ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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12章 学園祭

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「あっ、克也から電話だ」


とたんに鳴りだした携帯の着信を確認し夏目は電話に出た。

「おう、今から行くから!」


そう言って夏目は電話を切ると苗に誘いをかけた‥


「苗!克也が今、苗のクラスにいるから一緒に行こうぜ!」

「うん!‥大ちゃん水飴煎餅買ってね!大ちゃん用のを特注で作るからさ!」


「マジ?俺のは特注なんだ!!そっかぁ
悪いな、“俺だけ”特注でっ」


「──‥っ💧」

N校舎に一緒に向かいながら、夏目は苗をはさんで隣を歩く晴樹に視線を送り同じ言葉を繰り返す‥


そう、苗は甘いものが苦手な夏目の為に特注煎餅を考案していた‥

ただ、夏目の為にというか💧‥‥売り上げ達成の為に甘いものだけではダメだと考えただけなのだが、モノは言いよう‥‥せっかくハッピーになっている夏目のために敢えて詳細はふせることにしよう‥











―ガラッ!

「由美!お客さん連れてきたよ!!」

「あぁ、苗!あんたちゃんと客引してる?」


「‥うっ‥」

由美に言われ苗は口笛を吹きながらトボケている💧


どうやら売り上げはさっぱりのようだった──。



「客なら後ろに並んでるぜ?」


晴樹は苗に助け舟を出した。


晴樹の言う通り、煎餅屋と書かれた看板の入口に立っていた晴樹達の後ろには、いつの間にか人だかりが出来ていたのだ。


そう、この校舎は今でも女子校のまま──


不思議な恰好の苗に続き、ぞろぞろとイカメンを連れてきたせいで女性客の行列が出来ていたのだ。


「ふふふ、計画通りだょ‥」

「どこがだよ💧」


顎に手を添え不気味な含み笑いを溢す苗に晴樹はツッコミを入れる‥


そんな晴樹達に苗は言う


「兄さん!この際だからサクラになってよ!!」


「サクラって何すりゃいいん‥―――」

「おぉっうめぇな、このチョコバナナ!!」


苗が説明しようとした矢先に貴志の興奮した声が聞こえてくる💧


「‥‥‥💧」


「あんな風にすればいいだょ💧」


苗は貴志を指差して言った

立て看板メニューには色々な種類が書かれている。

*チーズチョコバナナ

*塩キャラメルバナナ

*ヨーグルトバナナ

*ジャムバナナ
(苺 ブルーベリィ マンゴー)

* 水飴煎餅
(お好みトッピング承ります)


‥なんか見ただけでムネヤケしそうだな💧?

晴樹はそう思った



「俺、煎餅にするよ‥
お好みトッピングってなんだ?」


‥バナナは貴志達に任そう💧



案外、甘党な極道二人に晴樹は希望を託す──

そして、苗は寅さんの衣装の上に店の制服に“せんべい”と書かれたはっぴを着た。


「大ちゃん!大ちゃんの煎餅も作ってあげる!」


苗の呼びかけに店の作りを眺めていた夏目が駆け寄ってくる

「はい、まずはこれ!

お口さっぱり日本の心だよ!」


中身が何かも教えず苗は水飴の代わりに何かをえびせんに挟み二人に差し出す‥


「なんだこれは?💧」


「つべこべ言わず男ならサクッと食いねぃ!」


気分は屋台の江戸職人だった。


苗にそう言われ二人は目を合わせ、恐々と煎餅をかじる‥


サクッとした香ばしいえびせんの味にほどよい梅の香りと酸味が口に広がる‥


「──お、なかなかイケるじゃんっ」


‥これならバナナよりぜんぜん食える💧


晴樹はそう思いながら次を頼んだ‥


「お次はこいつだ!

これを無くしちゃ日本のわびさび は語れねぇってんだ!
思いきってガブッと言ってくんねぇい!」




苗にそう囃(はや)され、さっきの“梅せんべい”で安心したのか二人はガブッっと手にしたえびせんを頬張る!!!


その瞬間、苗は得意気に語り始めた──


「北は北海道!──南は九州、沖縄まで小さな島国日本のわびさび、人情は涙無くして語れねぇって話よっ!
なっ兄さん方どうでぃっ!

あっしのこしらえた“涙煎餅”はっ!?」



「────・・・💧」


「な‥みだ‥煎餅!??💧」



その説明を受けた瞬間鼻の奥までツーーンとした強烈な痺れが突き抜ける!!!


目に染みるような刺激が鼻の粘膜を犯しイカメン二人は涙を流してそのワサビの刺激に耐えていた💧


「どうでぃ兄さん方っ?
聞くも涙、語るも涙!!
そのお味を愛しいあの娘に語ってちょ!!」


‥愛しいあの娘ってお前だろうがッッ!!!



江戸っ子になりきって語る愛しいあの娘を前に初めて恋敵同士の感情が一致する!


晴樹と夏目は鼻を真っ赤にし、もがきながら苗を恨めしそうに睨んでいた‥💧













「はぁ―――痛ぇ‥

まだ鼻がどうかある💧…」


苗の過剰なおもてなしに晴樹の鼻はまだ不調を訴えている‥

苗はお詫びのしるしに昆布茶を入れて上げた。
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