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3章 事件!
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しおりを挟む「さ、───…っ
さんじゅぅにまんえんっ!?
───…っ…」
「はぃ…
鑑定書も見せて頂きました‥
間違いなく32万円、
名のある方が手掛けた名品の盆栽‥‥‥『松雪』と…」
苗のガビーンッ!と開いた口に目を取られながら署長は語る…
「相手方は32万と慰謝料を請求しております…
まぁ、大事な物をブロックに置いてること自体どうかと思うんですがね…
我々がそんな事を言う訳には‥
なんで、ここは当人どうしで話し合って頂いて‥」
署長は気の毒そうに語り、とりあえず‥2日間の満作、拘留期間を苗に言い渡す‥
その間に被害者と話しをまとめてくれ、とのことだった──。
‥さぁ困った‥
どうすべか?
苗は眉間に皺を寄せて口を尖らせる。
――!?ん、あれは‥
そして難しい顔で警察署を立ち去る苗を見つめる男が一人‥
‥慰謝料か…
いくら位請求されるんだろっ…
苗は帰り道を急ぎながら考える‥
後ろからは車のワンクラクションが軽くなっているが、それにも気づかずに苗は考え込んでいた──
・
―プップーッ!
「お嬢ッ!」
黒塗りのベンツがスーッと幅寄せしてきたかと思ったら中から声をかけてきたのは──
「…っ…!!タケちゃんっ」
苗の王子様、武だった──
「今からどちらへ?
よかったら送りますよ」
「ほんとに!?ありがと!!」
外は真夏日、エアコンの効いた車の方がいいに決まってる
苗はすんなり車に乗った。
「さっき、警察署に組の解散届けを出しに行ってたんですよ‥
そしたらお嬢を見かけたもんだから‥//
お嬢は何しに警察署に?」
武はほんのり赤くなりながら語っている
そう、藤代組は本日を持って解散している‥
本当はまだ先の話しだったのだが、苗の誘拐事件で今が丁度、引き上げ時だろうとあの日の時に御大と辰治との話し合いで即決されていのだ‥
そのため今日は、組の若い衆らは大々的な引っ越し作業に追われていた‥
「ねぇタケちゃん‥」
「はぃ‥‥?‥」
苗は武の質問には答えぬまま、口を開く
「なんか稼ぎのイイ仕事ってある?」
「‥‥?
稼ぎ‥ですか?──…なんかお金に困って?」
・
「ぅん‥お金には毎回困ってんだけどね‥
今回は非常にピンチなんだょ‥」
「‥?」
苗はどことなく暗い表情のまま、今回の件を武に相談した。
「──…うーん、なるほど…盆栽と慰謝料ですか‥結構な金額ふっかけてきましたね‥
お嬢──…俺が行って話しつけますよ!」
「ぇ‥でも、タケちゃん引っ越しで大変だし‥」
「いや!
引っ越しは若い衆らがやってるから気にすることはない‥
それに、お嬢が大変なことに巻き込まれてるのをみすみすと見過ごしたら親父に何言われるか──
向こうの被害者だって、話し合いに高校生が行ったって相手にはしないでしょう?
かと言って身重のお袋さんや爺さん婆さんでは…
やっぱり、こういうことは大の男が行った方が簡単に話しはつくってもんですよっ」
武の言うことは確かにある‥‥
苗はこの場は武に任せることにした‥
「タケちゃん‥
ありがとう‥
後でハグだねっ」
「は!??‥//」
苗の言葉に武は赤面しながら慌てた。
苗はとりあえず家に電話して事の内容と満作の様子をオカンに説明し、武と被害者宅へ向かった‥
・
「すいませ-ん‥
田中と言います」
苗の呼びかけで被害者宅の玄関のドアがガチャッ!と開くと中から主人らしき男が顔を出した…
「──ヒィっ!!?」
そして主人は目の前の威喝い男に絶句する!
「この度は‥
うちの兄貴がそちらサンに大変ご迷惑をかけたそうで‥」
玄関口で深々と頭を下げる恐面の武に被害者のおいちゃんはひびっていた‥
‥兄貴!?
あの男‥ヤクザだったのか!?
くそっまずった、警察は何もそんなコトは──
おいちゃんは武を見て大いに焦っていた。
そして武相手にヘラヘラと笑いながら
「いゃぁ~
大したもんじゃないから気にしないで下さい!!
え──!?慰謝料?
とんでもないッ、そんなもの請求した覚えは…
ははは‥」
‥くそぉ‥バレない内に早く引き上げてもらわにゃ…
乾いた笑い声を上げながら冷や汗を拭いている。
‥なんだろ?署長サンが言ってた人と随分感じが違う気が……
苗はしきりに目を泳がせるおいちゃんをみて首を傾げた。
そぅ、署長は、相手方が気が治まらなくて‥
確かにそう言っていた筈だ。
この男‥やっぱりふっかけてやがったかっ…
そして武は何かに感づいていたようだ‥
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