるッ‥


そんな恐怖で神経性の下痢に見舞われていたのだ。







―ドンドン!!

「お嬢っ
大丈夫っすかッ!??」


扉の向こうからは若い組員が必死で苗に呼びかけてくる



―カチャ‥‥‥


「‥‥もぅ出ないょ‥



お腹は痛いのに‥

もぅ出ないょぉ‥グスっ‥‥」

「‥っ」



全部、出しきってしまったようだった……


「とりあえず‥
コレ飲んで下さい」


組員からもらった赤玉の薬を飲み皆が待っている部屋に苗は連れて行かれると、扉のすぐ近くに居た晴樹を見つけ、苗は脅えた──!



‥あひぃ〰〰っ…
兄さんだッ──



やっと落ち着いた気持ちで苗に目を向けられた晴樹と…

また、睨まれるっ‥

そう思った苗は構えのポーズで顔を覆い隠す──



「──苗ッ!!」



そして、夏目の呼びかけに顔を向けた──



「あっ大ちゃん!!」










‥───って‥はれ?






「‥くなッ…」


──え…?…


熱くてかすれた声が首に吹き掛かる…



「…っ‥行くなッ…」













夏目に走り寄ろうとした苗を晴樹はしっかりと捕まえ抱きしめていた──








「…もぅ…っ



頼むからッ…







俺から離れて行くなよッ…」













苗の肩に顔を埋め震える声で囁きかける‥



もう離さないッ‥



そう心に決めた──




カッコをつけても始まらない‥


みっともなくても構わない──!!



そう心に決めたから‥‥ 





何にも代えられないっ‥



代わる者もいないッ‥




はっきりとそれがわかったいまだから‥‥‥












苗は誰にも渡せない‥


腕の中の少女は俺の大好きな‥

大切な‥





この世界にたった一人しかいない人だから…



晴樹の思わぬ行動に周りのみんなはただ、唖然としていた‥‥


そして苗も‥‥













やっぱ、このマシュマロンが本命か‥‥‥




貴志はそう確信していた‥



部屋に入って来た瞬間の、苗を見つめる視線と‥


苗を抱きしめた時の晴樹のあの表情‥‥‥







どう見ても大切な人に向けられたもの以外に考えられない‥‥‥








貴志は晴樹に抱きしめられて戸惑っている苗に合図を送った──



‥え?なに?



苗は自分にしきりにサインを送ってくる貴志の動きを読み取る──


貴志は両手を構え自分の胸をポンポンと叩いていた‥‥‥



‥あぁ!あれか!





それは苗のお得意なハグのサインだった‥



苗は震えながら強く抱きしめてくる晴樹の背中にそっと手を添える‥


一瞬、晴樹の背中がビクつきそして、フワッと力が抜けた‥‥‥



張り詰めた晴樹の緊張の糸が徐々にほどけていく‥

口元からは安堵のため息と切ない想いが一気に溢れ出しそして晴樹は再び苗を強く抱きしめていた‥‥













その姿に夏目は息を飲む‥


苗を助ける為に銃を持ってヤクザの事務所に乗り込んだ‥‥



そんな話を耳にしていた



コイツの血に染まったTシャツの袖を見れば何かがあったことは想像つく‥






組員が鬼頭の総代に説明していたのを聞いた


苗を拐うよう指示した奴は始末されたと‥‥‥



俺だって始末の意味くらいはわかる‥‥‥


ヤクザ物の映画‥
ドラマやニュース‥‥


普通に生活してればなかなかあり得ない現実の世界‥



銃を向けられ足のすくんだ自分と──




苗を助ける為にヤクザの巣窟に銃を持って乗り込んだコイツ──














俺は‥‥‥




最初から敵わない相手に挑んだのかもしれない‥













「理事長‥





苗の元気な姿見れたし‥




俺、もう先に帰ります‥」












夏目は理事長にそう言うと扉の近くで晴樹に抱きしめられたままの苗に言葉をかけた‥



「苗‥





また、学校でな‥‥。」


「え?!

大ちゃん!一緒に帰っ‥」

逃げるように立ち去る夏目に苗は声をかけ手を伸ばす


そんな苗を晴樹は更に強く抱きしめた…




「ちょ、兄さん?


大ちゃんがっ‥」



夏目の一瞬、泣きそうな表情が気にかかる──



自分が拐われたことで夏目は自分自身を責めたかもしれない。


ここに連れて来られジョージとのカラオケタイムに我を忘れ楽しんでいたが、考えて見れば自分はヤクザに人質として誘拐された身。



‥はっ──…オカン達もきっと心配してる!!

早く帰んなきゃだょっ




「兄さん!!苗も大ちゃんと帰るょ!!

家にも電話しなきゃ」


晴樹は相変わらず苗を抱きしめその腕に力を込める


離さないッ──


そう決めた心が晴樹にそんな行動をとらせていた‥



今更、慌てふためく苗にお爺は声をかけた‥



「あぁ、苗ちゃんの家にはもう連絡してあるから‥

私が夏目クンと帰るから‥

苗ちゃんは命掛けで助けてくれた王子様とゆっくり話しでもしておいで‥‥」



お爺は意味ありげにウインクすると部屋を出ながら先を行く夏目に声をかけていた‥










‥?

命掛けで助けてくれた王子様?



──?!



あ!そうだょ!!

まだ、ちゃんとお礼してなかったっ──

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