123 / 276
第6章「最高神生誕祭」
121話 役に立つよりも
しおりを挟む
「アスタ、しばらく囮になって! いい方法思いついた!」
「え? 逃げ回っていればいいの?」
「そう、ひたすら逃げてて! 魔物と一定の距離を保って、捕まらないように!」
「結構無理言うね!? ボクじゃなかったらできないよ!?」
そうよ、他でもないあんただから、普通なら無理なことでも頼んでるのよ。
魔物とアスタの距離は変わらず、触手が届くくらいを保っている。もし触手が飛んできても、アスタの身体能力と反応速度ならしっかりかわせる。
私が近づき斬りかかっても、傷をつけられたとしても、魔物たちはアスタに触手を伸ばす。それでも、何度も近寄ってくる私を叩き潰そうと攻撃して来るときもあるが、やはり片方に意識が寄っている状態だから速度が遅い。
(やっぱり、こいつらアスタの方が優先なんだ!)
魔物が誰かに操られたり、神しかその場にいないときだと、こんな動き方は見られなかった。本来なら、奴らはこのような動きをするということか。
この調子なら、背後を狙えば確実に攻撃できる。ただ、闇雲に背後から斬っていても、何度も傷を与えなければ倒せない。私の今の体力を考えるとそれは難しい。
「アスタ、そいつにもっと近づいて!」
「えぇ!? わ、わかった……わあぁ! 口開いた!!」
魔物の本体が裂けて、大きく口を開ける。本体の上部分がにゅうっと伸び、標的を丸呑みしようとしている。
このとき、魔物は捕食しようと動きを止める。私は一気に駆け出し────
「隙ありっ!」
剣を振りかぶり、魔物を薙ぎ払った。大きく口を開けて生まれた溝を斬り、胴体を分断する。
魔物は何も飲み込むことなく、その場に崩れ落ちてどろどろ溶けていった。
「危なかったぁ……今のは色々と無茶だったよ、ユキ」
「そうだね……ごめん。いくら死なないとはいえ、死にそうな真似させて」
「ううん。ユキが強くなるためなら、ボクはいくらでも協力するよ!」
今のところ、周囲に魔物はいないようだ。もっと多い数沸いてると思っていたけれど……他のひとが倒したのかな?
魔物探しに動き出そうとしたときに、視界の端からレイチェルさんが躍り出てきた。
「あっ、ユキアちゃん……魔物は?」
「レイチェルさん! 一応、二体は倒せたよ」
「もしかして、本当に剣だけで倒したの? すごい……」
「予想より魔物が少ない気がするんだけど、レイチェルさんたちが倒してるの?」
「う、うん……マロンたちも頑張ってるんだと思う。だいぶ数が減ったの」
日常的に使っていたから意識していなかったが、魔法の破壊力は高い効率を得られる。それが武器だけだと、効率と引き換えに身体を鍛えることができるわけか。
強くなるのも、簡単じゃないな。
「えっと……アスタくんは、どのくらい倒したの? クリム様やティアル様は、あなたを強い子だって言ってたけど……」
「残念ながら、ボクの力は魔物には効かないんだよねー。武器も全然ダメなんだ。おかげでユキの足を引っ張っちゃうところだったよ」
「……そうなの。観測者って、レイたちとは力の性質が違うんだよね? あの『子供』も同じことを言ってた……」
子供、という単語に私たちははっとする。
「子供って、もしかしてシファのこと?」
「う、うん……よく知ってるね。ラケルは、あの事件でシファと手を組んでたから、レイもちょっとだけ事情がわかるの」
クリムが夢牢獄の中でシファと会ったとか、ヴィータがシファと戦闘になったとか、その辺りの話は以前聞いた。
神隠し事件も、観測者が関わっている可能性があるって話だったし……なぜ観測者が神の事件に関与しているのかという謎は、未だに解けていない。
「魔物のことは、ティアル様が自主的に研究してるの。あのひとに聞いたら、原因もわかるかも……」
「そっかー……余裕があったら聞いてみるよ。ありがとう、レイチェル」
