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☆*:.。. o番外編o .。.:*☆
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しおりを挟むこれでどうやぁー!!
そんな勢いのままベッドの上でぎゅーっと目を閉じて覚悟を決めた苗。
その心境はまさに、まな板の上の鯉のよう…
晴樹は払い飛ばされた姿のままで大の字の苗に呆気に取られている。
「な…苗?」
晴樹は目を瞑って固まっている苗の肩を揺すった。
「もーっさっさとヤッてちょっ!! 一気にズコーンとヤッてちょ!!」
「ズコーン…て…」
そんな覚悟の仕方はないだろ?…
呆れと同時にエレクトしはじめていた晴樹のナニが段々と萎れてきている。
スムーズにいかない気は何となくしていたが…
元気を無くしていくムスコ同様に萎れていく晴樹のヤル気。
身を投げ出したわりには緊張で全身に力の入りまくった苗を悲しそうに見つめる晴樹の右耳に誰かが囁いた…
・
『ほらほら…いいって言ってんだから…ズッコーン! と一気にヤッちゃえよ…』
「………」
黒い翼をもったニヒルな顔立ち…
ちびデビル晴樹だった…
そんなイケイケの囁きにちょっと晴樹のハートが痛む。
『ダメに決まってるだろズっコーンなんてヤッちゃ!! 今回も諦めた方がいいって。あんなに怖がってるし…』
「…っ…」
だからズっコーンてのはやめろって…
白い翼のエンジェル晴樹が晴樹の良心をツンツンと矢の先でつつく…
お互いに牽制しあい、いがみ合う天使と悪魔。
(悪)『お前な、男と女には勢いってのが大事なんだぜ!!』
(天)『…ウグッ……』
それも確かに言えてるな…
言い切られて押しやられる天使。晴樹の心の天秤が、微かに悪魔の方に傾いた。
(悪)『それにな、“今回も”を一体何回繰り返せば済むんだってこった!!』
…言えてるっ!!
悩みを浮かべていた晴樹の瞳がキラッと光りを帯ていた。
いつの間にか大の字から胸の上で手を組みシスターのように祈る姿の苗を晴樹は射抜くように見据える。
悪魔の最後の決め手で天使はキャーっと叫びながら晴樹の心から押し出されていたのだった………
・
「苗……」
「……っ…」
硬いマットがキシッと鳴る。
苗の頭の傍に手を付いた晴樹の重みでベッドが揺れ、覆い被さる晴樹の影に苗の緊張が増幅する。
服を着たままゆっくりと重なる影。
そして感じる重み。
晴樹は苗の緊張をほどくように前髪の上からおでこにキスをした…
服を通して伝わる体温。
優しい晴樹のキスに、力の入っていた苗の瞼が徐々に和らいでいく。
胸の上で組まれていた手をソッと外させると晴樹はその手にも唇を宛てた…
ひとつひとつの動作に想いがこもる。
人を好きになるという感情
離れると寂しいという想い
喜怒哀楽の全てを惜しみなく教えてくれた…
そんな苗が愛しくてたまらない
「苗…愛してる……」
催促されなくてもホントに心からそう思えば自然と口をついて出るもんだ…
想いを込めてキスをすればするほど気持ちは高鳴り、そして胸が苦しくなる。
おでこから少しずつ下へと伝っていく晴樹の唇。
押し付けて、離れてを繰り返す度に熱を帯、濃厚さを増していく…
「…なえ…っ…」
「…あ…っ…」
晴樹のキスは完全な愛撫という行為に代わりに始めていた…
・
苗の微かに甘さを含む声に、晴樹の呼吸が乱された。
「兄さ、…」
緊張して上擦る声がする。
「兄、さんっ…」
夢中で苗の肌をまさぐり始めた晴樹には苗の囁きは少し遠い…
「…に、…兄さ、…」
「…っ……な、え…っ」
胸元に何度も唇を押し充てる。
興奮し過ぎて疼く胸が堪らなく苦しい―――
晴樹はそんな自分の想いを解放したくて苗の背中に手を回した。
――!
「うぁ…っ」
身投げの思いで覚悟を決めた筈なのに…
やっぱり怖さが増してくる。
ワンピースのファスナーに晴樹の手が触れた気配がして思わず苗の腕に力が入った。
チー…とゆっくりとファスナーが下ろされていく。
「…なえ…っ…」
弛んだ苗のワンピース。晴樹はそれを目にすると抑えきれずに途中までファスナーを下げたまま、肩に掛かる袖を脱がし掛けた。
「やっ、やっぱりっ!…」
「………っ…なえっ?…」
「や、やっぱり…」
腕を突っぱねて晴樹の動きを遮った苗を、晴樹も驚いたように見つめる。
「やっぱりって…」
今度はなんだよっ…
心臓も苦しくて痛い…
アレも、はちきれそうでもっと痛い…
半ば恨めしげに晴樹は苗を見る。
・
心臓は口から飛び出していきそうな程に鼓動を打ってるってーのにっ…
「な……」
「お風呂はっ…」
………は?
名前を囁き掛けた晴樹に苗がとっさに返した言葉だった。
「風呂っ?…て…」
「や、やっぱりっ…こういうことの前はお風呂が大事だょっ…ねっ…」
「それはそうだけどっ…」
何だかせこい時間稼ぎのような気もする…
「じゃ…っき、決まりっ…兄さん先に入って! ねっ!」
「………」
苗の焦った口調がどうも怪しく思えた。
「………俺…後にする。お前先に入れ…」
「え…そんな…」
「何がそんな、だ?」
やっぱり怪しい…
まさかトンズラこく気じゃ……
晴樹はジトッと苗を見据えた。
もし、読みが当たっていたなら…
はっきり言ってラブホで女に逃げられるよりも恥ずかしいっ
しかもそれが我が家で相手が奥さんならなおのこと…
前代未聞だろ!?
そんな経験は未だかつて為たことのない晴樹だったが、晴樹にとって苗という存在は晴樹の知らないことばかりを経験させる。
もはやSランクの小悪魔だ。
「じゃあ一緒に入ればいい。…それで文句ないだろ!?」
「―――ぅ…」
しょんな…
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