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第51話
なんで・・笑ってるの・・・?
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これはまだジュリエッタが入院してた時のお話。
病室にて。
苦しそうに唸って寝ているジュリエッタを両親は見ていた。母親と父親はなんもしてあげれず、ただ苦しむジュリエッタ見ているのが辛かった。
その時、病室の扉が開いて看護師が朝食を持ってやってきた。
「ジュリエッタちゃん。朝食食べれるかしらー・・・あら?ご両親来ていたんですね!」
「あ、今から帰るところです。ジュリエッタの顔も見れたので・・・。ディアナ、行こう」
ディアナ「え、ええ・・・」
ディアナはそこで鞄の中から手鏡を取り出してそれを机の上に置き、病室を出て行こうとする。
「あら、あの鏡は?」
看護師がディアナに問う。
ディアナ「そう言えば、ジュリエッタは産まれた当時からよくこの手鏡を手放さなかったの・・・私が愛用してた手鏡なんだけど。ジュリエッタのお気に入りらしくて・・・置いておこうかと思って」
「そうだったんですか・・・」
ディアナ「・・・あの、ジュリエッタのこと・・・よろしくお願いします」
「ジュリエッタちゃんなかなか朝食を口にしなくて、良ければ両親から食べさせてあげて・・・って、ちょっと!?」
両親達は逃げるようにそそくさと立ち去った。
ジュリエッタは親の声が聞こえたのか、うっすらと目を開けた。
だがもう行ってしまってそこにはいないディアナ達へ向けてジュリエッタは必死に小さな手を伸ばしていたとか...。
ー
親が病室に来たのはあれっきり。
それ以降、あたしは放ったらかしだった。
容態が変わって、あたしが手術することになってから親は病院に来た。
それじゃ、もう遅いのに・・・。
今更見舞いに来られたところで、その日があたしの最期だったんだから・・・どうせ助からない。
死ぬときは孤独に死んでいくしかない。
あたしのこと、心配してくれる人なんか・・・いないんだから。
だから・・・憎かったんだ。そんな、両親が・・・。
亡くなったと思ってたはずのジュリエッタが手術室から出てきて、親も医師すらも驚いていた。
ジュリエッタの手にはナイフが握られていて、
素早い動きで医師を斬り伏せ自分の父すらも構わずにナイフを突き立てた。
ディアナ「じゅ、ジュリエッタ・・・!?」
ジュリエッタは父の腹からナイフを引き抜き、父はその場に倒れた後今度はディアナに向き直って駆け出す。
そんなジュリエッタを見て、なぜか・・・ディアナは笑っていたんだ。
ジュリエッタ「っ」
なんで・・・笑ってるの・・・?
ジュリエッタはそんなディアナの顔を見て一瞬戸惑うが、
グサリ・・・
気が付いた時にはディアナの腹にはナイフが突き立てられていた。
そんなディアナは優しくジュリエッタの背中に手を回し、抱きしめた。
たとえ自らの腹にナイフが突き立てられたままだろうと・・・。
ディアナ「ごめ・・・ね・・・ごめ・・・ジュリエッタ・・・」
ジュリエッタ「・・・な、なん、で・・・」
避けないの・・・?ねぇ、なんで・・・・。
ディアナ「こんな状況で・・・なに、笑ってるの・・って、思う、よね・・・・ごめんね・・・。だけど、ジュリエッタが、立って・・・歩いてるの見て・・・感動したの・・・
ジュリエッタが・・・・・亡くなったはずの、ジュリエッタが・・・こうやって・・・・帰ってきたのが・・・不思議で・・・・・良かったなって・・・・死ななくて、よかったなって・・・・・思ったんだ・・・・」
・・・あたしはもう、一度死んでるんだよ。代償と引き換えに甦ってこれた。
憎い、両親を殺したくて、すべて、壊したくて・・・っ
ジュリエッタ「あたしのこと・・・散々放置したくせに、何で今になって来るの・・・・なんで謝るの・・・!!