アスタが笑いかけたとき、レイチェルさんから返事は返ってこなかった。代わりに、彼女の目に涙が溜まっているのに気づく。
「れ、レイチェルさん!? なんで泣いてるの!?」
「い、いえ……ごめんなさい、悲しいとかじゃなくて……嬉しくて……」
そこからすぐに、レイチェルさんは声を抑えながら泣き出してしまう。目の前で泣かれて困らないわけはなく、思わずアスタと顔を見合わせてしまう。
森の中で立ち尽くす状態になってしまった私たちだったが、ちょうど困ったところにバイクのエンジン音が聞こえてきた。
「こっちはもう終わったっスよ────って、レイ隊長!? なんで泣いてんスか!」
『どうしたんだ、レイチェル』
やはり、オルフさんもルマンさんも心配そうに言葉をかけてきた。オルフさんなんて、今にも「おったまげた」と叫びそうなくらい大げさな顔つきになっている。
レイチェルさんは、零れ落ちる涙を拭うのに必死になっているようだった。
「レイ、こんなにたくさんのひとに優しくしてもらえて……これでいいのかなって、心配になっちゃって……」
「え? そんなに感極まるほどのことですか?」
『レイチェルはずっとラケルの中で、負の感情を受け止め続けていたからな。表にも滅多に出てこないから、優しくされ慣れていないんだ』
ルマンさんがラケルとレイチェルさんに向ける態度は、ほとんど正反対と言ってもいいほど異なる。レイチェルさんが気弱だということを昔ながらの付き合いで知っているから、接し方もわかっているのだろう。
それに、レイチェルさんはラケルが何をやったのかも全部知っていて、止めることができなかった。そこから来る罪悪感とも戦っていると考えれば、重荷になってしまうのも仕方ない。
私はポケットに押し込んでいたピエロ人形を抱いて、レイチェルさんに近づいた。
「レイチェルさん。私、このピエロ人形のおかげで、魔法がどれだけ便利なものかわかったんだよ。今まで自分が魔法に頼りすぎてたってこともね」
「……そう、なの?」
「うん。剣だけで魔物と戦うのって、結構大変だった。色々考えながら動かないと殺されるってことを知ったよ」
「……レイは、役に立てた?」
その言葉で、私はあぁ、と心の中で悟った。誰かの役に立ちたいという感情は、誰が持っていても不思議じゃないからなぁ。
けれど、ただその言葉に応えるだけでは、レイチェルさんの「呪縛」は解けない気がした。
「『助かったよ』。レイチェルさんがアドバイスとかしてくれて、本当に助かったんだから」
「……ユキアちゃん……そっか。レイは、ユキアちゃんの助けになれたんだね」
レイチェルさんの口元が綻び、微笑みを見せていた。涙はきっと、すぐに乾くだろう。
それから、もうしばらく魔物退治に勤しんだ。気づけば、日が傾き始めていたので、その辺りで哨戒を切り上げた。
結局、今日は哨戒任務の間、一切魔法を使わなかった。おかげで魔力は有り余っているのに、身体にどっと疲労感が溜まったままになった。
森を抜けて草原を通り、中央都市の郊外まで戻ってくる。足も腕も疲れ切って、自力で移動するのも億劫になってきた。
オルフさん曰く、これから魔特隊の本部に戻って任務の結果を報告しに行くそうだ。私とアスタも一応参加していたから、来てほしいと言われた。
宮殿内の本部に向かうと、中にはティアルしかいなかった。時間もだいぶ遅くなっているせいか、他の神はもう帰ってしまったらしい。ティアルは机の上に置いた資料を整理しているところだったが、私たちの姿を見るとすぐに仕事を中断した。
「ティアル様……ただいま帰還しました」
「おー、ご苦労さん。どのくらい倒したー?」
「ざっとニ十体はやったっス! 他の部隊はどうでした?」
「他もそれぞれ同じくらいだったぞ。今日は比較的向こうも落ち着いていたっぽくってな。明日からどうなるかはわからねーけど」
