ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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☆*:.。. o番外編o .。.:*☆

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ベッド脇の棚には苗が置いたらしい、二人で写した写真が飾ってあった。


苗と過ごした時間が思い出になって…

これから少しずつ、この空間を彩っていく…


色褪せることのない思い出。

時間が経過する度にきっとそれは眩しいほどの輝きを増す筈で……


「苗…」

「……ん…」

「水、飲めるか?」


もごもごと口を動かす苗を抱き起こすと晴樹は自分の口に水を含んだ…

冷たい水が晴樹の口の中でほどよい温度に変わり、苗の小さな唇へと流し込まれる…

「…んっ…む…っ」

口移しで与えられる水を少しずつ飲み込む度にゴクリと苗の喉が鳴る。

注ぐものが無くなると、晴樹は苗の口にそのまま濡れた舌を入れていた。

そっと緩んでいく唇。
晴樹はその奥へと舌を差し込む。

苗の背中を支え、空いた手で苗のぽわっとした温かい手を絡め取ると冷たかった舌が直ぐに熱を取り戻し、晴樹は唇を交差しながら甘い息を吐いた。


「…苗……」


何度も諦めた苗とのこの瞬間。

唇を離すと少し酔いの覚めた苗は照れながらも晴樹の手を握り返す。

晴樹はそんな苗を見つめた…


“兄さん…好き…”


二次会で突然口にした苗の言葉が脳裏をかすめ、晴樹はふと頬を緩ませる。


付き合い始めても…

婚約しても…


やっぱり俺は兄さんか…



立場は確かに変わった筈なのに“兄さん”からは逃れられないことに、返って笑いが溢れそうだ。



兄さんでも幸せであることは間違いないんだけど…


「苗…あーいう言葉はな……今、言うもんだろ…」


照れたままうつ向いて無口になった苗に、晴樹はそう言って優しく笑うとギュッと苗を抱きしめた。


海外と日本を行ったり来たりの慌ただしい日々。

やっと取り戻せた苗との時間を噛み締めるように、晴樹は抱きしめた苗の首筋に顔を埋める。

ふんわりとした香りが晴樹の疲れた心を和ませる。



ああ…

これは…
なんていうんだろうか…


赤ちゃんのような柔らかな匂い。
抱きしめただけでこんなにもホッとする…


やっぱりこれだな…



瞳を伏せた晴樹の表情に自然に笑みが浮かぶ。


すごく大事で…

愛しくて可愛い…




晴樹は鼻先を擦り付けるように苗の香りを味わうと首筋にちゅっと軽く何度も吸い付いていた…




鼻先で肌を伝いながら、晴樹は苗をそっとベッドに押し倒していた。

「…苗………」

軽く吸い付いただけで白い首筋がほんのりとピンクに染まる。

強く喰らいつきたい


目立つ場所に自分のものだという印を残したい…


そんな感情が湧いてくる。

苗にだけ抱いた独占欲


晴樹はそれを我慢しながら熱い舌を這わした。

「…っ…うぁっ…」

唇を肌に押し付けたまま、熱い舌先で苗の白い肌を柔らかくなぞると握っていた苗の手に、時折力が入る。

そして微かにうめき声が洩れていた…


「うぅぉっ…」


………?

おおよそ色気とは無縁の苗の喘ぎに晴樹の動きが一瞬止まった。

堪えるように目を堅く瞑る苗をちらっと覗くと晴樹はまた柔らかなキスを繰り返す。

ワンピースの裾から少しずつ潜り込む晴樹の指先…

「ヒィッ……」

「――……」

…ヒィッって……なんだよ…


膝から内腿を伝った晴樹の手。苗の口から脅えたような悲鳴が漏れていた…

カチコチに固まったまま拳を握り締める苗を見て晴樹は動きを止める。
「苗……お前、ちょっと緊張し過ぎ……」



それ以上先に晴樹の手が行くことを拒むように苗の両膝がガッチリとくっついている。

「………」

もしかして…

またお預けか?…


なんだかそんな気がしてくる。

「苗……力抜けって…」


晴樹は苗の様子を窺いながら太ももペチペチと叩いた。

「…う……」

「………?」

「兄さ、ん…」

「…どう…した…?」

なるべく優しく…

焦らずに………


そう自分に言い聞かせながら晴樹は脅える苗に優しく聞き返す。


「やっぱり今から…っ」


「…今からなんだ?……」


「………今から…っ…」

「………?」


「シちゃう…だよね?……」

――!
「お前っ―――…そんな事率直に聞くか普通っ」


「だってっ……苗もか、覚悟がっ…」

必死の形相でそうわめく苗をじっと見つめて晴樹は唾を飲んだ。

「い…一応…は…」

わざわざ口にするって何とも言えない程に恥ずかしい…

でも晴樹は声を絞った。

「最後までシちゃうつもり…でいますが…っ…」

「……っ…」

何故か息が上がる。その上、顔は熱り語尾はなんだか声が上擦っていた。



苗の要らぬ再確認のお陰で落ち着いていた晴樹の心臓が必要以上に今のこの状態を意識し始めていた。


苗の上に重なった心臓が圧迫されたように鼓動を打つ。

シちゃうと宣言した以上、今回こそは絶対にっ…


晴樹は目の前の苗を見つめ、頬に手を添えた。

「苗、…覚悟とか必要ないから…」

晴樹はそういいながら再び瞳を伏せて、苗に唇を重ねた。

今まで何度も交したキス…


あまり行き過ぎることがないように…

途中で想いを抑えられるように…

制御しながらのキスをたくさんしてきた…


でも、たった今。
晴樹が苗に降り注ぎ始めたキスはその後の続きを予感させるようにじっくりと甘く…

そしてたっぷりの愛を惜しみなく含んでいる。


「…苗……」

「……っ…ん…」


唇を放した晴樹の口から熱いため息が零れ、苗は恥ずかしそうに目を反らし少しばかり途方に暮れた。



どうあがいても、やっぱり今日は最後までコースだ…

そう覚悟を決めるしかないっ…

「…っ…ええぃっ…ヤルんなら一思いにヤッちゃっておくんなましよっ!!」

「……っ」
―――苗!?

苗はそう叫ぶと同時に晴樹を振り払い両手足を大の字にドカッと広げていた…

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