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9章 誤解

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そして、空気のように通り過ぎようと考えた苗は無表情で夏目達から少し離れた所を横切る。




──!?‥っ





え──…?‥



苗‥?



一度もこっち見なかった‥


なんで?


やっぱ、
俺のこと──…っ



夏目は顔を歪め胸を押さえた


息苦しい──!!


胸が‥痛む──っ‥



──苗っ!



夏目はどんどん遠ざかって行く苗の後ろ姿を睨むように見つめた‥


動悸が激しくて息が出来ないっ

なんでだ?苗っ
そんなに嫌か?俺のこと‥


目も合わせたくないくらい俺のこと嫌いか!?


気づかない筈はない、あんなに見てたんだから!

俺は苗のことあんなに見つめてたんだからッッ!



「夏‥目クン、大丈夫?」


苦しそうな夏目にアキはずっと呼びかけていた‥


‥苗、俺…

このまんまは‥

絶対、嫌だ──!



「アキ、大丈夫じゃないから俺帰るっ!」

「へ?」



夏目は最後まで諦め無いことを胸に誓い走り出す──


苗のことだけを想いながら夏目は必死で人混みをかきわけて走っていた。



「大丈夫じゃないって‥
めちゃめちゃ元気じゃん!!」


そして、おいてきぼりを喰らったアキは勢いよく走り出した夏目の後ろ姿に思いっきり叫んでいた💧‥













「プッ…また来たよ‥//」


「すいません、これ下さい」

「はぃ。128円が2個‥
‥‥有り難うございました‥プッ」



キヨマツで洗剤を購入していた苗は何故だか店員の笑いを買っている──


「すいません。これ下さい」

「ぶぶっ‥//
‥っ‥〰はぃっ2個ですね」



苗は三度目の特売洗剤を購入していた

※お一人様二個まで!!※

コレを手に入れるべく苗は帽子を被ったり眼鏡をかけたり小さな変装グッズで多量購入を目指している💧


特売の度にこの手を使う苗はこの店で密かに有名人だった💧

それもその筈‥二週間に
一度、行われる特売洗剤を必ず買いにくるのだからして店員に顔を覚えられるのも致し方ない💧


苗が帰った後はいつも何人家族なんだろうと話題になるほどだった。








‥はぁっ──

苗っ‥
クソッどこ行ったんだ!?


苗の後を追ってきた夏目は辺りを見渡しながら苗を探した。

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