ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

文字の大きさ
84 / 255
21章 君に熱視線°!

1

しおりを挟む


「ご両親には無事だったともう伝えておるから──」


お爺は晴樹にそう言うと今度は組の者に話しかける



「ところで苗ちゃんはまだかな?
早く元気な姿が見たいんだが?」


そんなお爺に組の者は困り顔で答えた。


「それが‥‥






腹が痛いとかでトイレから出てこないんで‥‥」


『『トイレから!??』』


その場のみんなが声を揃えた──













そして苗は‥



‥あぃたたたぁ‥っ‥

ひょ〰
ピーピーシャーシャーだょッ…




晴樹に睨まれた恐怖とこれから裏画像で怒られるッ‥


そんな恐怖で神経性の下痢に見舞われていたのだ。







―ドンドン!!

「お嬢っ
大丈夫っすかッ!??」


扉の向こうからは若い組員が必死で苗に呼びかけてくる



―カチャ‥‥‥


「‥‥もぅ出ないょ‥



お腹は痛いのに‥

もぅ出ないょぉ‥グスっ‥‥」

「‥っ」



全部、出しきってしまったようだった……


「とりあえず‥
コレ飲んで下さい」


組員からもらった赤玉の薬を飲み皆が待っている部屋に苗は連れて行かれると、扉のすぐ近くに居た晴樹を見つけ、苗は脅えた──!



‥あひぃ〰〰っ…
兄さんだッ──



やっと落ち着いた気持ちで苗に目を向けられた晴樹と…

また、睨まれるっ‥

そう思った苗は構えのポーズで顔を覆い隠す──



「──苗ッ!!」



そして、夏目の呼びかけに顔を向けた──



「あっ大ちゃん!!」










‥───って‥はれ?






「‥くなッ…」


──え…?…


熱くてかすれた声が首に吹き掛かる…



「…っ‥行くなッ…」













夏目に走り寄ろうとした苗を晴樹はしっかりと捕まえ抱きしめていた──








「…もぅ…っ



頼むからッ…







俺から離れて行くなよッ…」













苗の肩に顔を埋め震える声で囁きかける‥



もう離さないッ‥



そう心に決めた──




カッコをつけても始まらない‥


みっともなくても構わない──!!



そう心に決めたから‥‥ 





何にも代えられないっ‥



代わる者もいないッ‥




はっきりとそれがわかったいまだから‥‥‥












苗は誰にも渡せない‥


腕の中の少女は俺の大好きな‥

大切な‥





この世界にたった一人しかいない人だから…



晴樹の思わぬ行動に周りのみんなはただ、唖然としていた‥‥


そして苗も‥‥













やっぱ、このマシュマロンが本命か‥‥‥




貴志はそう確信していた‥



部屋に入って来た瞬間の、苗を見つめる視線と‥


苗を抱きしめた時の晴樹のあの表情‥‥‥







どう見ても大切な人に向けられたもの以外に考えられない‥‥‥








貴志は晴樹に抱きしめられて戸惑っている苗に合図を送った──



‥え?なに?



苗は自分にしきりにサインを送ってくる貴志の動きを読み取る──


貴志は両手を構え自分の胸をポンポンと叩いていた‥‥‥



‥あぁ!あれか!





それは苗のお得意なハグのサインだった‥



苗は震えながら強く抱きしめてくる晴樹の背中にそっと手を添える‥


一瞬、晴樹の背中がビクつきそして、フワッと力が抜けた‥‥‥



張り詰めた晴樹の緊張の糸が徐々にほどけていく‥

口元からは安堵のため息と切ない想いが一気に溢れ出しそして晴樹は再び苗を強く抱きしめていた‥‥













その姿に夏目は息を飲む‥


苗を助ける為に銃を持ってヤクザの事務所に乗り込んだ‥‥



そんな話を耳にしていた



コイツの血に染まったTシャツの袖を見れば何かがあったことは想像つく‥






組員が鬼頭の総代に説明していたのを聞いた


苗を拐うよう指示した奴は始末されたと‥‥‥



俺だって始末の意味くらいはわかる‥‥‥


ヤクザ物の映画‥
ドラマやニュース‥‥


普通に生活してればなかなかあり得ない現実の世界‥



銃を向けられ足のすくんだ自分と──




苗を助ける為にヤクザの巣窟に銃を持って乗り込んだコイツ──














俺は‥‥‥




最初から敵わない相手に挑んだのかもしれない‥













「理事長‥





苗の元気な姿見れたし‥




俺、もう先に帰ります‥」












夏目は理事長にそう言うと扉の近くで晴樹に抱きしめられたままの苗に言葉をかけた‥



「苗‥





また、学校でな‥‥。」


「え?!

大ちゃん!一緒に帰っ‥」

逃げるように立ち去る夏目に苗は声をかけ手を伸ばす


そんな苗を晴樹は更に強く抱きしめた…




「ちょ、兄さん?


大ちゃんがっ‥」



夏目の一瞬、泣きそうな表情が気にかかる──



自分が拐われたことで夏目は自分自身を責めたかもしれない。


ここに連れて来られジョージとのカラオケタイムに我を忘れ楽しんでいたが、考えて見れば自分はヤクザに人質として誘拐された身。



‥はっ──…オカン達もきっと心配してる!!

早く帰んなきゃだょっ




「兄さん!!苗も大ちゃんと帰るょ!!

家にも電話しなきゃ」


晴樹は相変わらず苗を抱きしめその腕に力を込める


離さないッ──


そう決めた心が晴樹にそんな行動をとらせていた‥



今更、慌てふためく苗にお爺は声をかけた‥



「あぁ、苗ちゃんの家にはもう連絡してあるから‥

私が夏目クンと帰るから‥

苗ちゃんは命掛けで助けてくれた王子様とゆっくり話しでもしておいで‥‥」



お爺は意味ありげにウインクすると部屋を出ながら先を行く夏目に声をかけていた‥










‥?

命掛けで助けてくれた王子様?



──?!



あ!そうだょ!!

まだ、ちゃんとお礼してなかったっ──

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい

みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。 それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。 願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。 スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。 ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。 ※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。

東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」 ──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。 購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。 それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、 いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!? 否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。 気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。 ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ! 最後は笑って、ちょっと泣ける。 #誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。

S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…

senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。 地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。 クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。 彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。 しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。 悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。 ――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。 謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。 ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。 この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。 陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!

処理中です...