寂しかった、辛かった、謝るくらいならあたしが死ぬ間際までずっと側にいて欲しかった・・!!なのに、なんで!!」
ディアナ「ごめ・・ね・・・。苦しむジュリエッタを・・・見てられなく、て・・・私たちの方で・・・なんとか、助けたいって、思って・・・・。
ジュリエッタの病気が治るように・・・・・人身売買に、手を出した・・・・
臓器移植・・・すれば・・・元気になるって・・・」
ジュリエッタ「・・・!あたしの、為に・・・?」
ディアナ「ええ・・でも・・・それはいけない行為だった・・・お金も、ないから・・・大きい病院に移ることも・・・できなくて・・・つい、臓器移植しかないって・・・・・。
でも・・・私が間違ってた・・・。
貴方の言う、とおり・・・親なら、側にいてあげなくちゃ・・・・」
ディアナは手に持っていた封筒をジュリエッタに手渡す。
ディアナ「これ・・・優しい騎士様が・・・・ジュリエッタの病気が治るようにって、お金・・・くれたの・・・・・大きな病院にうつって、手術受けさせる・・・つもりだった・・・。でも・・・もう・・・私は、貴方の側に・・・いて、あげられない、や・・・・。
ジュリエッタが私達を憎むの・・・・当然だもん・・・・。
だから・・・このお金で・・・生活・・・・送って欲しい。私達の分、まで・・・」
ジュリエッタ「っ」
ジュリエッタは震えた手でお金の入った封筒を受け取る。
ディアナ「金髪と、銀髪の騎士にもし、会ったら・・・伝えて・・・・?ありがとう。それから・・・ごめんねって・・・」
その言葉を最後にディアナはそこで息を引き取った。
ジュリエッタがディアナに突き立てたナイフから手を離すとそのナイフは消え、
ジュリエッタはディアナを抱きしめて、涙を流した・・・。
あたしのこと、見捨てた訳じゃなかったんだ・・・・。
病室にて。
苦しそうに唸って寝ているジュリエッタを両親は見ていた。母親と父親はなんもしてあげれず、ただ苦しむジュリエッタ見ているのが辛かった。
その時、病室の扉が開いて看護師が朝食を持ってやってきた。
「ジュリエッタちゃん。朝食食べれるかしらー・・・あら?ご両親来ていたんですね!」
「あ、今から帰るところです。ジュリエッタの顔も見れたので・・・。ディアナ、行こう」
ディアナ「え、ええ・・・」
ディアナはそこで鞄の中から手鏡を取り出してそれを机の上に置き、病室を出て行こうとする。
「あら、あの鏡は?」
看護師がディアナに問う。
ディアナ「そう言えば、ジュリエッタは産まれた当時からよくこの手鏡を手放さなかったの・・・私が愛用してた手鏡なんだけど。ジュリエッタのお気に入りらしくて・・・置いておこうかと思って」
「そうだったんですか・・・」
ディアナ「・・・あの、ジュリエッタのこと・・・よろしくお願いします」
「ジュリエッタちゃんなかなか朝食を口にしなくて、良ければ両親から食べさせてあげて・・・って、ちょっと!?」
両親達は逃げるようにそそくさと立ち去った。
ジュリエッタは親の声が聞こえたのか、うっすらと目を開けた。
だがもう行ってしまってそこにはいないディアナ達へ向けてジュリエッタは必死に小さな手を伸ばしていたとか...。
ー
親が病室に来たのはあれっきり。
それ以降、あたしは放ったらかしだった。
容態が変わって、あたしが手術することになってから親は病院に来た。
それじゃ、もう遅いのに・・・。
今更見舞いに来られたところで、その日があたしの最期だったんだから・・・どうせ助からない。
死ぬときは孤独に死んでいくしかない。
あたしのこと、心配してくれる人なんか・・・いないんだから。
だから・・・憎かったんだ。そんな、両親が・・・。
亡くなったと思ってたはずのジュリエッタが手術室から出てきて、親も医師すらも驚いていた。
ジュリエッタの手にはナイフが握られていて、
素早い動きで医師を斬り伏せ自分の父すらも構わずにナイフを突き立てた。
ディアナ「じゅ、ジュリエッタ・・・!?」
ジュリエッタは父の腹からナイフを引き抜き、父はその場に倒れた後今度はディアナに向き直って駆け出す。
そんなジュリエッタを見て、なぜか・・・ディアナは笑っていたんだ。
ジュリエッタ「っ」
なんで・・・笑ってるの・・・?
