ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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12章 学園祭

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「おめでとうございます!景品は三品ですね!」


係は晴樹に三品の景品とハズレのティッシュを渡す。


「ほら」

「兄さんありがと!」


晴樹は苗に受け取った景品を渡す‥

そして苗が手にした景品から封筒に入った招待券だけをぴらっと取り上げた。


「あ、兄さん…っ…
それも苗にくれるんじゃないの!?」


苗は慌てて晴樹に言う!


「くれてやるけど‥

これは俺が預かっておくから、行ける日にちを決めとけよ」


「え、兄さんも行くの?」

「──…っ…

当たり前だろっ!

誰が取ったと思ってんだよっペア券なんだから俺と行きゃあいいだろうがっ!」


‥ムカつく!
こいつすげぇムカつく!!!

苗のこの言葉に晴樹は早速キレていた。
そして、晴樹は低いトーンで聞き返す‥


「これ‥お前、誰と行くつもりだったんだよ‥」


‥誰とだ?夏目か!?武さんか!??

クソッ!俺のことは頭の隅にもなかったのかよっ!



毎回のことだが、苗のこんなところに腹が立つ…っ…

いつも俺は後回し、先送り、、、その度に思い知らされる!!


所詮、俺は兄さん止まり‥

便利な“あしなが兄さん”としてしか見てもらえない…っ…



‥兄さんはなんですぐ怒るだかね💧‥‥‥


キレた顔を自分に向ける晴樹に苗は疑問を浮かべた。

「別に兄さんがどうしても行きたいってんならいいだよ💧」


苗は仕方なく晴樹に譲ったがこの言い方が晴樹の神経に触ってしまった。

「別に行きたくて言ってる訳じゃないだろ!??俺はお前と“一緒に”行きたいんだよ!!」

‥なんで解んねぇんだよ!!

「え、あ‥そうなの?

苗は別に行きたかった訳じゃ💧‥」


苗のこの言葉に晴樹は目を見開く!

「行きたい訳じゃないって、じゃあなんで欲しがるんだよ!」


「──由美‥に、初カレが出来たお祝いにと思って‥💧」


「‥…───


お‥祝い?




・・・・






───……っ‥///…💧」




苗が言った言葉を呟き、落ち着きを取り戻すと晴樹は一気に顔を赤らめた。


そして由美の手に強引に招待券を握らせると足早に教室から出て行った。直哉はそんな晴樹を気にかけ、慌てて後を追い駆けていく。

貴志は静まり返った場を取り繕うように射的を始めていた。


「苗‥コレ‥」

由美は苗に招待券を返した



「ありがとう‥せっかく先輩が取ったんだから苗、一緒に行ってあげて‥私達のは克也クンが用意してるから‥」



由美はそうつけ加えた。


そう‥招待券ではないが、景品を揃える際に克也は由美とのデートようにチケットをちゃんと取ってある。そして夏目にも頼まれ、苗との分のチケットも‥
しっかりと用意していた。


‥兄さん‥‥


苗は晴樹の出て行った後を見つめ、手元に戻ってきたチケットを眺めた‥












「晴樹さん!!」


一年の校舎を出たすぐ脇で、壁に寄り掛り蹲るようにしてしゃがみ込む晴樹を見つけ、直哉は駆け寄る。
そして側に来た直哉に晴樹は、顔を伏せたまま尋ねた。


「直哉‥今の俺を見てどう思う‥」

「‥‥どうって‥💧


恋する赤面ボーイ?‥💧」

「───‥///💧」


耳まで真っ赤な晴樹に直哉はそう答えていた💧

「恋してるように見えるか?‥////」

「だって‥
そこまできたらバレバレでしょう?💧」


「だよな‥

普通、解るよな?‥//

でも、あいつは解んねぇんだよ‥最強に鈍ちんだからッッ!💧‥//」


「‥‥💧」


拗ねたように言葉を吐く晴樹に直哉はゴソッとポケットから取り出した物を渡した


直哉からそれを受け取り晴樹は再び顔を赤く染めた。

「俺、こんな顔してんのか!?‥///💧」


晴樹の問いに直哉は頷き答える

「その顔見たら思いっきりバレバレですよ💧」


直哉に言われ、再び顔を伏せる。晴樹は余りの恥ずかしさに顔を上げることができなかった‥


それは、先ほどインスタントカメラで写したメイド姿の苗とのツーショットの写真‥

自分にぴたりと寄り添う苗を、愛しそうに見つめる恋するボーイが写っている‥


‥恋するボーイ‥か。

なるほどね💧‥///



そして、自分の写真を見て改めて晴樹は確信していた…


やっぱり好きなんだと‥


好きで好きでたまらない娘なんだと‥‥‥


「直哉‥

俺‥苗みたいなパターンは初めてでどうしていいか解んねぇんだよ‥」


晴樹はため息をつくと空を仰ぎながら直哉に語りかけた。


‥苗みたいな女の子も初めてだし、自分が本気で惚れたのも初めて──


苗のことになると感情の起伏が激しくて抑えが効かなくなる‥

嬉しさや嫉妬‥すべてに対して過剰に心が反応してしまう‥



「‥あ、ちょっと‥邪魔しちゃ悪いから俺、行きます」


「え?‥」



空を仰いだまま、瞳を閉じて後ろの壁に形のいい後頭部をコツンと何度も当てて胸の疼きを紛らわせる。

そんな晴樹に直哉はウインクを返して立ち去っていく。

どうやらこちらに向かってくる苗の姿に気がついたようだった‥


「あ、兄さん!!」

苗は晴樹を見つけると直哉が座っていた場所にすとんと腰を下ろした

そして招待券を差し出す。


「──…これ‥

いいよ。由美ちゃんにあげたかったんだろ‥」

「うん。‥でも由美達もう、持ってるんだって!!
彼氏がちゃんと用意してるからって。
だからこれで一緒に行こ!」


「‥‥‥

お前、他に行きたい奴いないのかよ‥//」


苗の気遣いになんとなくぶっきらぼうに答えてしまう‥

「兄さんが行かないなら他に誘うけど‥」

‥なに?


苗の言葉に晴樹の表情が一瞬険しくなった。

「他にって!?」

「他に‥あぁ、空がテストの点数よかったからご褒美に連れて行こうかな」

‥あぁ‥空か💧


‥・・・・💧


またしても、苗の言葉に一喜一憂する自分がいる‥

いつものことだが苗の言葉に深い意味はない。

でもそれについ、振り回されてしまう自分に晴樹はため息が溢れた‥

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