【完結】彼は皇帝なので、彼女は薬師として尽くすことにしました。

朝日みらい

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11. 再び交わる道 

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ある日、薬草を調達して村へ帰る途中、ふとした瞬間に立ち止まった。

なんだか、空気がいつもと違うような気がして…。  

「…誰かいる?」  

ふと振り向くと、そこにアラクシウスが立っていた。  

「え、あ…あら、アラクシウス?」  

目をこすった。

いや、目の前に彼がいるってどういうこと!? 

帝国に戻って、忙しいはずじゃない!

 私がびっくりして立ち尽くすと、アラクシウスが少し照れくさそうに笑った。  

「驚いたか?」  

「ちょっと…っていうか、すごく驚いてる!」  

その顔を見た瞬間、胸がドキドキして、心臓が変なリズムで動き出すのが分かる。

あれからどれだけ時間が経ったんだろう。

会いたくて会いたくて、でも会えなくて…。

でも、彼がまた私の前に現れるなんて。  

アラクシウスは、少し恥ずかしそうに肩をすくめてから言った。  

「実は、しばらく帝国の内情に忙しく追われていたんだが…」  

「うん、分かってるわよ。だって、連絡もないし!」  

ついつい言ってしまったが、後で自分でもドキッとした。

ああ、どうして私はこんなにストレートに気持ちが出ちゃうんだろう。

アラクシウスは微笑んだ。  

「それはすまなかった。」  

「…それだけ?」  

私はわざと不満そうに言うと、アラクシウスはじっと私を見つめてきた。  

「…実はな、エリナ。どれだけ忙しくても、お前のことが頭から離れなかった。」  

私の胸はその言葉でますますドキドキと速くなった。

今度こそ、私の思いを伝えなければならない。

でも、どうしたらいいのか分からない。

言葉にするのが怖い。でも、彼も同じ気持ちだと知った瞬間、私の中で何かが弾けた。  

「どうして、また…会いに来てくれたの?」  

私は少し不安そうに彼に尋ねる。

アラクシウスの表情が一瞬、真剣に変わった。  

「お前を置いておくことができなかった。」  

その一言に、私は胸がいっぱいになった。

顔が熱くなって、言葉がうまく出てこない。

でも、彼の目を見ていると、心が決まった気がした。  

「私も、あなたに伝えたいことがある。」  

私はその言葉を思い切って口にした。

アラクシウスの瞳が一層輝くのが分かった。  

「本当か? お前が言いたいこと、聞かせてくれ。」  

あまりにも真剣なその表情に、私は恥ずかしくなって顔を背けた。  

「えっと…あの、私も…あなたに会いたかった。ずっと。」  

「それだけか?」  

「それだけって、何よ!」  

彼が笑いながら近づいてきて、私の手を取る。

手のひらが温かくて、心がじわっと温かくなる。  

「エリナ、俺はお前にもう一度、一緒に過ごしてほしいんだ。」  

その言葉に、私はすぐには答えられなかった。

私たちの関係がどうなるのか、これからどんな未来が待っているのか、考えたけれど、今はそれよりも大事なことがある気がした。  

「私も、あなたともっと一緒にいたい。」  

私の言葉に、アラクシウスはほっとしたように笑った。  

「それなら、安心した。」  

彼が少し笑みを浮かべると、私も思わず頬を赤らめてしまった。

そのまま、しばらく無言でお互いを見つめ合っていた。  

「でも、これからどうすればいいのか、考えないといけないわよね?」  

私は少し遠慮がちに言うと、アラクシウスは真剣な顔をして答えた。  

「お前が望むなら、どんな困難でも乗り越えていく。お前と一緒に過ごすことを、俺は決して諦めない。」  

その言葉を聞いて、私は胸がいっぱいになった。

これまでの不安や疑問が、一瞬で消えていくようだった。  

「それなら、私も一緒に頑張るわ。」  

アラクシウスは少し驚いたような顔をしたが、その後、嬉しそうに微笑んだ。  

「お前がそう言ってくれるなら、俺は本当に幸せだ。」  

私は恥ずかしくて顔を背けるけど、アラクシウスはそのまま私をぎゅっと抱きしめてくれる。  

「…ありがとう、エリナ。」  

その言葉が、今度こそ私の心に深く響いた。

彼のぬくもりを感じながら、私はこの瞬間を大切にしようと思った。  

これから先、どんな道が待っているのか分からない。

でも、少なくとも私は今、アラクシウスと一緒に歩む道を選んだ。  

「これからも、よろしくね。」  

「もちろんだ。」
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