『警戒するに越したことはないだろう。明日も同じ形か?』
「ああ。ユキア、明日も鍛錬に来るんだろ?」
こくりと頷いた。
今日だけで既に疲れ切っているけれど、鍛錬は毎日続けなければ意味がない。早いうちに休めばいい話だ。
「さて、これで報告は終わりでいいぜ。みんな疲れてるだろ? ゆっくり休めよ」
「待って、ティアル! ボク、ちょっと話したいことがあるんだけど」
「ん? 別にいいぜ。お前らは先に帰っていいぞー」
アスタがティアルに用? 珍しいな。てっきり私と一緒に帰るのかと思ったのに。
とりあえず、二人を残した状態で、オルフさんたちと一緒に部屋の外へ出た。
「オルフさんたちは、これからどうするの?」
「オレっちとルマンは家に帰るぜ。あっ、でもこのまま飲みに行くのもいいかもな。レイ隊長もいるし!」
「えっ? レイも……?」
『おいオルフ、ボクは何もできないからな。レイチェルに介護させたりするなよ』
「わかってらぁ! ユキアも来るか?」
「う、うーん……ジュースだけでいいなら」
「よっしゃ! 行くぜーっ!!」
オルフさんはルマンさんをすごい勢いで押しながら走っていく。ルマンさんに何か叫ばれているのに、まったく止まろうとする気配がない。
私とレイチェルさんだけが、この場に残された。レイチェルさんは苦笑いしながら、遠のく二人を眺めていた。
「にゃはは……マロンも大変なの」
「そういえばレイチェルさんって、いつもルマンさんのことを『マロン』って呼んでるよね」
「うん……ルマンって名前は、あくまであの姿になったときにつけられた名前だから。レイにとって、マロンはいつだってマロンだよ」
なるほどね……ラケルとルマンさんは二百年くらい付き合いがあるって言ってたけど、きっとレイチェルさんのこともそのくらい前から知ってたんだろうな。
さて、成り行きで飲みに付き合わされることになったけど、酒を飲むことだけは避けたいな。
「え? 逃げ回っていればいいの?」
「そう、ひたすら逃げてて! 魔物と一定の距離を保って、捕まらないように!」
「結構無理言うね!? ボクじゃなかったらできないよ!?」
そうよ、他でもないあんただから、普通なら無理なことでも頼んでるのよ。
魔物とアスタの距離は変わらず、触手が届くくらいを保っている。もし触手が飛んできても、アスタの身体能力と反応速度ならしっかりかわせる。
私が近づき斬りかかっても、傷をつけられたとしても、魔物たちはアスタに触手を伸ばす。それでも、何度も近寄ってくる私を叩き潰そうと攻撃して来るときもあるが、やはり片方に意識が寄っている状態だから速度が遅い。
(やっぱり、こいつらアスタの方が優先なんだ!)
魔物が誰かに操られたり、神しかその場にいないときだと、こんな動き方は見られなかった。本来なら、奴らはこのような動きをするということか。
この調子なら、背後を狙えば確実に攻撃できる。ただ、闇雲に背後から斬っていても、何度も傷を与えなければ倒せない。私の今の体力を考えるとそれは難しい。
「アスタ、そいつにもっと近づいて!」
「えぇ!? わ、わかった……わあぁ! 口開いた!!」
魔物の本体が裂けて、大きく口を開ける。本体の上部分がにゅうっと伸び、標的を丸呑みしようとしている。
このとき、魔物は捕食しようと動きを止める。私は一気に駆け出し────
「隙ありっ!」
剣を振りかぶり、魔物を薙ぎ払った。大きく口を開けて生まれた溝を斬り、胴体を分断する。
魔物は何も飲み込むことなく、その場に崩れ落ちてどろどろ溶けていった。
「危なかったぁ……今のは色々と無茶だったよ、ユキ」
「そうだね……ごめん。いくら死なないとはいえ、死にそうな真似させて」
「ううん。ユキが強くなるためなら、ボクはいくらでも協力するよ!」
今のところ、周囲に魔物はいないようだ。もっと多い数沸いてると思っていたけれど……他のひとが倒したのかな?
