ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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20章 仁義!

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貴志に返され御大は再びソファに腰を下ろした‥



そして代わりに武が口を開く。


「今回は、この、ボンクラ共が青木の指示で勝手にやったこと‥‥
親父は俺達のことを思って今回の件も鬼頭の総代に頼み込んでたのに──」



「で、その青木はどうしたんだ?」


貴志の問いかけに周りは無言だった──


裏の世界‥‥‥

掟を破り上に歯向かえばそれなりの制裁が待っている──


貴志はそれ以上、青木に関して問いかけなかった‥



「青木にゃあ悪いことした‥‥‥

俺の息子をバカに育てたばっかりに‥
青木も巻き込まれたようなもんだ‥‥‥

結局は、俺が一番悪いんだ‥‥‥」


御大はボソリボソリと語り出す──



「いやっ!

親父は何一つ悪くはない!今回の件も組全体が納得して決めたこと!

それを青木のアホが欲にかられて若頭を丸め込もうとした結果がっ‥」


「だからっ!!

だからこそ‥俺が悪いんじゃねぇか!!」


自分をかばうように発言する武に御大は己を厳しく律する──


「息子をバカに育てたのは俺だ‥‥‥

アイツがバカじゃなきゃ今回のようなことも起きなかった‥‥」




そう言いながら御大は肩を落とした──



今回の件。



以前から藤代組の御大は鬼頭組の総代、辰治にあることを頼んでいた‥‥


それは──

藤代組解散後の組員達の受け入れ先。


御大は自分の息子に藤代組の跡を継がせたことをとても後悔していたのだ‥‥ 

御大が隠居生活に入ったことで藤代組は途端に勢力が分散し衰え始めてしまったのだ──


知恵がなければ例え裏の世界でも生きては行けない‥

食うか食われるか‥‥‥

御大は息子同様、可愛い組員達の為に自ら食われることを選んでいた‥‥



このままバカ息子に任せたままではいずれ組は勝手に潰れてしまう──

そうなれば、今まで自分について来てくれた組員達を路頭に迷わせてしまう‥


御大はそれを考えた末、幹部達を集めて、解散の話しをしたのだが──


欲深い青木だけがそれを反対した‥


青木はバカ息子に取り入りいずれ藤代組を自分の物にしようと企んでいたのだ‥

御大が死んでしまえばバカ息子はどうにでも出来る‥

そう企んでいた矢先に起こった解散の話しだった‥




「まぁ、


お苗が無事だったことがせめてもの救いだ‥‥

武にも礼を言ってなかったな‥‥」


御大はそう言いながら武にも頭を下げる


そう‥

武は御大に頼まれ直ぐに青木の事務所に乗り込み苗を助け出してくれていたのだ‥‥‥

武の服についた血痕は苗の血とは全く関係のない青木の舎弟‥たった今、目の前にボコボコ顔で正座させられている男達の血痕だった




そして、そのうちの一人は鼻がぺしゃげている‥‥


事務所の床についていた血痕は、武がこの男の顔を床に叩きつけた時についた鼻血だったのだ。


もちろん鼻血なので結構な量が床に残っていた‥




処女でもそんなに血は出ない‥‥‥

晴樹は苗が相当酷い仕打ちを受けたと思わずにはいられなかった。




自分達の目の前に並んでいる、拉致犯の男達のボコボコ顔を見てやっと安堵のため息を晴樹は漏らしたのだった──



自分と目を会わせずカタカタと震えるだけの苗を見て、男に相当脅えている──

晴樹の目に映った苗はそういう風にしか見えなかった。




晴樹はそんな苗を見てると辛くて耐えきれなかったのだ‥




そんな思いを堪えたが為に晴樹の表情は苗を睨みつけたような感じになっていまっていた‥


だからして、晴樹は苗がまさか自分に脅えていたなんて思ってもいない‥


苗が御大を親しげにジョージと呼んでる声もほとんど晴樹の耳に入っていなかった。



乱暴され傷ついた苗に自分はなんて声をかければいいんだろう──


その言葉を考えるのに必死だった。






「──?!

‥どうした晴樹?」



晴樹はスクッと立ち上がり正座してる3人の前にしゃがみ込み問いかける





「あんたら‥‥‥




苗に手を出してねぇだろぅな──」





「──ヒッっ!?」






晴樹の威圧するような鋭い眼差しに奴らは脅え必死で首を縦に振った。


そして、向きを変えて武を振り返る‥




「武サン‥‥‥




苗を‥







助けてくれて有難うございましたっ──」





晴樹は深々と頭を下げ、そして御大にも同じように頭を下げる‥






‥ほんとによかった──


武サンが捜し出すのが遅ければ‥
苗と二度とは会えなかった──!

二度と苗の笑顔もッ




実際、青木は消されてしまった‥

さっきの御大と貴志の会話でもそれはわかる──



ここはそういう事がまかり通る世界‥




闇の‥‥世界──




苗が無事だっただけで、何もいう事はない‥














―カチャ!

「御大、

皆さんのお迎えの方が見えてますが──」


「あぁ、そうか‥


じゃあ、あんまり長話しもなんだ‥お開きにするか」












晴樹達は部屋を出て客間に通された‥



―カチャ!


「どうぞ、皆さんこちらでお待ちです──」













「──‥


お爺‥っ?」













そこには、鬼頭組総代の辰治と結城学園理事長‥お爺。

二人の顔が並んでいた──


そしてその真向かいのソファには夏目の顔もあったのだ‥

苗が見つかったと知らせを受け、場所が場所だけに連れて行けない──

そう言う理事長に夏目は無理について来ていた。



「警察沙汰になるとココにも手入れが入ると思って、理事長サンに必ず捜し出すから、警察には連絡しないよう頼み込んだんだ──」


辰治はお爺達を見て呆気に取られてる晴樹にそう説明した。

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