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セーリーヌは、目を丸くした。
「あ……」
目の前に彼の顔があった。
整った顔立ちをしているが、よく見ると頬に傷があるのがわかる。
彼は何度も殿下を敵から命がけで守って、傷ついた証だろう。
いつもまじめで正直な態度で相手と接してきた証拠だ。
彼は真剣な表情でこちらを見つめている。
目が逸らせない──いや、逸らしたくないと思った。
そのまま見つめ合っていると、やがて彼の唇が動いた。
「あなたを妻にしたい。見た目などどうでもいい」
低い声で囁かれる言葉に背筋が震える気がした。
(この方の妻に……?)
そう考えた途端、顔に熱が集まるのを感じた。
きっと耳まで真っ赤になっているだろう。
でも、それは仕方がないことだ。だって、こんなに熱いのだから……。
「アドニス様……」
セーリーヌは震える声で彼の名を呼んだ。
すると、アドニス侯爵は少しだけ悲しそうな表情を浮かべると、そっとセーリーヌの髪を一房すくい上げ口づけを落とした。
その仕草はまるで恋人にするかのような甘い愛情に満ちあふれていた。
「あ……」
目の前に彼の顔があった。
整った顔立ちをしているが、よく見ると頬に傷があるのがわかる。
彼は何度も殿下を敵から命がけで守って、傷ついた証だろう。
いつもまじめで正直な態度で相手と接してきた証拠だ。
彼は真剣な表情でこちらを見つめている。
目が逸らせない──いや、逸らしたくないと思った。
そのまま見つめ合っていると、やがて彼の唇が動いた。
「あなたを妻にしたい。見た目などどうでもいい」
低い声で囁かれる言葉に背筋が震える気がした。
(この方の妻に……?)
そう考えた途端、顔に熱が集まるのを感じた。
きっと耳まで真っ赤になっているだろう。
でも、それは仕方がないことだ。だって、こんなに熱いのだから……。
「アドニス様……」
セーリーヌは震える声で彼の名を呼んだ。
すると、アドニス侯爵は少しだけ悲しそうな表情を浮かべると、そっとセーリーヌの髪を一房すくい上げ口づけを落とした。
その仕草はまるで恋人にするかのような甘い愛情に満ちあふれていた。
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