魔物探しに動き出そうとしたときに、視界の端からレイチェルさんが躍り出てきた。
「あっ、ユキアちゃん……魔物は?」
「レイチェルさん! 一応、二体は倒せたよ」
「もしかして、本当に剣だけで倒したの? すごい……」
「予想より魔物が少ない気がするんだけど、レイチェルさんたちが倒してるの?」
「う、うん……マロンたちも頑張ってるんだと思う。だいぶ数が減ったの」
日常的に使っていたから意識していなかったが、魔法の破壊力は高い効率を得られる。それが武器だけだと、効率と引き換えに身体を鍛えることができるわけか。
強くなるのも、簡単じゃないな。
「えっと……アスタくんは、どのくらい倒したの? クリム様やティアル様は、あなたを強い子だって言ってたけど……」
「残念ながら、ボクの力は魔物には効かないんだよねー。武器も全然ダメなんだ。おかげでユキの足を引っ張っちゃうところだったよ」
「……そうなの。観測者って、レイたちとは力の性質が違うんだよね? あの『子供』も同じことを言ってた……」
子供、という単語に私たちははっとする。
「子供って、もしかしてシファのこと?」
「う、うん……よく知ってるね。ラケルは、あの事件でシファと手を組んでたから、レイもちょっとだけ事情がわかるの」
クリムが夢牢獄の中でシファと会ったとか、ヴィータがシファと戦闘になったとか、その辺りの話は以前聞いた。
神隠し事件も、観測者が関わっている可能性があるって話だったし……なぜ観測者が神の事件に関与しているのかという謎は、未だに解けていない。
「魔物のことは、ティアル様が自主的に研究してるの。あのひとに聞いたら、原因もわかるかも……」
「そっかー……余裕があったら聞いてみるよ。ありがとう、レイチェル」
アスタが笑いかけたとき、レイチェルさんから返事は返ってこなかった。代わりに、彼女の目に涙が溜まっているのに気づく。
「れ、レイチェルさん!? なんで泣いてるの!?」
「い、いえ……ごめんなさい、悲しいとかじゃなくて……嬉しくて……」
そこからすぐに、レイチェルさんは声を抑えながら泣き出してしまう。目の前で泣かれて困らないわけはなく、思わずアスタと顔を見合わせてしまう。
森の中で立ち尽くす状態になってしまった私たちだったが、ちょうど困ったところにバイクのエンジン音が聞こえてきた。
「こっちはもう終わったっスよ────って、レイ隊長!? なんで泣いてんスか!」
『どうしたんだ、レイチェル』
やはり、オルフさんもルマンさんも心配そうに言葉をかけてきた。オルフさんなんて、今にも「おったまげた」と叫びそうなくらい大げさな顔つきになっている。
レイチェルさんは、零れ落ちる涙を拭うのに必死になっているようだった。
「レイ、こんなにたくさんのひとに優しくしてもらえて……これでいいのかなって、心配になっちゃって……」
「え? そんなに感極まるほどのことですか?」
『レイチェルはずっとラケルの中で、負の感情を受け止め続けていたからな。表にも滅多に出てこないから、優しくされ慣れていないんだ』
ルマンさんがラケルとレイチェルさんに向ける態度は、ほとんど正反対と言ってもいいほど異なる。レイチェルさんが気弱だということを昔ながらの付き合いで知っているから、接し方もわかっているのだろう。
それに、レイチェルさんはラケルが何をやったのかも全部知っていて、止めることができなかった。そこから来る罪悪感とも戦っていると考えれば、重荷になってしまうのも仕方ない。
私はポケットに押し込んでいたピエロ人形を抱いて、レイチェルさんに近づいた。
「レイチェルさん。私、このピエロ人形のおかげで、魔法がどれだけ便利なものかわかったんだよ。今まで自分が魔法に頼りすぎてたってこともね」
「……そう、なの?」
「うん。剣だけで魔物と戦うのって、結構大変だった。色々考えながら動かないと殺されるってことを知ったよ」
「……レイは、役に立てた?」
その言葉で、私はあぁ、と心の中で悟った。誰かの役に立ちたいという感情は、誰が持っていても不思議じゃないからなぁ。
けれど、ただその言葉に応えるだけでは、レイチェルさんの「呪縛」は解けない気がした。
「『助かったよ』。レイチェルさんがアドバイスとかしてくれて、本当に助かったんだから」
「……ユキアちゃん……そっか。レイは、ユキアちゃんの助けになれたんだね」
レイチェルさんの口元が綻び、微笑みを見せていた。涙はきっと、すぐに乾くだろう。
それから、もうしばらく魔物退治に勤しんだ。気づけば、日が傾き始めていたので、その辺りで哨戒を切り上げた。
結局、今日は哨戒任務の間、一切魔法を使わなかった。おかげで魔力は有り余っているのに、身体にどっと疲労感が溜まったままになった。
森を抜けて草原を通り、中央都市の郊外まで戻ってくる。足も腕も疲れ切って、自力で移動するのも億劫になってきた。
オルフさん曰く、これから魔特隊の本部に戻って任務の結果を報告しに行くそうだ。私とアスタも一応参加していたから、来てほしいと言われた。
宮殿内の本部に向かうと、中にはティアルしかいなかった。時間もだいぶ遅くなっているせいか、他の神はもう帰ってしまったらしい。ティアルは机の上に置いた資料を整理しているところだったが、私たちの姿を見るとすぐに仕事を中断した。
「ティアル様……ただいま帰還しました」
「おー、ご苦労さん。どのくらい倒したー?」
「ざっとニ十体はやったっス! 他の部隊はどうでした?」
「他もそれぞれ同じくらいだったぞ。今日は比較的向こうも落ち着いていたっぽくってな。明日からどうなるかはわからねーけど」
『警戒するに越したことはないだろう。明日も同じ形か?』
「ああ。ユキア、明日も鍛錬に来るんだろ?」
こくりと頷いた。
今日だけで既に疲れ切っているけれど、鍛錬は毎日続けなければ意味がない。早いうちに休めばいい話だ。
「さて、これで報告は終わりでいいぜ。みんな疲れてるだろ? ゆっくり休めよ」
「待って、ティアル! ボク、ちょっと話したいことがあるんだけど」
「ん? 別にいいぜ。お前らは先に帰っていいぞー」
アスタがティアルに用? 珍しいな。てっきり私と一緒に帰るのかと思ったのに。
とりあえず、二人を残した状態で、オルフさんたちと一緒に部屋の外へ出た。
「オルフさんたちは、これからどうするの?」
「オレっちとルマンは家に帰るぜ。あっ、でもこのまま飲みに行くのもいいかもな。レイ隊長もいるし!」
「えっ? レイも……?」
『おいオルフ、ボクは何もできないからな。レイチェルに介護させたりするなよ』
「わかってらぁ! ユキアも来るか?」
「う、うーん……ジュースだけでいいなら」
「よっしゃ! 行くぜーっ!!」
オルフさんはルマンさんをすごい勢いで押しながら走っていく。ルマンさんに何か叫ばれているのに、まったく止まろうとする気配がない。
私とレイチェルさんだけが、この場に残された。レイチェルさんは苦笑いしながら、遠のく二人を眺めていた。
「にゃはは……マロンも大変なの」
「そういえばレイチェルさんって、いつもルマンさんのことを『マロン』って呼んでるよね」
「うん……ルマンって名前は、あくまであの姿になったときにつけられた名前だから。レイにとって、マロンはいつだってマロンだよ」
なるほどね……ラケルとルマンさんは二百年くらい付き合いがあるって言ってたけど、きっとレイチェルさんのこともそのくらい前から知ってたんだろうな。
さて、成り行きで飲みに付き合わされることになったけど、酒を飲むことだけは避けたいな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました
久遠 れんり
ファンタジー
別の世界からの侵略を機に地球にばらまかれた魔素、元々なかった魔素の影響を受け徐々に人間は進化をする。
魔法が使えるようになった人類。
侵略者の想像を超え人類は魔改造されていく。
カクヨム公開中。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる