ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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20章 恋の片道切符二枚組

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その意味が知りたいっ

兄さん、兄さん、兄さん!!

今まで何回も聞いたそのセリフ‥


その度に俺は──っ


「なんで兄さんだからって苗と一緒に居なきゃいけない!?‥あ!?なんでだよ!?」

「ふっ‥うぅ‥だっで‥」

「だってなんだよ!?」


「だっでッ嫌なんだもっ‥

兄さんが苗以外の女の子と一緒にいるの嫌なんだもっ!!‥ぅ‥っ」

───!…



「──‥‥は‥‥」


‥‥‥


‥‥‥‥//‥っ


はっきりと聞いた苗の言葉に晴樹は力んだ肩の力を一気に解放すると強いため息を吐く──

張りつめた緊張がほどけ、晴樹はシートにどさっと身を預けた。

興奮で荒い呼吸が落ち着きを取り戻したかと思った途端に鼓動が胸の奥で暴れ始める…



晴樹はいまだにグズっている苗に目を向ける‥

『苗以外の女の子と――』

シクシク泣く苗を見つめさっきの言葉をもう一度思い出す


‥‥//

なんだよ‥っ‥

完全な妬きもちだろ、それって‥‥//



初めて聞いた苗の気持ち。

抑えていた想いは瞬く間に熱を蓄える

なんで‥

俺は何をあんなに我慢してたんだ?‥//


胸が疼く‥

今までにないほどに、

甘く疼く──



「苗‥//‥」


「ぅうっ‥だに?‥ヒック」


泣きながら苗は呼びかけに答える‥


晴樹は涙を拭う苗の手をそっと捕えた…

「なんで俺が苗以外の女と居ると嫌なんだ?‥//」



聞きたい‥

もう一度、ちゃんと…


セコイことしてるのはわかってる…

でも‥
それでも…


「苗?
なんで嫌なんだよ?‥//」


「ふ‥ぅっ‥だっで‥」

「‥だって?‥//」


胸が熱い……

“だって…”

晴樹はその言葉の次のセリフを待ち侘びる


『だって‥好きだから…』

そう‥

次に続く言葉はきっと…


晴樹がずっとずっと望んでいた答えだから…


「なえ?‥//」


頼むからジラすなよ‥//


待つだけでいっぱいいっぱい‥

心臓は張り裂ける手前まできている

「なえ‥だって、なに?‥//」

「だっでっ‥



だっで苗の兄さんだも…っ」


───…



・・・・っ


‥‥っ‥このっ💧‥//

「…っだからなんで苗のなんだよっ!?」


晴樹の痺れが切れた💧




「なんでだ!?

なんで苗のだから嫌なんだ!?
他にあるだろ言い方が!!💧」


くそ‥絶対に言わせてやる!!──

「言ってみろ!?
なんで俺が苗以外の女と一緒に居るのが嫌か!あ!?💧」

さぁ言え!早く言え!!!💧


「‥‥う💧‥兄さん?」

‥な、なに怒ってるだかわかんないだょっ

他に言い方って!?


次第に喧嘩腰になる晴樹。苗は戸惑いながら晴樹に追求されたことを必死で考えた


「苗っ!!」

「へぃッ!!」

強く呼ばれ江戸っ子のような返事を苗は返す💧


「俺が苗のなら苗は誰のだよ!?あ!?」

「え💧!?」


「誰のだよ!?」


‥そ、‥ゴクッ💧
そんな睨まなくても…っ


険しい眼差しを苗に向け、晴樹は勢い付き始めていた💧


‥なえ‥なんで言ってくれないんだよ──っ


晴樹は心で叫ぶ‥

聞きたい‥

こうなったら苗の口から何が何でも‥

『兄さんが好き‥』

その言葉を言わせたい…


晴樹は無謀な挑戦をしていた‥

鈍感に超がついてしまう程の鈍ちん‥

苗自身が未だ、自分が晴樹のことを好きだという事に気づいていない💧


好きだ、なんて言わせること自体無理があるのに…




「苗はっ‥‥‥
誰のものなんだよ!?…」


晴樹は粘っていた💧


‥兄さ‥ん💧‥


晴樹の剣幕に怯え、苗の涙はどんどん干上がっていく…
苗は必死で答えを探した。


「‥‥‥💧

な、苗は──



‥‥苗‥


‥の、もの‥‥かな?💧」


「‥‥っ💧?」

苗の口からでたセリフに晴樹は口を開けた💧



──‥なっ‥

「‥っ‥💧

お前は‥っ



ジャイアンかよッッ!?──」


晴樹はキレた!

「‥だってっ」

「何がだってだ!?

なんだよそのっ『お前のモノはオレのモノ!──オレのモノはオレのモノ!』みたいな口ぶりはっ!?ああっ!?」



「に、💧兄さん‥早口だね…」

「うるさい!!‥//
お前が言わせてんだろうがっ!!

あ〰〰〰もうキレたっ!!」

‥あ、兄さっ…


頭を抱え悶絶を打つ晴樹を苗は怯えながら見守っている💧


「‥はぁッ──‥
苗、あのな‥っ//」


一向に自分の欲しい言葉がわからない苗に観念したように晴樹は口を開き始めた‥

「苗が‥俺が他の女と一緒に居るのが嫌だってんなら──ッ‥」


乱れた呼吸を整えるように晴樹は息を溜める‥




胸は熱すぎて冷静さを保てない

もどかしく疼く想いがどう呼吸を整えようとしても晴樹の声を震わせる…

「苗‥


俺だって‥っ‥

‥嫌なんだよ‥//」

「───えっ?‥」


自分の言葉を理解できずに見つめてくる苗の顔を晴樹は見ることができない──

シートに深く身を預け、晴樹は苗とは反対側に顔を背け繰り返し呟く


「俺だって‥っ
苗が他のヤツと一緒に居るのはッ──‥

見たくないんだよ…っ」



顔から蒸気がでる──

相変わらず苗はぽけっとした顔で晴樹を見つめたまま‥

晴樹はそんな苗に咳を切るように想いを吐き出した


「苗が──…

苗が‥夏目と一緒にいるのだって耐えられないしッ

俺から離れて行くことだって‥っ‥‥」


‥‥兄さん?‥


想いを口にしながら今までの出来事が晴樹の脳裏をよぎる‥

夏目と付き合い始めた苗‥

ヤクザに拐われもう二度とあの笑顔に会えない‥

そう思った時の悲痛な想い‥

片時も離れて居たくなくて苗の後を遠い田舎まで追いかけたこともあった…


「苗…」

暗い車内。ぽかんとした表情で見つめている苗を晴樹は見つめ返す…

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