212 / 255
19章 恋の片道切符
5
しおりを挟む「苗‥嫌ならいい…
嫌ならしないから…
嫌だったら‥拒否して…」
そんな言葉を口にしながら晴樹はゆっくりと苗の唇を求めた…
正直な気持ち、拒否なんてして欲しくない──
少しでいいから期待を確信に導いて‥
ほんの少しずつでいいから苗の心に入り込めたなら…
この先が苗との思い出で綴られるなら‥‥
俺はどんなことでもやりきれる気がするから…
「──っ‥苗?」
頬を捕らえた晴樹の手に苗の柔らかな手が重ねられていた。
「か、軽いやつっ!‥//」
「‥‥軽いやつ💧?」
不可解な言葉を放つ苗に晴樹は聞き返す。
「あのぐちゅってしたやつじゃなくて軽いやつなら…っ‥//」
「‥‥は💧?」
‥ぐちゅってしたやつって💧?
───‥!‥
あぁ‥💧
「わかった💧
軽いやつなら嫌じゃないんだな💧?」
苗は大きく頷くと堅く結んだ唇の緊張を解いた。
軽いやつ‥‥‥
何度も晴樹に激しいキスの嵐を受けている苗‥
・
未熟な苗にとってディープ過ぎる晴樹のキスは構えていても結構辛いものがある💧
「軽いやつならいい」苗の了解を得て、晴樹は不安気な表情を一瞬で和らげていた。
覚悟を決め、ゆっくりと伏せられていく苗の白い瞼‥
そんな苗に堪らず晴樹の心は震えを呼び起こす。
‥苗──っ
そっと唇を重ねると晴樹の呼吸が大きく乱れた──
「っ…なえ‥‥‥」
‥軽いキスをしなきゃ…
晴樹は必死で自分にブレーキを掛ける
ふわりとした柔らかい感触…
久しぶりに触れた苗の唇に晴樹の熱が上がる。
どれくらい振りだろう…
すごく懐かしく感じる…
夏の花火を眺め、遊歩道を二人で歩き‥そしてキスをした…。
無理強いでしか出来なかった自分のキスを、初めて受けてくれた。
苗とのこんなキスはあの日以来…
求めては諦め‥
諦めては求め…
その繰り返しに想いはズタズタになったこともしょっちゅうだった…
「なえ‥‥っ‥」
キスの合間に吐息が漏れる
軽いキスが難しい──
唇を重ねる度、忍び込みそうになる自分の熱い舌先に晴樹は手を焼いていた…
・
長く触れていたい欲求を抑え、軽く何度も唇を重ねながら晴樹は苗をそっと抱きしめる。
可愛く漏れる吐息‥
柔らかい苗の唇…
離れる度に晴樹は苗を瞳に止めて確かめる…
幻じゃない。
夢でもない。
目の前にいる少女は紛れもなく自分がずっと恋こがれていた女の子…
‥ハァ‥‥
「なえ‥ッッ‥」
唇を剥いでは名前を囁く…
艶のある甘い囁き。熱が隠り、かすれた声音は苗の柔らかな首筋を震わせる
‥ぅ‥あっ‥//
つぁ‥っ…ぬぉ‥//
く、くすぐっ‥‥たぃっ…
晴樹の情熱を肌で受け止めきれず苗はうめき声を溢す💧
腕の中の苗を確かめるように晴樹は苗の唇を食んでは首筋に潜り苗の香りを記憶する‥
「ッ‥っなえ──!」
「ぁぅ‥!‥//
に、兄さん!!ちょっ‥」
‥うぁ〰//
兄さんちょっと激しすぎだょ〰〰〰っ
軽いキス‥‥
約束通り、晴樹はディープなキスをしてこない…
ただ、かなり情熱的なだけ💧
首筋に送られる甘い責め。痺れ始めた触感を耐えながら苗は晴樹の背中に回した手に力を入れた。
「──‥っ‥//」
ギュッとしがみつく腕に晴樹の胸が疼く…
・
「苗…っ‥」
言わずにおく‥
そう決めていた…
明日にはもう俺は日本に居ない
今日が最後のつもりだったから…
俺が居なくても苗にはなんてことない──
そう思ったから…
でも、ほんの少しでも望みがあるなら…
もし、期待通りの苗の反応が見れたなら‥
ちょっとくらいは賭けてみようか…
いいよな‥そのくらい…
どうせ、最後だと決めて来たんだ‥
今更どんな展開になっても悔いが残るよりは──
「苗……」
晴樹は自分にしがみつく苗をそっと離し、伺うように声を掛けた。
頬を上気させ何度も重ねられた唇は赤くぽってりと色付いている‥
大好きな苗…
泣いた顔も
怒った顔も
もちろん笑顔なんて最高に大好きだった…
俺が居なくなる…
それを知ったら苗はどんな顔をするだろうか?…
苗が悲しがる顔だけは好きにはなれない‥
けど…もし──
苗がもし、俺を思って悲しがったら‥俺は理不尽にも両手放しで喜ぶんだろうな‥‥
そんな淡い期待を心に宿し晴樹は苗の熱る唇を指先でなぞる
「苗‥話がある…」
「‥はなし?‥//」
ほんのり赤い顔を向け苗は聞き返した…
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい
みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。
それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。
願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。
スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。
ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。
※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる