願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい

戌葉

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学園編

47. 薬草ハンター修行

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 大量のキノコを持っての帰り道。ギルド職員のお兄さんが複雑な顔をしている。今日の山盛りキノコの成果はうれしいけど、大福くんがまったく活躍しなかったことに申し訳ないって感じ。
 依頼が達成されれば、ギルドにも仲介料が入る。食べものの依頼は採れれば採れるだけ買い取ってもらえるから、ギルドに入るお金も増える。それを喜びたいのに、大福くんのことがあるから喜べないのだ。

「たぬたぬには、食べものを探す依頼は無理そうだな」
「だったら薬草は? あれなら旨くないから食べないだろう」
「なんか、薬草あるかな」

 大福くんに薬草を探させようと、冒険者たちが相談している。活躍できないまま帰るのはかわいそうだから、何かできることを探してあげているのだ。優しいねえ。
 じゃあオレがお手本の薬草を探してこよう。
 ふんふん、ふんふん。見つけた。この薬草は、そこまで貴重なものじゃないけど、あちこちにあるから、探しやすいよ。

『キャン』
「薬草だな」
『おお、狐、食べもの以外も探せるのか。すごいな』

 何よ、そのオレが食べものにしか興味がないって決めつけ。オレは薬草ハンターだってば!

『ワン』
「リンちゃんも見つけたんだ。偉いねえ」
「たぬたぬ、お友だちと同じように、探してみよう」
『きゅう』

 食パンくんも薬草を探し始めた。けれど大福くんは、冷たい地面に下ろされるのを嫌がって、ギルド職員さんの手にしがみついている。

『たくさん見つけたら、たくさん美味しいものがもらえるよ』
『くーん』
『ほら、この匂いだよ。覚えて』

 食パンくんが楽しそうに薬草を探して、飼い主さんに褒められているのを見て、大福くんもしぶしぶと地面に降りて探し始めた。
 このあたりは雪も少なくなっているので、なるべく雪をよけるようにぽてぽてと歩いて、草に近づいては匂いをかいでいる。そうだよ。その調子。

『きゅーん』
「たぬたぬ残念、それは違うねえ。この匂いと同じものを探して」

 ぽてぽてと歩く大福くんを、食パンくんと飼い主さん以外が見守る。ときどき草を食べてみたり、穴を掘ろうとして諦めたりしているけど、みんな辛抱強く見守っている。頑張って。君ならできるよ。

『きゃん』
『正解! 偉いよ!』
「見つけたのか。すごいじゃないか。たぬたぬ、賢いなあ」
「よくやったぞ。干し肉をやろう」
『きゃん!』
「俺もごほうびをやろう。好物の干し肉だぞ」

 食パンくんがいくつか見つけた後、やっと大福くんも見つけた。ギルド職員さんに大げさに褒められて、冒険者たちから干し肉ももらって、とってもうれしそう。
 次の干し肉をもらおうと、張り切って薬草を探している。ぐーたらするのもいいけど、たまにはお仕事してほめられるのもいいよね。
 これなら、大福くんも薬草ハンターになれそうだ。ギルド長さんも喜ぶだろうな。


 街が薄闇に包まれる中、キノコだけでなく薬草も採取してギルドに戻ると、ギルド長が待ち構えていた。

「たぬたぬはどうだった? 迷惑をかけていないか?」
「キノコは食べてしまうので役に立てませんでしたが、帰りに薬草を探してくれました」
「……そうか。薬草は今後も探せそうか?」
「大量の干し肉があれば」

 干し肉をもらうために薬草を探しているので、一か所見つけるごとに干し肉をあげないと、次を探しに行ってくれないのだ。だから、大福くんはたくさんの干し肉を食べて、お腹がぽんぽんになっている。
 その点、食パンくんはたくさん見つければ後で美味しいものを買ってもらえると理解している。そこは、長年の信頼関係があるからだろう。大福くんも、頑張ればギルドに帰ってからご褒美がもらえると信じられるようになれば、変わるとは思うけど。そこはオレにもどうしようもできない。少しずつ信頼関係を築いてもらうしかないな。
 ギルド長は頭が痛いって表情だけど、修行し始めはそんなものでしょう。始めたばっかりなんだから、大目に見てあげてね。

「学園長、ジーク、たぬたぬに付き合ってくれて感謝する。で、買取料の分配はどうする?」

 そういえば、依頼料をどう分けるかを決めずに出発したね。こういうことはもめるから、先に決めてから行くものなんだけど、うっかりしていた。
 みんな決めていなかったことに今さら気づいて、顔を見合わせている。お屋敷から一緒に来たから、いつもなら依頼を合同で受けるときは最初にするはずのことが抜けていた。

「たぬたぬは仕事をしなかったので、なしでいい」
「薬草を頑張って探したじゃないか」
「キノコは狐とわんこで半分、薬草はわんことたぬたぬで半分か?」

 ギルド職員さんが遠慮しているけど、冒険者たちがそれでは大福くんがかわいそうだから、薬草の分を少しはあげようと提案した。最後だけだけど、大福くんもちゃんとお仕事したからね。

「薬草は全部たぬたぬでいいが、キノコはリンちゃんよりルジェくんのほうがたくさん見つけているから、ルジェくんが損することになるだろう?」
「私たちは半分でいい。その代わり、袋に入りきらなかった分をもらう」

 崖の下で採取用の袋に入らなかったキノコは、ウィオのリュックに入っている。それを料理長さんにお願いして美味しいものを作ってもらうのだ。考えただけで、よだれが出ちゃう。
 キノコの買い取り分は食パンくんと半分ずつ、薬草は全部大福くんと決まった。
 だけどそんなことはどうでもよくて、オレの心はすでに料理長さんの美味しいご飯に飛んでいる。キノコは明日以降だろうけど、今日の美味しい夕食は何かなあ。お昼に作ってくれたお弁当も美味しかったけど、出来立ての温かいものも食べたいよね。
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