ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

文字の大きさ
182 / 255
13章 海外からの来訪者

2

しおりを挟む


「んむぁ〰いぃ
相変わらずなお味だよ!」

「美味いか?」


自分の問いかけに満面の笑みを向けランチを頬張る苗を晴樹は眺める。


「兄さんはどう?」


「あぁ、最高だよ。

一つの弁当箱の中でオーケストラ演奏が上演されてるって感じだな‥」

「‥‥💧」

晴樹は尋ねてきた苗に弁当を食べながらソムリエのように感想を語りはじめた。

「まるで‥

そう、これはまるで‥

焼いた塩シャケにハンバーグのケチャップがナイスな甘味を加え、傾いて形の崩れただし巻き玉子には苺の汁が絶妙な酸味を与えている‥」


「そ、そう💧?‥」

晴樹は目を閉じて瞑想するように身振り手振りで優雅に感想を述べる‥
そして、閃いたかのように目を見開いた!

「そう!これはまるで統一制のないオーケストラだ!!

ハモらずにそれぞれの味が自己主張しあっているな!」

「そう💧‥
じゃあみんな個性があっていいだね‥」


晴樹はそう言った苗ににっこり微笑み返し付け加えた


「フルーツは出来るだけ別に入れた方がいいと俺は思うぞ‥」

ぐちゃぐちゃに崩れた弁当に再び箸をつけながら、晴樹は苗に提案していた。




「ところで苗‥」


弁当の感想を述べ終えて問いかける晴樹に苗は、ん?と返事を返す


「土曜日は十時に迎えに行くから。」

「土曜日?
ああ!土曜日ね」


「――‥💧」


一瞬忘れていたかのような返事を返す苗に晴樹は静かにキレる‥
そして落ち着きを取り戻すと再び口を開いた。


「苗‥」

「ん?」

「明日も一緒にランチしような。」

「ランチ?」

聞き返す苗に晴樹は頷き弁当をつつきながら答える

「ああ‥
明日も明後日もこれから毎日ランチご馳走してやるから。」

「‥‥」


そしてランチの皿から顔を上げ、無言で見つめてくる苗に晴樹は微笑んだ。

「明日は、肉詰めピーマンが食いたいなっ
今日、帰りに買い物行くか?」


さりげなく、自分の為に弁当を作ってこいと要望しながら、晴樹は予定を詰めて行く。


少しでも苗と居たい‥

ほんの少しでも、苗の時間は夏目には譲れない‥


晴樹は苗が自分と買い物に行くことを好むのを知っている。


何故なら‥


‥あ、そだ!トイレの紙がきれそうだった!兄さんに買いだめしてもらおっと!


そう、一緒に買い物したときは支払いはすべて晴樹持ちだったからだ‥💧



ついでに他に買う物はなかったかとホクホク顔であれこれ考える苗を見ながら、晴樹はふと、寂しげな顔を見せる‥


援助をする以外、苗との接点が見い出せない自分自身に晴樹は切なさを覚えていた。


‥今は別にそれでいい。


晴樹は自分自身にそう言い聞かせる‥


今度の土曜日は援助抜きのちゃんとした当たり前のデートだから‥。


苗と二人で‥


そう思いながら、すごく楽しみにしてたのに‥‥‥













恋の女神は晴樹の恋路に向風を送り込む…


ほんの一歩も前進出来ないような向風を‥



女神は中々、晴樹の恋を応援してはくれなかった…。













「はあ!?
急に何言ってんだよ!!」


土曜日の午前中、慌ただしく出掛ける準備をする晴樹に電話が入った。

「だから、昼の一時に空港に着くから迎えに行ってくれ。と日本語を言ってるつもりだが‥」


「―――‥」


流暢に語る電話の相手に晴樹は無言でキレる。
電話の相手は晴樹のパパさんだった…


「ざけんなよ!💧いきなり言われても無理に決まってんだろ?俺は今から用があるから。」


晴樹はそう言って電話を切った。



「たくっ何急に言ってんだよ‥俺は今からデートだっつーの!」


晴樹はぶつぶつと愚痴をこぼしながら鏡で身なりを整える


「デート‥か‥//」


そうボソッと呟き返しながら晴樹は微かに笑みを浮かべた‥

鏡の前の香水を手首にひと降りすると残りを耳の後ろに擦りつける。

そして、チケットを忘れないように確認していると、今度は晴樹の耳に携帯のメール受信音が聞こえてきた。

苗からかと思い、晴樹は急いでメールを確認すると‥



〔鬼息子へ〕


「‥‥っ」


パパさんからのメールだった💧

題名を読んだ瞬間キレる晴樹‥

とりあえず、ずらずらと書き綴られたメールを読むと‥

〔誰も知る人の居ない土地で少女は心細さを胸に抱え震えることだろう‥
ああ!可哀想な少女‥
鬼のような男を慕い見知らぬ土地に降りたった少女は見捨てられたことも知らず慣れぬ土地をさ迷い行方不明に‥‥‥
そして、発見された時は変わり果てた姿で‥〕


「・・・・‥💧」


その先もずらずらとミステリー小説のような文章が書き綴られている‥

晴樹は途中で携帯を閉じていた…。

そして整えた髪をくしゃっと掻き上げベッドに座り込む。



そして吐き捨てるように呟いた

「‥っんで、よりによって今日なんだよッ」


諦めきれない思いを抑え込むように晴樹は額を両手で覆い伏せぎ込む。

晴樹は苛立ちながら智晴に電話を掛け直していた‥


「行く気になったか?」

「行けないって!
用事があるって言ってんだろ!?
他の奴に頼めよ!無理なら俺が村井に頼むから‥」


「‥じゃあ、お前の用事を村井に頼め。」


「な…っ…ふざけんなよ!」

‥何、言ってんだよこのジジイ💧


勝手極まりない智晴の言葉に晴樹は一瞬、絶句していた。

そんな晴樹に智晴は構わずに続ける

「リディはお前が迎えにくるのを楽しみにしてるんだ。いざ、日本に着きました。でも、当の晴樹がいません。‥じゃあショックが大きいだろ?
リチャードにも日本に着いたら晴樹が全面バックアップするから安心しろって言ってある。
14歳の少女はお前を頼って日本にくるんだぞ。
今後のわが社の発展の為にも、リチャードの信用を無くすことはできん!
なんの我が儘か知らんが、お前の用事は大した用事じゃあないだろう?」


―――‥!


そう言った智晴の言葉に晴樹は反論することができなかった。

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい

みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。 それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。 願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。 スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。 ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。 ※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。

東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」 ──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。 購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。 それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、 いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!? 否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。 気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。 ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ! 最後は笑って、ちょっと泣ける。 #誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。

S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…

senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。 地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。 クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。 彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。 しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。 悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。 ――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。 謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。 ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。 この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。 陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!

処理中です...