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8章 夏祭り
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しおりを挟むそう言って、照れながら口をモゴモゴさせる苗を見つめる晴樹の瞳に光りが揺らぐ
「キス以上は?」
「‥え💧?」
「キス以上は?‥‥」
真剣な眼差しで見つめ、答えを迫る晴樹に苗は怯えながらもドキドキしている💧
‥兄さん‥その顔もすごくいぶし銀だょ‥//
でも、それ以上はちょっち…💧
「‥‥クスッ‥冗談だよ!!
そんなに焦んなって!」
「──!?‥‥///‥」
そう言って笑った晴樹の表情に苗はドキッとしながら目を見開いた──
返事に困る苗の頭を晴樹はあやすように撫でる‥
その手を止めると苗の唇に軽いキスを落とした
そして唇を離し、間近で見つめる。
「今は‥‥」
「‥//?」
晴樹はボソっと呟いた‥
ただその呟きは小さ過ぎて苗にはよく聞き取ることができなかった
「じゃあ、
そろそろ行くか?」
もう一度、苗の頭にポンと手を乗せて撫でると晴樹は再び苗の手を取り歩き始めた。
晴樹は何気にふっと目を細める
‥今は‥
まだ、キスだけで我慢してやるよ…
いつまで持つかわかんねぇけど💧
そう思いながらもただ、今日はちょっと“兄さん”という枷から抜け出せたような気がして晴樹はすごく嬉しかった…
気持ちが何だか軽くてくすぐったい感じがする‥
晴樹は苗に視線を流すと優しく満面の笑みを浮かべていた
・
「じゃあ苗、また来年な!」
田舎での日々もあっという間に過ぎ、自宅に帰る苗達を駅まで皆が見送りに来てくれていた。
「おばちゃんも悟ちゃんもまたね!!
着いたら電話するから」
苗はそう言いながら皆とハグを交わしていく。
そして、悟は晴樹に手を差し出していた‥
「じゃあ、結城さん‥
“俺の代わりに”苗のことを頼みます!!」
晴樹はそんな悟の手を握り返して言った。
「あぁ、
“苗を守れるのは俺だけ”だから安心しな…」
「──……」
晴樹の口振りに一瞬驚いて目を見開いた悟の唇がクスリと笑みを浮かべる。
悟は背の高い晴樹を真っ直ぐに見上げた。
「──‥いずれ近いうちにそっちに行きますから‥」
「───…!?」
悟の付け加えた言葉に晴樹はえっ?と悟を見つめた
悟は余裕の笑み返しながら苗達に乗車を促す
「苗、そろそろ電車乗った方がいいよ‥」
「うん!」
悟は苗の頭を優しく撫でる‥
「じゃあ…な…──もう少ししたらまた傍に居てやれるから‥」
「‥?」
微笑みながら言った悟の言葉に苗はきょとんとした顔を向けて手を振り電車に乗った‥
「兄さん、飛行機に乗るの苗初めてだょ!」
電車の中で苗は無邪気に語っている
あの花火の日とは違って普段の苗のようだ‥
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