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11章 続 バカンス
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しおりを挟む「好きだよ。
すごく―――
だから‥別れてすげー後悔した‥」
夏目は真っ直ぐに由美を見つめ、自分の気持ちを素直に語る。そして再び歩き出した。
「‥そんなに好きなのに、なんで振っちゃったわけ?訳わかんない💧」
「‥‥
ちょっと、色々あってさ‥自分に自信が持てなくなって‥」
夏目は言葉を濁しながら話し出す。背中では苗の気持ちよさげな寝息が立てられていた‥
「遠藤、お前‥結城先輩のことどう思う?」
「え!?結城先輩!??」
いきなり晴樹の名前を出され由美は戸惑う
「‥‥どう思う、と言われても💧‥‥雲の上の人?って感じかな?」
「雲の上💧?すげー崇めてんのな‥」
「💧‥‥じゃあ夏目クンからしたらなんなの?」
「ライバル!!」
「は?」
完発入れずに言葉を発する夏目に由美は口を開けた
「恋敵だよ!!」
「どうして💧?
なんで結城先輩が恋敵なの!?だって夏目クンが好きなのは、なえちんでしょ?!」
「お前、解んねぇの?
あれだけはっきりしてんのに💧
鈍さは苗と互角だな?」
驚く由美に夏目は細かく言って聞かせた
・
「ただ、妹みたいに可愛いがってるだけであんなにべったりなはずないだろ?携帯まであげてさ‥
俺なんか最初からすげー目の仇にされてるし‥
今日だって言われたよ‥
“苗に近づくな!!”って」
「うそ?!結城先輩が!??」
「‥‥‥あの人、苗のことめちゃめちゃ好きだよ…。
俺の好きには負けるけど!」
夏目の言葉を由美は今も信じられず背中でスヤスヤと眠る苗をジッと見つめる
「見てればわかるよ‥
ほら、―――」
そう言った夏目の目線の先には‥
「どこ行ってたんだ?」
田中家が泊まっている部屋の前で携帯をいじっていた晴樹がこちらに気づき声をかけてきた。
「なんで苗は寝てる?」
晴樹は夏目におぶられてる苗を覗き込む‥
‥―――!っ
そして気づいた‥
「酒飲んだのか?」
微かに酒の匂いが漂う。
「誰が飲ませた?」
「俺です。チュウハイを軽く飲んだだけですよ‥」
「‥‥‥由美ちゃんも飲んだの?」
「ぇ💧いゃあたしは‥」
「‥‥‥まぁいい。取りあえず苗を布団に寝かせるから。」
晴樹はそう言って夏目を部屋に通した。
・
大部屋に敷きつめられた布団を跨ぎオカンは寝言がうるさいから満作の隣に寝かしてくれと指示してくる。
満作はもう酔い酔いで高イビキをかいていた。
父、娘二人して大の字になって寝る姿はさすが遺伝子の濃さだと思わずにはいられない‥
「じゃあ‥おばさん、すいません。こんなに酒弱いって思わなかったから‥」
「あら、いいのよ。父に似なかったのはそこだけなんだから💧‥夏目クンも重いのにわざわざありがとね。」
詫びる夏目にオカンは反対に気をつかっている
そして頭を下げ部屋を出る夏目に晴樹は何も言わなかった。
「由美ちゃん‥」
「はい?」
「みんなで一緒に居た?」
「え…っ…あ、はい‥夏目クン達の部屋であともう一人、夏目クンの友達と‥」
「ずっと部屋でみんな一緒に?」
「はぃ…っ…」
由美は晴樹に嘘をついた‥
『俺、目の仇にされてる』
そう言った夏目の言葉が頭に残っていた‥
‥夏目クンと二人きりだったなんて言えないよ💧
「そうか‥
じゃあ、俺も部屋に戻るから‥明日は潮干狩りの予定だからそのつもりで準備して。陸達もな‥」
晴樹は元気に返事を返す陸達の頭を撫で部屋をあとにした。
・
‥カチャ‥
晴樹は大部屋を出てドアを閉める‥
‥クソッ―――!!
そして胸の内で罵声をあげ壁を叩いた
夏目の積極さに不安が募る
このままじゃまた苗を盗られるかもしれない―――
そんな思いが胸をよぎった
「んーいい潮干狩り日和だ!‥苗ちゃん、思う存分楽しみなさい!!」
翌朝、晴天にも恵まれ潮も引き、絶好の潮干狩り日和を迎えた。苗達はホテルから少し放れた海辺までバスで来ていた。
「うお〰、父ちゃんスゲー!見てよ、ホタテがある!!」
「なに!? よし、取って帰って今夜の夕飯にするぞ」
浅瀬の岩かげで陸がホタテを見つけ、興奮していた
「父ちゃん! ココにもあるよ!!」
「でかした空!!」
次々に見つかるホタテに満作は息を弾ませる‥
ホタテはお爺が苗達の為に朝一番で業者に依託して浜に蒔いていたのだった‥
その他に大アサリもたくさん蒔いてある💧
もちろん収穫が大漁だったことは言うまでもなかった…
・
「苗ちゃん、潮干狩りは楽しんでもらえたかな?」
「うん、ちょー楽しかったです!!あさりも沢山あるから佃煮作ったら理事長さんにもお裾分けするょ」
「おおそうか、
楽しみじゃ!!」
前の座席で楽しそうに語る苗とお爺‥
そして疲れ果てて眠る田中一家‥
由美は海の隣の席でメールをピコピコ打ってニヤケている‥
相手はもちろん克也だった。
そして、晴樹は‥苗の話し声を耳にしながら考える‥
学校が始まれば苗の側にはあまり居られない‥
この夏休みの間を苗とほとんど一緒にいた為に晴樹は贅沢になっていた。
できればずっと傍にいたい‥
いつもの生活に戻ればどうしても離れることの方が多くなってしまう‥
そして、今度日本に来るという知人の娘‥
リディの世話をすることになれば尚更‥苗との時間は当然削られるだろう…
留学時代、父親の顔を潰さないように晴樹はクライム家の我が儘娘に合わせて色々と付き合ってやっていた‥が、しかしあまりにも身勝手なため、晴樹はリディを一喝したことがある‥それを気にリディは晴樹を
“OH!サムライ男子!”と気に入ってしまったのだった。
‥あの我が儘娘💧
絶対にあれやりたい、これやりたいって俺を振り回すんだろうな‥‥
晴樹は深いため息をついた…。
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