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番外編SS
真夏の夜の願い事.7
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「もしかして依澄さん、馬はサラブレッドを想像してる?」
割り箸で脚の付けられた野菜をまじまじと見つめていた依澄さんに、笑いながら話しかける。
「違うのか?」
驚いたように瞳を開け、真面目な顔で尋ねる依澄さんに、笑い声が漏れる。
「うん。たぶん違うと思うよ」
「そうなのか。どんな馬か興味があるな」
「依澄さん、そういえば乗馬できるんだよね」
以前サマーキャンプの話題になったとき、そんな話しをしていた。依澄さんは懐かしいそうに笑みを浮かべ話し出す。
「ああ。子どもの頃は牧場を経営したいと思ってた」
「牧場を?」
そんな昔のエピソードを聞きながら、乗馬をする依澄さんに想像を巡らせていると、後ろの襖が開く。
「お待たせ。冷たいお茶をどうぞ」
開かれた続きの間もそれなりの広さだ。中央には紫檀色の一枚板でできた座卓があり、恵さんはそこにお茶を置いてくれていた。
そのお茶をいただいていると、恵さんは話を切り出す。
「お昼はまだよね? 簡単なものしかないけれど、いいかしら?」
「はい、ありがとうございます。何かお手伝いすることはありますか?」
まだまだ料理できますと胸を張って言える状態ではないけど、申し出てみる。恵さんはニコリと笑うと口を開いた。
「じゃあ、二人にお願いしようかな」
一緒に、キッチンというより台所と言った方がしっくりくるその場所へ行くと、テーブルに置いてあった平たい竹籠と鋏を渡された。
「勝手口を出ると菜園があるから、好きなお野菜を、適当に採ってきてくれる?」
それを受け取る依澄さんの顔は、どこかウキウキとしたように綻んだ。
家の庭の手入れも、定期的に業者さんが来るとはいえ、日々の手入れは依澄さんがしている。もちろん、自分で買ってきたレモンの木も。これまでやったことはなかったが、植物を育てるのは楽しいと口にしていたことがあった。
表側の庭も見る限り広そうだったが、裏庭も思っていた以上に広い。周りは竹林になっていて、そこにある蔵を浮き立たせている。その手前には、家庭菜園というには立派な畑があり、収穫を待つ夏野菜が太陽の光を受けて輝いていた。
「依澄さん、こんなところがあるって知ってた?」
「いや、初めて知った。野菜を持たせてくれたことはあったが、まさか家の裏で作ってたなんて……」
驚いたように畑を眺める依澄さんは、どこか少年のように感じる。遠くから眺めていただけのルークも、時々こんな表情で町の男の子たちと話していたのを思い出していた。
割り箸で脚の付けられた野菜をまじまじと見つめていた依澄さんに、笑いながら話しかける。
「違うのか?」
驚いたように瞳を開け、真面目な顔で尋ねる依澄さんに、笑い声が漏れる。
「うん。たぶん違うと思うよ」
「そうなのか。どんな馬か興味があるな」
「依澄さん、そういえば乗馬できるんだよね」
以前サマーキャンプの話題になったとき、そんな話しをしていた。依澄さんは懐かしいそうに笑みを浮かべ話し出す。
「ああ。子どもの頃は牧場を経営したいと思ってた」
「牧場を?」
そんな昔のエピソードを聞きながら、乗馬をする依澄さんに想像を巡らせていると、後ろの襖が開く。
「お待たせ。冷たいお茶をどうぞ」
開かれた続きの間もそれなりの広さだ。中央には紫檀色の一枚板でできた座卓があり、恵さんはそこにお茶を置いてくれていた。
そのお茶をいただいていると、恵さんは話を切り出す。
「お昼はまだよね? 簡単なものしかないけれど、いいかしら?」
「はい、ありがとうございます。何かお手伝いすることはありますか?」
まだまだ料理できますと胸を張って言える状態ではないけど、申し出てみる。恵さんはニコリと笑うと口を開いた。
「じゃあ、二人にお願いしようかな」
一緒に、キッチンというより台所と言った方がしっくりくるその場所へ行くと、テーブルに置いてあった平たい竹籠と鋏を渡された。
「勝手口を出ると菜園があるから、好きなお野菜を、適当に採ってきてくれる?」
それを受け取る依澄さんの顔は、どこかウキウキとしたように綻んだ。
家の庭の手入れも、定期的に業者さんが来るとはいえ、日々の手入れは依澄さんがしている。もちろん、自分で買ってきたレモンの木も。これまでやったことはなかったが、植物を育てるのは楽しいと口にしていたことがあった。
表側の庭も見る限り広そうだったが、裏庭も思っていた以上に広い。周りは竹林になっていて、そこにある蔵を浮き立たせている。その手前には、家庭菜園というには立派な畑があり、収穫を待つ夏野菜が太陽の光を受けて輝いていた。
「依澄さん、こんなところがあるって知ってた?」
「いや、初めて知った。野菜を持たせてくれたことはあったが、まさか家の裏で作ってたなんて……」
驚いたように畑を眺める依澄さんは、どこか少年のように感じる。遠くから眺めていただけのルークも、時々こんな表情で町の男の子たちと話していたのを思い出していた。
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