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第52話
「全員その場から避けろ!!」
しおりを挟むジュリエッタはポケットから封筒を取り出す。その封筒に心当たりがあったのか、ノウゼンカズラは驚く。
ジュリエッタ「・・・これで生活送ってって、渡された。
あたし、殺したんだ・・・ママと、パパを・・・。
うちのママを知ってるってことは・・・知り合いなんでしょ・・・?金髪の騎士、銀髪の騎士のお兄さんは」
ノウゼンカズラとアザレアは黙って話を聞いている。
ジュリエッタ「ありがとう・・・それから、ごめんね。だってさ・・・。最後までずっと笑顔だった・・・。避けれたのに、避けないでわざとあたしに刺されて・・・ほんと・・・最後まで憎いんだから・・・」
ノウゼンカズラ「・・・そうか。ディアナがその金をお前に渡したんなら、お前はあいつの分まで生きりゃいいじゃねぇか」
ジュリエッタ「・・・ママとパパが憎くてもう一度甦ってきたんだ・・・全て壊したくなってさ・・・だけど・・・最後にママの本心聞いちゃったら・・・・何か、何もやる気起きなくなっちゃった・・・」
ママ・・・パパも・・・あたしを見捨てたんじゃなくて、あたしのためになにか出来ないか、動いてくれてたんだね・・・。
それを知ったら・・・
あぁ・・・あたし、は・・・これからどうしよ・・・・。
と、そこに複数の警備隊が到着した。
「居たぞ!あの子供だ!!」
「騎士団さま!ここはわたくしめがお相手します!」
「騎士団様はお下がりください!」
警備隊はそれぞれ銃口をジュリエッタへと向ける。
ケイリィ「え、え、まさか撃つ気?」
リチア「・・・ッ」
「病院にいる者から通報が来た。無差別殺人により、そこの子供を処刑する!」
そして一斉に弾丸を放つ。
リチア「ダメ・・・ッ」
その弾丸はジュリエッタに飛んでいき、ジュリエッタはその弾丸をもろに体に受けるとその場に血を流して倒れる。
「やったか・・・!?」
「あんな数の弾を体に受けたんだ。間違いなく死んだだろう」
ノウゼンカズラ「(・・・死ぬ訳ねぇだろ)」
リチアはランに駆け寄る。
リチア「ラン先輩・・・!は、早く、あの子を治療してあげてください・・・っ今ならまだ助かりますっ」
ラン「必要ないでしょう、今回の任務はあの方の始末ですしね」
リチア「そんな・・・っ」
でも、今のあの子には敵意は感じられませんでした・・・。
リチアはその場に倒れているジュリエッタを見た。
ジュリエッタは仰向けに倒れながらもうっすらと目を開き空に向かって手を伸ばす。
このまま、ママの元にいけたら・・・いいのに・・・。
今まで姿を消していた手鏡がジュリエッタの側にて姿を晒し、ガラスの部分が眩く光を放つ。
すると突如空がキラリと光ったのをラン達はいち早くに気がつき、ノウゼンカズラは「全員その場から避けろ!!」と叫ぶ。
何のことだか分からずに生徒たちは動けないでいる。
リチアはとにかく生徒達を守らないとと、咄嗟にバリアを生徒らに張る。
そんなリチアはまた力を使ったことにより疲労が出てその場に膝をつく。
ケイリィ「リチアっ」
リチアの力が弱まっているのか、生徒に張られたバリアはうっすら消えかかっていた。
私はどうなってもいいから・・・私が・・・気を強く持たないと・・・バリアは切れてしまう・・・
それだけは・・・絶対に・・・。守り切らないと・・・
皆を・・・・ケイ、を・・・。
そして、リチアが空を見たときだ。
空から無数に光の光線が降り注いできたのだ。
その光線はジュリエッタを避けて自分の周りへと落ちる。
でも、そんな簡単には死ねない・・・そんなの・・・せっかく甦らせてくれた・・・神様に失礼だもん・・・。
ママ・・・パパ・・・・・。
光の光線の攻撃が止まると、その場に居合わせた警備員達はは光線をくらって血を吹いて倒れていた。
リチアはギュッと目を瞑る。
何の痛みも来なくて不思議だったリチアがそっと目を開くと・・・・
そこにはランがリチアを庇って立ち塞がっていた。
ランは光線を避けることをせず、魔法も使う余裕もなかったのか、光の光線をもろにくらい胸を貫かれていた。
そんなランの胸から大量の血が流れ出る。
それを見たリチアはしばらく固まっていた・・・。
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