ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

文字の大きさ
174 / 255
12章 学園祭

2

しおりを挟む


「それより、苗のクラスは準備進んでるのか?」


晴樹はそれとなく話題をそらす

「うん、準備ってもたいしたことしないからさ!火も使わないし‥兄さんも売り上げ協力お願いね!!」


「ああ、手があいたら様子見に行ってやるよ」



晴樹はそう約束して苗を家まで送り届けた。














そして学園祭当日――― 


‥よし、準備おっけ!
忘れ物は・・なしっ!!


‥姐さん!苗、頑張るよ!!


苗は学園祭で使う小道具を仕込み姐さんに誓いをたてた‥










「晴樹さん!衣装ここに置いときますよ。」


「ああ、‥お前は準備すんだのか?」

晴樹はそう言って衣装を持ってきた直哉を振り返る。


「きっ‥‥ついな…っ…お前💧」


「言わないで下さい‥//
怖くて自分じゃ鏡も見れないくらいなんだから💧」


先に準備を整えた直哉を見て晴樹は顔を引きつらせていた。


‥俺もこーなんのかよ!?


「もう、結城クンちゃんと前向いて!!」

椅子に腰掛けた晴樹の顔をクラスの女子が支度の為に、いじりまくっている‥




‥こんな姿、ぜってー見せらんねぇな、苗には‥‥


晴樹は女子達にやりたい放題されながらそう思っていた。そんな晴樹に直哉の口から気になる情報が‥



「そう言えば田中さんが‥」

―――?!

「苗がなんだ!?💧」

「“兄さんのクラスは何するだかね?”って、この前聞きにきましたよ。」


「‥!!‥
な、っもしかしてお前教えたのか!?」

晴樹は目を向いて聞き返していた。

「いえ‥💧
言ってないですよ…
だって“なんべん聞いても兄さん教えてくれないだよ!!‥なんて言われたら俺が言う訳には‥」


「そりゃそうだ…
助かったよ直哉‥

やっぱお前は信用の置ける奴だ!俺は一生お前を離さないからな!!」


「‥ //💧」


キリっとした表情を向け晴樹は直哉にグッ!とサインを送る‥

そんな晴樹に直哉は困惑していた。


‥なんだか晴樹さん‥‥
田中さんに似てきた気がする‥💧


信用の置ける人材は確保し側に置いておかねば!!
晴樹の経営者としての才能がそう反応していた。



「はい!出来上がり!」


準備の整った晴樹はヅラを被されカチューシャをつけられる‥




そう、今回の晴樹のクラスの出し物‥

それは、


*メイド&執事喫茶*

だった‥


メイドには男子が、執事には女子が扮装し、お運びをするというアキバ系の内容で展開される‥

出し物決めの話し合いで晴樹は断固反対したが多数決で圧倒的に女子が多い晴樹のクラスは瞬く間に結論が出てしまっていた💧



‥っとに、なんで女って男にこんな恰好させたがるんだ!?


「晴樹さん‥
なんか普通に似合ってますよ💧」

「あぁっ?なに!?」

直哉の誉めことばにも晴樹は不満を露にしている。



だが‥‥確かに晴樹はメイド姿が似合ってしまっていた‥

バッチリメイクに付け睫‥ブロンドのクリクリカツラにカチューシャをつけた晴樹はまるで外人モデルかフランス人形のよう‥

ここまでメイクしてしまうと元が男とは想像もつかない‥そんなメイク‥

ギャルメイクだった💧


「なんか瞼が重ぇっ」

「じき、慣れますよ💧」


バサバサと長い付け睫で瞬きしながら愚痴る晴樹を直哉はなだめていた


そして、苗達のクラスも準備で慌ただしく賑やかだった‥
一年にとっては初めての学園祭‥みんな楽しんで準備に取り掛かっているようだ。




「なえちん‥」

「ん?」



「‥その姿のテーマはいったいなに💧?」


由美は客寄せの準備を整えた苗に問いかける‥


「これ?
これはあれだょ有名な!
テーマはね
“寅さん食い道楽へ行く”だよ!!」


「‥‥そうなんだ💧」


苗の説明に由美は黙ってうなずく‥


フウテンの寅さん風に、ラクダ色のスーツと帽子を被り大きなトランクケースを下げて、顔には食い倒れ人形と同じデカ鼻眉毛つきの黒ブチ眼鏡を掛けている‥



「じゃあ、じゃんじゃんお客呼ぶからみんな頑張ってね!!」


そして苗は客寄せのために教室から出ると放浪の旅に向かった──




‥よし‥目指すは2年の校舎‥
兄さんの“萌えショット”を入手しなきゃだょ!!

苗はもう一度トランクに仕込んだカメラをチェックする‥


‥ふふふ‥完璧っ…


怪しい笑みを浮かべ寅さんは足を進めた…。













‥とにっ、なんでこんなもんまで履かなきゃなんねぇんだ!??‥///


足の毛までキレイに処理され晴樹は白いガーターストッキングを身につける‥

もちろん、おパンツもフリルたっぷりの萌え萌えメイドパンツを着用させられていた。




「はーぃ、準備できたら写真撮ってくから教えて!」

「きゃーっ!こっちも写してぇ!!」

晴樹を取り囲み花が咲いた声を上げる。

‥なに!?


「俺は絶対撮るんじゃねぇぞっ!!」


後ろでキャーキャー騒ぐ女子に晴樹は釘を刺す‥


学園祭の記念に貼り出される為の写真が校内の至るところで撮られていた‥


‥こんな姿、写真に残るなんて冗談じゃないっ!!



晴樹は目を光らせながら行動していた💧







「おーさすが、マンモス校になっただけはあるな💧
生徒だけでスゲー賑やかじゃん!!」

「そうですね。」


学園祭が始まり、一般客や保護者達がちらほらと学園に訪れ始める‥


そして招かれざる客も‥

「んで、マシュマロのクラスは何の催し物だって?」

「なんか、水飴煎餅とチョコバナナやらを販売するらしいです。」

「水飴せんべい?へぇ、懐かしいな!!
よし、余りそうだったら買い占めてやるかっ
どうせ武さんもそのつもりなんだろ?」

「‥//💧」


そう‥‥招かれざる客‥

それは、到底こんな学園祭という雰囲気が似合いそうもないあの二人‥


極道一家、鬼頭組の跡目

鬼頭 貴志とその幹部
近藤 武‥。


苗は武にメールを送り学園祭に招待していたのだ。

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

処理中です...