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12章 学園祭
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しおりを挟む「苗‥‥
あいつらは今度、みんな一緒に連れて行ってやるから俺と二人で行こう‥」
立ち上がると晴樹は苗が手にしていた招待券を取って自分のブレザーにしまった。
そして、腰を上げた苗の顔を覗き込んだ。
「いつ行く?」
晴樹に聞かれ苗うーんと考える‥
「‥!‥来週は!?
来週の土曜日は休みだし、あんまり後半になるとお母ちゃんがそろそろだからさ」
「ああ、そうか‥
そろそろ出産日だな。
じゃあ来週の土曜日な!」
晴樹の言葉に苗は激しく頷いた。
安堵の溜め息を漏らし頬を緩める。晴樹は苗の頭を撫でるとじっと見つめた‥
「苗……」
「ん?…」
「ハグしてもいい?‥」
「え、なに?‥ハグ?
いいだよ!」
「───……っ‥//💧」
苗は明るく返事を返し自ら豪快に両腕を広げた💧
そんな苗に、晴樹は戸惑いつつソッと苗の背中に腕を回し抱きしめる
そしてゆっくりと苗の肩に顔を預け艶やかな髪に頬を埋めた‥
今は普通に抱きしめ合うことだけが精一杯‥
でもいつかは‥
苗を‥
大好きな苗をちゃんとこの腕に──
想いを伝えて‥
苗を抱きたい‥。
「あ、帽子がっ…──」
・
校舎の合間から急にびゅーっと吹き返した秋風に苗の寅さん帽子が一瞬、フワリと浮き上がる。
晴樹は持ち前の運動神経で素早くそれを手にすると、掴んだ手にゴツゴツとした異物感に目を見開いた──
「なんだこれは?💧」
‥はぁ、やばい!💧
苗の焦る形相を見て晴樹はその帽子を調べる!!
「なんだこれは!??💧
えっ!?言え!!今度は何を企んだ!??──」
「──…っ…‥💧」
晴樹の手には帽子から外されたリモコン式の超小型カメラが握られていた‥💧
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