ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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3章 事件!

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そもそも、そんな32万もする名品を家の囲いのブロック塀に置いてある方がおかしい…


大して大切にしていない事がバレバレである。



「形あるものいつかは壊れるってもんだっ──
どうぞ、お気になさらずにここはお引き取り下さいっ」


主人は必死で武達を追い帰そうとしている


「じゃあ、32万の盆栽のお代は?名品だとお聞きして‥」


「あぁ、とんでもないっ!
確かに名品ですがあんなトコに置いてた私が悪いんだっ…」

‥クソッ──気にするなっつってんだから早く帰りやがれってんだ!!…っ…


しつこく気にかけてくる武に主人は汗だくになって応対している

実はあの盆栽‥
名品なのは確かだが‥
大切に世話をし過ぎた為に根腐れを起こし主人自ら処分していたのだ。

従って満作が手にかけた鉢は主人が普通の盆栽を植え代えた品で、32万もしない‥

主人は自分がダメにしてしまった盆栽の代わりに新しい名品を購入したくて、その金額をふっかけてきていたのだった──


そして、この手の脅しやぼったくりは極道である武の方が上手である‥‥


彼らは法律にやたら詳しかったりするのだった。



ぼったくった相手を逆に脅迫罪として訴え慰謝料を反対に請求することも出来る


‥極道はバカではなれない

「じゃあ‥

せめて、コレだけでも‥」


武はそういうと主人に迷惑料だと言い、菓子折りを手渡した。


主人は遠慮しながらそれを受け取ると、反対に礼を言いそそくさと家の玄関を閉めた‥












「‥‥‥よかったのかな‥


これで──…」



帰りの車の中で苗の疑問に武は答える


「なぁに‥

たぶんアイツは始めからぼったくるつもりだったんでしょう‥
あんなにあっさり引き下がること自体からして怪しいじゃないですか」


「それも、そうだね

世の中、素人でも悪い人ってそこら中に居るもんなんだね‥


ヤクザのタケちゃんの方が苗にはよっぽどいい人に思えちゃうょ‥‥‥」



苗のぼやきに武は無言だった‥


なんだかんだ言ってもやっぱり武は極道‥
それなりに悪いコトは沢山してきている‥

ただ、物騒な今の時代‥素人も極道も大差がなくなってはきているが‥‥



苗はそのまま警察署に戻り、署長に説明して満作を釈放してもらった‥



―キィ──ッ…バタン!

「じゃあ父ちゃん!!

母ちゃんにも皆にもちゃんと謝るんだょっ

とに、40越えても家族に迷惑かけるんだからっ!」


「ぅ、うるせぇっ‥//

──ところで、苗はどこ行くんだ?」


満作は反抗しながらも武の車から降りない苗に聞く‥武も疑問に思っていたことだった


「引っ越し中の忙しい時に助けてもらったから、お礼に苗も引っ越し手伝ってくるょ!
どうせ家に居たって陸達と遊ばなきゃなんないし」


「おぅ!そうか!!
じゃあ兄ちゃん!!世話ぁかけたなっ
俺の代わりに苗を使ってくれや!ガハハハ!!」


「‥っ」

呆れる二人をよそに大笑いする満作‥




反省の色はまったく見当たらなかった──













「お嬢サン‥


ホントに引っ越しの手伝いに?」


「うん!だってもぅ向かってんじゃん!!」


明るく答える苗に武は戸惑っていた‥
そして、藤代宅に到着する──


作業には若い衆らが暑い中汗だくになりながら取り掛っていた。


「あ!!
お嬢じゃないですかっ
どうしたんすか?!
兄貴と一緒なんて?」


誘拐事件の際に腹痛を起こした苗に薬をくれた政志が声を掛けてきた



「あ!マサ兄ぃっ

ちょっとタケちゃんに助けてもらったお礼に苗も引っ越し手伝いにきたんだょ!

何したらいいか言って!!」

「助けて!?


へぇ‥

じゃあ、お嬢!──台所で文サンが昼飯作ってるからそっちお願いしますよ!!」


マサは苗にそう頼み、そして武を見て言った‥





「兄貴‥


お嬢を助けるの好きッスね‥‥‥‥ニヤッ‥」



「──!!?…///…っ

マサッ…てめぇなんだその笑いかたはっ」


マサは赤くなりながら怒鳴る武に言った


「だって‥
極悪修羅道の武って異名を持つ兄貴がですよ?‥‥

この前は親父に言われてお嬢を助けたけど、今度は自分の考えで動いたんすよね?‥‥

しかも、組の引っ越しを後回しにしてまで‥‥ゥプッ」


マサは再びニヤつく


そして、マサの言葉におたおたしている武を見て他の組員も含み笑いしていた。


そう、武は組の者からもそういう風に恐れられている‥

冷静かつ沈着に極悪非道をさらりとやってのける‥
忠誠の盃をかわした御大以外は全てが敵‥
例え仲間内でも隙を見せることはなかった──

そして欲望に翻弄されることなく己に厳しい‥
だからこそ御大も信頼を寄せていたのだ

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