ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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15章 苗の異変

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仕方なくリディに従いながら、晴樹は唖然とする苗にミラー越しで、ごめんと詫びのジェスチャーを送ってくる。
晴樹に謝られ、苗は仕方なくリディの意見を優先した。

‥まぁ、大事なお客さんならしょうがないか‥
ヒルズ行ってから映画でもいいや‥

苗は携帯の時計を見て次の上映時間を確認する。


‥えと、あ!これなら間に合うなっよしよし!
今日はあまり遅くならないように帰らなきゃだし。



ただ、

そう納得してはみたものの‥


六本木ヒルズを見て回るイコール=半日は余裕で潰れてしまうということを二人は忘れていた‥
ヒルズを初めて訪れたリディは自分の見たいお店をもちろん、くまなく見て回る。

「晴樹! 次はあのお店!」

晴樹の腕を引っ張り色々な店に入る度に晴樹の手荷物はどんどん増えて行く始末‥

そして苗は後ろから二人の後をてくてくとついて回りながらリディの買い物の仕方に興奮していた💧


「ねえ、このマネキンの着てるのちょうだい」

「はい、少々お待ち下さい」

値段も確かめずリディは店員に言いつけ、片っ端からマネキンを裸にしていた




‥あひゃぁ💧え!?
それも買うの!?それさっきのお店で買ったのと同じに見えるだよっ!?


リディにそう言いたくても言えない‥

苗はリディの大人買いをハラハラしながら見守るしかなかった💧




ただ‥そう思いながらも苗は羨ましくもあった‥


そう、

誰もが憧れる大人買い


値段を気にせず買い物をしたうえ、同じ物を買い間違ったとしてもカリカリせずに、「まぁ誰かにあげればいいわ」くらいの余裕‥

一度でいいからそんな気分を味わいたいものだ。



‥はぁ‥いいな‥//

大人買いか‥

初めて見ただょ‥


苗はキラキラとした瞳でリディの衝動買いっぷりを見つめていた

*──*


やってみた~ぃ

大人な買い物

セレブ買い~


*苗造‥こころの川柳‥*



苗は二人を眺めながらふと、携帯の時計を確認する
そして焦った

‥あ!💦
もうすぐ映画の時間だ


あちらこちらとリディに連れて回られる晴樹の服の裾を苗はくいっと引っ張った。


「――?ん、なに?」

「兄さんもうすぐ、映‥」

「晴樹!あのお店可愛い服があるわ」

苗が言いかけた言葉を遮るように、リディが晴樹を自分の思うままに引っ張って行く



「‥ちょ、わかったから引っ張っるなよっ」

「‥あっ、

‥兄さ──‥」

リディの荷物をたくさん抱え、歩きにくそうに腕を引っ張っられる晴樹に呼びかけたが晴樹の耳に苗の声は届かなかった。



‥兄さん‥‥


二人の背中を見つめる苗の表情がふと、微かに曇る‥



苗はひそかに落ち込みながら、そんな二人の後をついて行く‥
店の外で二人を待ちながらショーウィンドウに寄り掛ると苗はふと足元に目を落とした。


そして小さくため息をついてポツリと呟く‥



「‥はあ‥

映画‥始まっちゃった‥」


ため息と一緒にほんの少し、じんわりと苗の瞳に涙が浮かんだ‥

苗の家にはDVD機器がない‥
レンタルして観れない為に新作映画はテレビのロードショーでしか視聴できないのだ。

最初から観れないとわかっていれば諦めもつくが、今日は完全に映画を観る気満々だった苗はかなりがっかりしていた


リディに引っ張り回わされる晴樹にチラリと目を向けて、再び苗はうつ向く。



・・・・‥



―――‥苗の‥





苗の兄さんなのにっ‥‥




晴樹の腕に絡みつくリディを見て、ふと苗の中にそんな感情が芽生えていた




なんとなく、リディにかまってばかりの晴樹に寂しさが募る‥



「はぁ‥」

‥もう、帰ろうかな‥


そんな思いと共にため息をつくとお腹も鳴りだしていた。

楽しみにしていた映画が観れなくなった途端、忘れていた空腹が苗を襲い始めていたのだ。

晴樹は店の外で待っていた苗が気に掛り、ふと目を向けると苗がとぼとぼと歩き近くのベンチに腰掛ける姿が目に入った…

―――‥あれ‥

‥‥苗?





晴樹はうつ向いた苗の姿を目に止め、リディの腕をほどく。

そして隣にゆっくりと腰を下ろす晴樹に苗は気づいた‥


「――‥ぁ、兄さん‥」


「ごめんな苗‥

疲れたか?
この買い物が終わったら映画行こうな‥」

「‥ぅん‥」

苗の顔を覗き込み頭を撫でながら優しく声をかける。そんな晴樹に、苗は元気なく返事を返すと顔を上げた。


「でも、もう‥帰るよ」


「──っ‥帰る!?‥」

晴樹は目を見開き聞き返す

「‥なんで!?

観たい映画だったんだろ!?」


‥そんなこと言うなよ‥


なんだか苗の言葉に胸が締め付けられた気がした。




ほんの一時でも一緒にいたい‥

そんな気持ちを少しでもいいから晴樹は苗にわかって欲しかった。


「あいつに遠慮することないから‥」


そう言って説得してくる晴樹に苗は笑顔を返しながら言う

「うん‥‥でも、また今度でいいだょ、今からだと遅くなるからさ!‥

帰って家のこともしなきゃだし‥」


──…苗?


晴樹はそう言って笑う苗の笑顔が少し気にかかった‥

少し疲れた感じで無理に作った笑顔を心配そうに晴樹は覗き込む。



「ごめんな‥やっぱ、疲れたよな‥

よし!
わかった‥じゃあ、もう帰ろうか‥な!」


二人で話しをしていると、買い物を済ませまだ、どこかの店を見に行こうとするリディに晴樹が言い聞かせる

「ねえ晴樹!!次はっ‥」

「次は無し!
もう、散々買い物しただろ!?これ以上買ってどうすんだよ!」

「えーっ!!だってまだ見たいとこっ‥」

「駄目だ!」

言い切る晴樹にリディは口を尖らせ抗議している
そんな二人を眺め、苗は口を開いた

「兄さん、苗は一人で帰れるからいいょ‥」

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