ジュリエッタはそんなディアナの顔を見て一瞬戸惑うが、
グサリ・・・
気が付いた時にはディアナの腹にはナイフが突き立てられていた。
そんなディアナは優しくジュリエッタの背中に手を回し、抱きしめた。
たとえ自らの腹にナイフが突き立てられたままだろうと・・・。
ディアナ「ごめ・・・ね・・・ごめ・・・ジュリエッタ・・・」
ジュリエッタ「・・・な、なん、で・・・」
避けないの・・・?ねぇ、なんで・・・・。
ディアナ「こんな状況で・・・なに、笑ってるの・・って、思う、よね・・・・ごめんね・・・。だけど、ジュリエッタが、立って・・・歩いてるの見て・・・感動したの・・・
ジュリエッタが・・・・・亡くなったはずの、ジュリエッタが・・・こうやって・・・・帰ってきたのが・・・不思議で・・・・・良かったなって・・・・死ななくて、よかったなって・・・・・思ったんだ・・・・」
・・・あたしはもう、一度死んでるんだよ。代償と引き換えに甦ってこれた。
憎い、両親を殺したくて、すべて、壊したくて・・・っ
ジュリエッタ「あたしのこと・・・散々放置したくせに、何で今になって来るの・・・・なんで謝るの・・・!!
寂しかった、辛かった、謝るくらいならあたしが死ぬ間際までずっと側にいて欲しかった・・!!なのに、なんで!!」
ディアナ「ごめ・・ね・・・。苦しむジュリエッタを・・・見てられなく、て・・・私たちの方で・・・なんとか、助けたいって、思って・・・・。
ジュリエッタの病気が治るように・・・・・人身売買に、手を出した・・・・
臓器移植・・・すれば・・・元気になるって・・・」
ジュリエッタ「・・・!あたしの、為に・・・?」
ディアナ「ええ・・でも・・・それはいけない行為だった・・・お金も、ないから・・・大きい病院に移ることも・・・できなくて・・・つい、臓器移植しかないって・・・・・。
でも・・・私が間違ってた・・・。
貴方の言う、とおり・・・親なら、側にいてあげなくちゃ・・・・」
ディアナは手に持っていた封筒をジュリエッタに手渡す。
ディアナ「これ・・・優しい騎士様が・・・・ジュリエッタの病気が治るようにって、お金・・・くれたの・・・・・大きな病院にうつって、手術受けさせる・・・つもりだった・・・。でも・・・もう・・・私は、貴方の側に・・・いて、あげられない、や・・・・。
ジュリエッタが私達を憎むの・・・・当然だもん・・・・。
だから・・・このお金で・・・生活・・・・送って欲しい。私達の分、まで・・・」
ジュリエッタ「っ」
ジュリエッタは震えた手でお金の入った封筒を受け取る。
ディアナ「金髪と、銀髪の騎士にもし、会ったら・・・伝えて・・・・?ありがとう。それから・・・ごめんねって・・・」
その言葉を最後にディアナはそこで息を引き取った。
ジュリエッタがディアナに突き立てたナイフから手を離すとそのナイフは消え、
ジュリエッタはディアナを抱きしめて、涙を流した・・・。
あたしのこと、見捨てた訳じゃなかったんだ・・・・。
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