ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

文字の大きさ
200 / 255
17章 距離…

1

しおりを挟む

「田中さん調子はどうかな?」

「はい、だいじょびです!」


翌日の朝を迎え、一晩過ごした病室で様子を伺いにきたカウンセラーのドクターに苗はいつも通りの答えを返す。
世間話や物価高騰の話題、家計のやりくりが大変だと、苗らしい愚痴にドクターは普段の苗の様子と何ら変わらないことを確認しながらデータを取っていく‥

「‥んでも、兄さんが色々恵んでくれるから助かってるだよ!」

「兄さん?‥」

「はい!田中家の救世主。ハレンチ兄さんって言いますっ」

「ハレンチ兄さん💧?」


苗の口から初めて聞くその名前をドクターは聞き返しながら問診表にチェックを入れた

「ハレンチ兄さんってのは誰かな💧?」


「ハレンチ兄さん‥

それはそれは、たいそう高貴な生まれの出の方なのですよ!
ただ、非常にハレンチがお好きな方でして・・・…」

「はぁ・・
ハレンチがお好きでお金持ち?‥で、良く怒る‥と💧」

ドクターに質問され、苗は晴樹の事を伝説のように語って聞かせた‥
そして、苗の説明をこと細かくメモしていく💧

久しぶりに発症した苗の病気に関連がないかを調べるためだった



「なるほど。
じゃ、そのお兄さんって人は田中さんにとって特別な人なんだね」

「‥?」

笑顔で問いかけるドクターに苗は疑問顔を浮かべて返す

「そうかそうか、苗ちゃんもお年頃だね。
家計の話しか聞かなかったから心配してたけど‥

いやぁ~よかった!」


ドクターは一人で納得すると振り向き様に怪しげな笑みを浮かべ病室を出ていく。苗はその後ろ姿をキョトンとしたまま見送っていた

ドクターが出て行って数分後―――
病室のドアが勢いよく開く。



「おう、苗。」

「あ、父ちゃん!
みのり、すごい元気だっただょ」


「お、もうご対面してきたのか?
父ちゃんに似て美人だったろっ」

「苗に似て美人だっただよっ」

どっちもどっち‥
さすが似たもの親子の会話だった💧

田中家の次女‥みのりちゃん。

秋の実りの時期に生まれたからと豊作爺ちゃんが夕べ考えて付けたらしい‥

朝一番に目覚め、オカンが出産した旨を知らされた苗は早速、我が妹を愛でに行ったのだ‥

『うわぁ‥


‥金太郎みたいだね💧』

『‥‥💧

苗が生まれた時とそっくりよ。』


『‥ふーん💧』




妹を初めて見て発せられた苗の感想にオカンの返した応えだった




「苗、お前は昼に退院できるらしい。父ちゃんは母ちゃんとこ付いてるからお前はあんちゃんに送ってもらえ!」

「兄さん?‥‥。」

「ああ、なんだ?
なんか気に食わねぇってツラだな?」


オトンからそう聞かされ、苗は無意識に表情を曇らせる

「別にそんなことはないだょ‥ないだけど‥‥‥」

「ないだけどなんだってんだ?」


‥ないけど…

苗は口を尖らせぶつぶつと呟きを繰り返すだけだった

「苗、あんちゃん昨日も遅くに見舞いに来たんだ。後でその詫びもしとけよっ
んじゃ父ちゃんみのりんとこに行ってくるからな!」

「みのりん💧?」


鼻の下を伸ばし鼻歌を歌いながら愛妻と生まれたばかりの愛娘の待つ部屋へと向かったオトンを見送り、苗は退院の支度を整えながら考え込んでいた


『昨日も見舞いに来たんだ』

‥昨日も?
全然気付かなかっただよ…

高熱にうなされていたせいで、自宅で布団に潜り込んだ辺りから記憶が曖昧‥


『あんちゃんが迎えに』


‥兄さんが迎えに?

‥‥でも、兄さんあの娘の相手で忙しいって…




昨日の出来事が苗の頭の中で回想される‥

あちらこちらへといいように振り回されていた晴樹‥

怒りながらも『たくっ、しょうがないな💧』そう言いながら結局はリディの我が侭を聞き入れ買い物に付き合っていた。


“大事なお客‥”


‥しょうがないだよね…

大事なお客だから・・・。


半日の入院だった為に退院の支度も早めに終わり苗は再びベッドに潜り、携帯電話を見つめた…

おもむろに携帯のボタンをプッシュする‥
発信音のする機体を耳にあて苗は白い天井をぼーっと見上げていた…



『もしもし?

‥苗?おーい、苗?』


電話口からは出ても返事の返ってこない相手に焦って応答を願う声が響く。
苗が電話を掛けた相手は晴樹だった…


「もすもす‥」

『あ‥💧
苗、よかった。調子はどうだ?』

電話の向こうで安堵の吐息が漏れる。
苗は無意識の内に晴樹に話掛けた

「兄さん‥」

『あぁ、なんだ?
腹でも減ったか?
昼に退院だってさっきおじさんから連絡あったから、ついでに何か食って帰るか?』

明るく返す晴樹の声が頭にぼわんと響く‥


「兄さん‥あのね‥‥

迎え‥いいだから…」


──!?

『は!?‥』

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる

グミ食べたい
恋愛
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。 彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。 だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。 容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。 「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」 そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。 これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、 高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...