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8章 夏祭り
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しおりを挟むお盆間近になると民宿の仕事もだいぶ楽になっていた‥
「あんたたち、今日の祭りはどうする?
行くんなら兄さんの浴衣も用意するよ!
タダ働きで頑張ってくれたからねぇ」
「うん!兄さんも行くでしょ?」
「あぁ、3万発の花火だろ?」
そう言うとおばさんはある所に電話を入れた‥
「兄さん足長いからウチの父ちゃんの浴衣じゃツンツルテンになっちゃうからねぇ…
東郷の旦那のとこに貸してもらうよう連絡入れたから苗も一緒に向こうで着せてもらいな!
どうせ、悟も一緒に行くんでしょ?」
おばさんは苗達の着付けもついでに頼んでいたらしい
そして夕刻前‥
苗と晴樹はおばさんから手土産を預かり東郷家を目指した‥
そして悟の家を見て目を見張る
「‥‥家ってより屋敷だな、資産家か?」
「悟ちゃんとこは何百年以上続くお殿様の家系なんだってさ」
‥お殿様?…なるほどね
晴樹は眺めて納得した。
大奥に出てきそうな屋敷の作りに日本の歴史が垣間見える‥
そして玄関にいくと三つ指をついて迎えられた──
・
苗は悟のお母さんに手土産を渡すと着付け部屋に入って行った。
そして晴樹も別の部屋に案内される‥
部屋に入ると悟がもう浴衣を着てスタンバっていた‥
「結城さんいらしゃい!!」
「あぁ‥悪いけど世話になるよ。」
屈託ない笑顔で迎えてくれる悟に挨拶しながら晴樹は浴衣を着付けてもらう。
「君は確か結城と言ったね?」
「はい‥」
悟の父親、一成(カズナリ)が 話しかけてきた
「結城といったらあまりない名前だ‥
もしかして、“あの”結城かね?」
「そうですね‥💧“あの”結城です‥。」
意味深な問いかけに晴樹も答える
「ふむ、じゃぁ後継者とは君のことか――」
「は!?」
聞き返した晴樹に背を向け一成は静かに立ち去っていった‥
着付けのすんだ晴樹は苗を待ちながら悟と話しをしている‥
外では予定通り行われる祭りの合図の花火が派手に鳴っていた
「結城さん、向こうでは苗どうですか?」
「‥どうって‥あのままだよ💧」
晴樹の答えに悟は笑みを溢す
「昔に比べてほんと元気になったからな‥
俺、苗が熱ばっか出してた頃の記憶が強すぎてすぐ気になっちゃうんだ‥‥‥」
「そんなに弱かったのか?」
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