【完結】彼は皇帝なので、彼女は薬師として尽くすことにしました。

朝日みらい

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30. 回復への道 

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「やっと、立てるようになった。」

数日後、アラクシウスがベッドの縁に座り、少しふらつきながらも、ついに自分の足で立ち上がった。

その顔には、まだ痛みが残るものの、明らかな安堵と満足感が浮かんでいる。

私はその姿を見て、少し涙が出そうになるくらい嬉しくて、つい微笑んでしまった。

「すごい!ちゃんと立ててるじゃない!アラクシウス、すごいわ!」

私の声に反応して、アラクシウスはふっと照れくさそうに笑った。

「お前のおかげだ、エリナ。お前がずっと看病してくれたから、こんな風に立てるようになったんだ。」

その言葉に、私は照れながらも内心嬉しさが込み上げてきた。

アラクシウスの目が私を見つめているだけで、なんだかドキドキしてしまう。

「何よ、そんなに真面目に言われると恥ずかしいわ。」

私は顔を赤くしながら、軽く彼の肩を押してみる。

「でも、ありがとう。あんまり無理しないでね、まだ完全に回復したわけじゃないんだから。」

「わかってる。君が心配することもよくわかってるよ。」

アラクシウスは私の心配を無視することなく、少し照れ笑いを浮かべて、そう答えてくれた。

「ほんとにあなたって、いつもそうやって無理しちゃうんだから…」

と私はため息をつくものの、その顔はどこか嬉しそうだった。

その後、アラクシウスは少しずつ体調が戻り、毎日のように私と一緒に過ごす時間が増えていった。

私が薬を作る合間にも、彼は私のそばにいて、ゆっくりと話をしたり、一緒に散歩をしたり。


ある日のこと、庭で一緒に歩いていると、アラクシウスがふっと立ち止まり、私をじっと見つめた。

「エリナ、俺はずっと考えてたんだ。」

私はそのまま足を止めて、彼を見上げる。

「考えてたって?」

「うん。戦争の後、俺が何をしたいか、どんな人生を送るべきかって。」

その目が真剣で、私は少しドキドキしてしまった。

「そして、君に言いたいことがある。」

アラクシウスは真剣な顔をして、私の手を握った。

「俺は、戦争のことを気にするあまり、君に何も言わずに突っ走ってきた。でも、今は…お前と一緒に、もっと平穏な生活を送りたいと思ってる。」

私の心臓が少しだけ早く打った。

思わず顔を赤くしながら、私は彼を見つめた。

「平穏な生活って…?」

「うん。俺が前に言ったように、俺は国を守るために戦うけど、もう少しだけでもお前と普通の生活をしたいんだ。お前に平穏で幸せな日々を送らせてやりたい。」

その言葉に胸が締め付けられるようだった。

アラクシウスの目が真摯で、心から私を大切に思っていることがひしひしと伝わってきた。

「それなら、私も一緒に歩んでいくわ。あなたがどんな道を選んでも、私はあなたと一緒にいる。」

私もアラクシウスの手をしっかりと握り返して、そう言った。

すると、彼は嬉しそうににやりと笑った。

「本当に?じゃあ、俺が無理言っても我慢してくれる?」

「うん。無理でも我慢するわよ。あなたが私をどれだけ大切にしてくれるか、ちゃんとわかってるから。」

私はちょっとふざけて言うと、アラクシウスは笑いながら、私をぎゅっと引き寄せた。

「それなら、もう少しだけ我慢してくれ。だって、俺がもう一つだけ言いたいことがあるから。」

「え、なに?」

「俺と、結婚してくれ。」

その一言に、私は思わず目を丸くした。

彼がこんなに早くそんなことを言うなんて思っていなかったから、驚きが隠せない。

「え、えぇ?今?」

「うん。今、ここで。お前が答えてくれるなら、すぐにでも結婚して一緒に暮らしたいんだ。」

アラクシウスが真剣な表情で私を見つめている。

その顔がなんだかあまりにも可愛くて、私は思わず笑ってしまった。

「なんでそんなに急に!?でも…私も、あなたと一緒にいるって決めてるから、もちろん答えは…」

「じゃあ、答えは?」

私は彼を見つめて、ニッと笑った。

「もちろん、イエスよ。」

その瞬間、アラクシウスは笑顔を浮かべて、私を引き寄せ、思い切りキスをしてきた。

私はそのキスを受け入れて、すぐにでも二人の新しい未来が始まる予感がした。
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