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19章 恋の片道切符
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しおりを挟む「苗‥嫌ならいい…
嫌ならしないから…
嫌だったら‥拒否して…」
そんな言葉を口にしながら晴樹はゆっくりと苗の唇を求めた…
正直な気持ち、拒否なんてして欲しくない──
少しでいいから期待を確信に導いて‥
ほんの少しずつでいいから苗の心に入り込めたなら…
この先が苗との思い出で綴られるなら‥‥
俺はどんなことでもやりきれる気がするから…
「──っ‥苗?」
頬を捕らえた晴樹の手に苗の柔らかな手が重ねられていた。
「か、軽いやつっ!‥//」
「‥‥軽いやつ💧?」
不可解な言葉を放つ苗に晴樹は聞き返す。
「あのぐちゅってしたやつじゃなくて軽いやつなら…っ‥//」
「‥‥は💧?」
‥ぐちゅってしたやつって💧?
───‥!‥
あぁ‥💧
「わかった💧
軽いやつなら嫌じゃないんだな💧?」
苗は大きく頷くと堅く結んだ唇の緊張を解いた。
軽いやつ‥‥‥
何度も晴樹に激しいキスの嵐を受けている苗‥
・
未熟な苗にとってディープ過ぎる晴樹のキスは構えていても結構辛いものがある💧
「軽いやつならいい」苗の了解を得て、晴樹は不安気な表情を一瞬で和らげていた。
覚悟を決め、ゆっくりと伏せられていく苗の白い瞼‥
そんな苗に堪らず晴樹の心は震えを呼び起こす。
‥苗──っ
そっと唇を重ねると晴樹の呼吸が大きく乱れた──
「っ…なえ‥‥‥」
‥軽いキスをしなきゃ…
晴樹は必死で自分にブレーキを掛ける
ふわりとした柔らかい感触…
久しぶりに触れた苗の唇に晴樹の熱が上がる。
どれくらい振りだろう…
すごく懐かしく感じる…
夏の花火を眺め、遊歩道を二人で歩き‥そしてキスをした…。
無理強いでしか出来なかった自分のキスを、初めて受けてくれた。
苗とのこんなキスはあの日以来…
求めては諦め‥
諦めては求め…
その繰り返しに想いはズタズタになったこともしょっちゅうだった…
「なえ‥‥っ‥」
キスの合間に吐息が漏れる
軽いキスが難しい──
唇を重ねる度、忍び込みそうになる自分の熱い舌先に晴樹は手を焼いていた…
・
長く触れていたい欲求を抑え、軽く何度も唇を重ねながら晴樹は苗をそっと抱きしめる。
可愛く漏れる吐息‥
柔らかい苗の唇…
離れる度に晴樹は苗を瞳に止めて確かめる…
幻じゃない。
夢でもない。
目の前にいる少女は紛れもなく自分がずっと恋こがれていた女の子…
‥ハァ‥‥
「なえ‥ッッ‥」
唇を剥いでは名前を囁く…
艶のある甘い囁き。熱が隠り、かすれた声音は苗の柔らかな首筋を震わせる
‥ぅ‥あっ‥//
つぁ‥っ…ぬぉ‥//
く、くすぐっ‥‥たぃっ…
晴樹の情熱を肌で受け止めきれず苗はうめき声を溢す💧
腕の中の苗を確かめるように晴樹は苗の唇を食んでは首筋に潜り苗の香りを記憶する‥
「ッ‥っなえ──!」
「ぁぅ‥!‥//
に、兄さん!!ちょっ‥」
‥うぁ〰//
兄さんちょっと激しすぎだょ〰〰〰っ
軽いキス‥‥
約束通り、晴樹はディープなキスをしてこない…
ただ、かなり情熱的なだけ💧
首筋に送られる甘い責め。痺れ始めた触感を耐えながら苗は晴樹の背中に回した手に力を入れた。
「──‥っ‥//」
ギュッとしがみつく腕に晴樹の胸が疼く…
・
「苗…っ‥」
言わずにおく‥
そう決めていた…
明日にはもう俺は日本に居ない
今日が最後のつもりだったから…
俺が居なくても苗にはなんてことない──
そう思ったから…
でも、ほんの少しでも望みがあるなら…
もし、期待通りの苗の反応が見れたなら‥
ちょっとくらいは賭けてみようか…
いいよな‥そのくらい…
どうせ、最後だと決めて来たんだ‥
今更どんな展開になっても悔いが残るよりは──
「苗……」
晴樹は自分にしがみつく苗をそっと離し、伺うように声を掛けた。
頬を上気させ何度も重ねられた唇は赤くぽってりと色付いている‥
大好きな苗…
泣いた顔も
怒った顔も
もちろん笑顔なんて最高に大好きだった…
俺が居なくなる…
それを知ったら苗はどんな顔をするだろうか?…
苗が悲しがる顔だけは好きにはなれない‥
けど…もし──
苗がもし、俺を思って悲しがったら‥俺は理不尽にも両手放しで喜ぶんだろうな‥‥
そんな淡い期待を心に宿し晴樹は苗の熱る唇を指先でなぞる
「苗‥話がある…」
「‥はなし?‥//」
ほんのり赤い顔を向け苗は聞き返した…
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