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第35召喚 こんなところで最強ハンターと
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疑問に思ったアーサーがシェリルに聞くと、「このアーティファクトを装備しろ」と以前からバットに指示されていたそうだ。
話を聞いたアーサーは呆れた様に溜息をつくと、毎日馬鹿の一つ覚えで召喚しまくっていたアーティファクトが役に立った。彼は余っているオーガアーティファクトを一式全てシェリルにあげ、彼女は更に能力値が上昇したのだった。
そしてアーサー達はイヴを探し始める。本当にいるのかいないのか定かではない。仮にいたとしても山のどこにいるのか見当もつかない。
先行きに不安しかなかったアーサー達であったが、登山を開始して数十分後、アーサー達は突如淡い光に包まれた。訳も分からず戸惑っていると、次の瞬間アーサー達は一瞬にしてどこかへ転移していた。
アーサー達が次に見た景色は人の気配が全く感じられない、木々が生い茂る深い樹海の様な風景。ここはどこだと周りを見渡していると、木しか見えなかったアーサーの視界にポツンと小さな建物が映り込んだ。
そう。
その建物こそがアーサー達の探し求めていたもの――ギルド『一の園』であり、遂にアーサー達は“イヴ・アプルナナバ”と出会った。
「ヒッヒッヒッ。やっとここに辿り着いた様だねぇ。アーサー・リルガーデン。それとシェリル・ローラインよ――」
予想だにしなかった展開にアーサー達は困惑した。しかし、それと同時に聞きたい事が幾つも溢れ返っていたアーサーは怒涛の質問攻めをした。
貴方がイヴ・アプルナナバですか?
これがギルド一の園?
何故こんな所にいるのですか?
今の転移魔法は貴方が?
シェリルさんとはどういうご関係で?
何故僕の事を知っているのですか?
貴方は一体何歳なのでしょう……?
ここはどこですか?
イヴは明らかに面倒くさそうな表情を浮かべるも、アーサーの質問に順を追って答えたのだった。更にイヴは一通りの話を終えた後で“ある人物”をアーサー達に合わせる。
彼の名は“ジャックヴァン・ジョー・チックタック”――。
またの名を“精霊使いのジャック”。
彼率いるギルド『精霊の宴会』は先日、あの前人未到のフロア90を突破し新たな“神Sランク”という称号を手にしたギルドである。世界中でその名を知らぬ者はいない正真正銘の最強のギルド。彼はそんな『精霊の宴会』のマスターであり、間違いなく全ハンターのトップに立つ最強ハンターだ――。
アーサーはこの日、謎に包まれた魔術師イヴ・アプルナナバと、最強ハンターであるジャックヴァン・ジョー・チックタックという異色の人物達と出会った。
イヴは御年118歳。
彼女はジャックヴァンが幼少の頃にその才能を見出した人物であり、全く公にされていないが、ジャックヴァンとイヴは特別な師弟関係という間柄だそうだ。
ジャックヴァンを含めたギルド『精霊の宴会』は、アーサーにとっては因縁のあるエディング装備商会とパートナー契約を結んでいる。ハンターはより強いアーティファクト供給と収入、その他ダンジョンや生活の手厚いサポートを条件とし、商会は自分の商会の宣伝モデルとしてハンターと契約する事が多い。
アーティファクトを取り扱う数ある商会の中で群を抜いた利益を出している大商会がエディング装備商会であり、必然とそんな大商会にはトップのハンター達が集まる。実力者同士、互いにウィンウィンの関係となるのだ。
アーサーもそんな事は勿論知っていた。
でもだからと言って彼が因縁ある相手は他でもないバット1人のみ。エディング装備商会を嫌っている訳でもなければ当然そこと契約しているハンターを嫌っている訳でもない。寧ろそれよりアーサーはイヴやあの最強ハンターと出会えた事の衝撃が大きかった。
それにイヴはアーサーの知らない事をまだまだ知っている――。
一先ずシェリルの事や自分に関わる事を聞けたアーサー。彼は最後に「シェリルを頼むよ」とイヴに言われ、真意の程は分からなかったがとりあえず理解を示して受け入れた。
そんなこんなで気疲れした1日は終了。そのままイヴ達と別れを告げたアーサー達は家に帰る事に。ただシェリルの事を流れで承諾したものの、アーサーはまたあの小さな部屋で暮らすのかと考えただけで極度の緊張に襲われていた。
だがしかし。
これでこの日は終わった訳ではない。
そう。
アーサー達は帰りに再びイヴの転移によってツインマウンテンの麓まで来ていたのだが、そこで彼らは1人の“獣人族の少女”と出会った。
