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20章 恋の片道切符二枚組
1
しおりを挟む住宅街に横付けされた車の中。時折、通る対向車のライトに照らされる薄暗い車内で晴樹はきょとんとした表情を返す苗を見つめた‥
「話って?」
「‥‥ん‥」
「‥?」
「苗は‥大丈夫だよな…?」
「え?‥」
「苗は‥
俺が居なくても大丈夫だよな…?」
「‥‥‥?‥兄さん‥
何言ってるだかね?」
「───‥ッ‥‥」
晴樹の言葉の意味が理解出来ず首を傾げる苗の無垢な仕草に晴樹の表情は次第に歪み始めた。
「明日から‥
ニューヨークに行ってくるから…。」
「ニューヨーク?」
聞き返す苗に晴樹はゆっくりと頷く。
「あぁ‥」
「‥何しに?」
「ちょっと‥うちの会社のことで‥‥‥
だから、これからの苗の身辺のことは理事長に頼んでるから…」
「──‥理事長に?」
「あぁ‥だから心配はな…」
「──…っ…いつ帰ってくるのっ」
間発入れずに苗は聞き返す。
「………」
「いつ!?」
「わからない…」
晴樹の腕を掴み追求する苗に晴樹は目を伏せゆっくりと首を振って笑って見せる…
・
結城グループ、海外進出に向けて自分もプロジェクトに組まれていること。そして自分自身がその要を握っていることを、晴樹は簡単に苗に説明した
「へ‥ぇ‥すごいだね…
じゃあ、しょうがないか…」
晴樹の説明に苗はうつ向く
「苗?…」
晴樹はそんな苗の顔を心配そうに覗き込んだ…
「困ったことがあったら理事長に言えばいいから‥
苗の為なら喜んで色々してくれるだろうし、だから‥」
「‥あの娘も‥っ」
「‥‥?」
晴樹の言葉を遮り、うつ向いたまま急に苗は呟く
「‥っの娘も一緒に行くんだッ‥ふッ‥ぅぅ‥」
「…?💧
あの娘って?」
ぶるぶる震え歪む唇を噛み発した苗の言葉に晴樹は目を丸くしながら聞き返した
「苗?
──‥お前‥なんで泣いてんだよ」
「だっで‥っ‥うぐっ
ふぅ‥っ‥兄ざんあの娘とばっかり…ゥゥ‥一緒にッ」
「‥‥//‥💧」
‥リディのことか?
でも何も泣くこと💧…
「苗‥」
「‥うぅ‥グス‥?」
隣でボロボロと涙を流す苗に晴樹は話かける
「リディも一緒に行くけど‥」
「──!!
うウゥっ…やっぱり!!」
「…っ」
まだ話、途中だっちゅうのに…
・
晴樹の話を最後まで聞かず苗は再び泣き出した💧
‥‥なんで‥リディのことなんか気にしてんだよ💧?
「苗?‥‥💧」
「‥ぅぅ‥」
「ほら、こっち向け💧」
ぐじゅぐじゅと鼻をすする苗の顔を晴樹はティッシュで拭いてやる‥
相変わらず豪快な泣きっぷり‥
‥コイツはいつも妙なタイミングで笑かしてくれるな💧
「なんでそんなことで泣くんだよ?リディは自分の国に帰るだけだろ?
何が気に入らないんだ?」
「‥っ‥だっで‥」
「‥‥だってなんだよ💧?」
「だっでッ‥
‥苗のっ‥‥」
──?
「苗の兄さんだもっ!!」
──‥っ
「───‥
‥‥‥‥💧
・・・な💧‥/////」
‥‥なんだょそれ‥//‥💧
苗の口から出たセリフ‥。固まりながら呆気に取られる晴樹に苗は興奮しながら巻くしたてた
「兄さんは苗のなのッ‥
苗と一緒にいるの!!ぅうっ
苗と一緒にいなきゃ‥っ‥いけないだょっ‥ヒック‥」
苗は叫びながら大粒の涙を流した‥
──‥///‥💧
なんで‥‥‥
「な、んで‥‥」
晴樹は勢いに押されながら心のままに呟いた。
「なんでだよ…っ
なんで俺がお前のなんだよ!!‥//」
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