悪役令息の兄って需要ありますか?

焦げたせんべい

文字の大きさ
2 / 3

中編

しおりを挟む
「…おい。この報告は本当か」
「嘘偽りは無いと思いますが。誤字でもございましたか?」

違え、そこじゃねえ。

報告書にはリリーナが子女トップになったこと、そして王太子という婚約者がいるルビーが平民を虐めていることが書かれていた。

お茶会で平民の子にお茶をこぼしてしまった、だぁ?貴族のマナーどこいったんだよ。何がまだまだお茶目だよ。

オブラートに包んで報告されている内容だけでも明らかイジメの主犯になっていることが窺える。

「とりあえずこの報告書書いたの誰だ?」
「ルビー様付きのトマスでございます。」

「おけ、トマスね。じゃあトマスとこの現場にいた使用人全員クビ。暇をとらせろ」
「さ、さすがにやりすぎてでは?お怒りは分かりますが」

冷や汗をかいて弁明する執事に同情する。
だって仲良しな使用人だもんな?よく帝都を行ったり来たりしてるほど。
それがトマス目当てなのかはたまた他の人目当てなのか知らんが。

「こいつらの給料無くせば2人の散財の補填にも雀の涙ほどは使える。どした?早く働け」


一瞬力んだ執事は退出していった。

候爵を辞めた連中は当然今より給料が下がるだろう。
そこそこ払っていた自負がある。しかも弟がイジメをしているとはいえ、家族全員元来の性格は悪くない。

だが俺は候爵の跡取りだ。

どれだけ母やリリーナが社交界の花になろうとも落ちるのは一瞬だ。
落とさないようにするのが俺の役割だ。そのための権限だ。

「はああ」
頭を抱え、ため息もでるってもんだ。

きっとあいつらはこの苦労が分からないであろう。

とりあえず2人を領地に呼び戻すか、いや、俺が行った方が早いか。

どうせもうすぐ実りの秋。
つまり社交界が一層華やかになる季節だ。







結論、無理。
むりだわーこれ、ホントむり

何がって?2人のお花畑を治すのがだよ。帝都について2人の話を聞いたさ。ちょうど両親もタイミング良かったし一緒に。

そしたらどーなったと思う?
両親とも諌めることはせず何なら母が助言まで言う始末。

リリーナは完全にルビーの味方として燃えている。何がクラス全員ルビーの味方だ。それ砂上の楼閣だ。

にしても王太子、結構ガチで平民に惚れてる臭いんだよな。話を聞く限りだけど。
そんな平民にイジメ?

ザマァ待ったなし。
お家取り潰し。
リリーナ、ルビーどっちとも顔がいいから娼館かキモデブの後妻?

この時ばかりは前世で見た漫画がありありと浮かんでくる。

「どうすっかな…」

「お兄様悩み事?僕ができることならお手伝いするよ!」

思わず漏れたため息にルビーが反応した。
良い子、良い子なんやけど原因あんたや。

「ルビーにはその気配りを周りにも向けてあげてほしいな」
特に平民とか平民とか平民とか。

ん?って首を傾げても今はため息しか出てこない。なんでこう、微妙に頭が緩いんだろう。

横で父が静かに頷いてるが何に対してだ?

とりあえず謁見申し込むかーーー。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます

水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。 家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。 絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。 「大丈夫だ。俺がいる」 彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。 これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。 無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!

ヒロインの兄は悪役令嬢推し

西楓
BL
異世界転生し、ここは前世でやっていたゲームの世界だと知る。ヒロインの兄の俺は悪役令嬢推し。妹も可愛いが悪役令嬢と王子が幸せになるようにそっと見守ろうと思っていたのに…どうして?

絶対に追放されたいオレと絶対に追放したくない男の攻防

藤掛ヒメノ@Pro-ZELO
BL
世は、追放ブームである。 追放の波がついに我がパーティーにもやって来た。 きっと追放されるのはオレだろう。 ついにパーティーのリーダーであるゼルドに呼び出された。 仲が良かったわけじゃないが、悪くないパーティーだった。残念だ……。 って、アレ? なんか雲行きが怪しいんですけど……? 短編BLラブコメ。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

おしまいのそのあとは

makase
BL
悪役令息として転生してしまった神楽坂龍一郎は、心を入れ替え、主人公のよき友人になるよう努力していた。ところがこの選択肢が、神楽坂の大切な人を傷つける可能性が浮上する。困った神楽坂は、自分を犠牲にする道を歩みかけるが……

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)

ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。 僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。 隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。 僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。 でも、実はこれには訳がある。 知らないのは、アイルだけ………。 さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪

王太子殿下のやりなおし

3333(トリささみ)
BL
ざまぁモノでよくある『婚約破棄をして落ちぶれる王太子』が断罪前に改心し、第三の道を歩むお話です。 とある時代のとある異世界。 そこに王太子と、その婚約者の公爵令嬢と、男爵令嬢がいた。 公爵令嬢は周囲から尊敬され愛される素晴らしい女性だが、王太子はたいそう愚かな男だった。 王太子は学園で男爵令嬢と知り合い、ふたりはどんどん関係を深めていき、やがては愛し合う仲になった。 そんなあるとき、男爵令嬢が自身が受けている公爵令嬢のイジメを、王太子に打ち明けた。 王太子は驚いて激怒し、学園の卒業パーティーで公爵令嬢を断罪し婚約破棄することを、男爵令嬢に約束する。 王太子は喜び、舞い上がっていた。 これで公爵令嬢との縁を断ち切って、彼女と結ばれる! 僕はやっと幸せを手に入れられるんだ! 「いいやその幸せ、間違いなく破綻するぞ。」 あの男が現れるまでは。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

処理中です...