そしてその獣人族の少女モルナは、そのままアーサーの仲間となったのだった――。
これが濃ゆい濃ゆい1週間の6日目の出来事である。
話を聞いたアーサーは呆れた様に溜息をつくと、毎日馬鹿の一つ覚えで召喚しまくっていたアーティファクトが役に立った。彼は余っているオーガアーティファクトを一式全てシェリルにあげ、彼女は更に能力値が上昇したのだった。
そしてアーサー達はイヴを探し始める。本当にいるのかいないのか定かではない。仮にいたとしても山のどこにいるのか見当もつかない。
先行きに不安しかなかったアーサー達であったが、登山を開始して数十分後、アーサー達は突如淡い光に包まれた。訳も分からず戸惑っていると、次の瞬間アーサー達は一瞬にしてどこかへ転移していた。
アーサー達が次に見た景色は人の気配が全く感じられない、木々が生い茂る深い樹海の様な風景。ここはどこだと周りを見渡していると、木しか見えなかったアーサーの視界にポツンと小さな建物が映り込んだ。
そう。
その建物こそがアーサー達の探し求めていたもの――ギルド『一の園』であり、遂にアーサー達は“イヴ・アプルナナバ”と出会った。
「ヒッヒッヒッ。やっとここに辿り着いた様だねぇ。アーサー・リルガーデン。それとシェリル・ローラインよ――」
予想だにしなかった展開にアーサー達は困惑した。しかし、それと同時に聞きたい事が幾つも溢れ返っていたアーサーは怒涛の質問攻めをした。
貴方がイヴ・アプルナナバですか?
これがギルド一の園?
何故こんな所にいるのですか?
今の転移魔法は貴方が?
シェリルさんとはどういうご関係で?
何故僕の事を知っているのですか?
貴方は一体何歳なのでしょう……?
ここはどこですか?
イヴは明らかに面倒くさそうな表情を浮かべるも、アーサーの質問に順を追って答えたのだった。更にイヴは一通りの話を終えた後で“ある人物”をアーサー達に合わせる。
彼の名は“ジャックヴァン・ジョー・チックタック”――。
またの名を“精霊使いのジャック”。
彼率いるギルド『精霊の宴会』は先日、あの前人未到のフロア90を突破し新たな“神Sランク”という称号を手にしたギルドである。世界中でその名を知らぬ者はいない正真正銘の最強のギルド。彼はそんな『精霊の宴会』のマスターであり、間違いなく全ハンターのトップに立つ最強ハンターだ――。
アーサーはこの日、謎に包まれた魔術師イヴ・アプルナナバと、最強ハンターであるジャックヴァン・ジョー・チックタックという異色の人物達と出会った。
イヴは御年118歳。
彼女はジャックヴァンが幼少の頃にその才能を見出した人物であり、全く公にされていないが、ジャックヴァンとイヴは特別な師弟関係という間柄だそうだ。
ジャックヴァンを含めたギルド『精霊の宴会』は、アーサーにとっては因縁のあるエディング装備商会とパートナー契約を結んでいる。ハンターはより強いアーティファクト供給と収入、その他ダンジョンや生活の手厚いサポートを条件とし、商会は自分の商会の宣伝モデルとしてハンターと契約する事が多い。
アーティファクトを取り扱う数ある商会の中で群を抜いた利益を出している大商会がエディング装備商会であり、必然とそんな大商会にはトップのハンター達が集まる。実力者同士、互いにウィンウィンの関係となるのだ。
アーサーもそんな事は勿論知っていた。
でもだからと言って彼が因縁ある相手は他でもないバット1人のみ。エディング装備商会を嫌っている訳でもなければ当然そこと契約しているハンターを嫌っている訳でもない。寧ろそれよりアーサーはイヴやあの最強ハンターと出会えた事の衝撃が大きかった。
それにイヴはアーサーの知らない事をまだまだ知っている――。
一先ずシェリルの事や自分に関わる事を聞けたアーサー。彼は最後に「シェリルを頼むよ」とイヴに言われ、真意の程は分からなかったがとりあえず理解を示して受け入れた。
そんなこんなで気疲れした1日は終了。そのままイヴ達と別れを告げたアーサー達は家に帰る事に。ただシェリルの事を流れで承諾したものの、アーサーはまたあの小さな部屋で暮らすのかと考えただけで極度の緊張に襲われていた。
だがしかし。
これでこの日は終わった訳ではない。
そう。
アーサー達は帰りに再びイヴの転移によってツインマウンテンの麓まで来ていたのだが、そこで彼らは1人の“獣人族の少女”と出会った。
そしてその獣人族の少女モルナは、そのままアーサーの仲間となったのだった――。
これが濃ゆい濃ゆい1週間の6日目の出来事である。
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