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第8話 契り
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紅羽side
翌日。朝なのかは分からない。相変わらず空は薄暗く、外の景色には何の変化もなかった。
部屋の襖の先から律の声が聞こえて来る。随分前に目覚めていたが、今は何時なのだろう。
「姫、起きておられますか?」
「ええ、起きてるわ」
そう返事をすると、彼女が襖を開ける。昨日と変わらない姿で彼女は微笑みかけた。
「おはようございます、姫」
「おはよう」
今は何時なのだろうか。そもそもここに時間の概念などあるのだろうか。気怠い体を起こすと鏡へと向かう。
ひどい顔ね……
色々考えすぎてよく眠れなかったせいか、目の下に薄らとクマができている。
「主様がお呼びなのですが、お加減はいかがでしょう?」
「少し眠れなかったけど、大丈夫よ」
「あまり無理はなさらないでくださいね。どうぞ、お召替えを」
そう言って彼女が手に持っていたのは五つ衣だった。紅姫として生きていた頃によく着ていた衣服である。
「まさか、また着ることになるなんて思わなかった」
「姫はこちらの方が良くお似合いですよ」
律はそう言うと、私にそれを着付け始めた。その言葉にふと思い出す。ここに来るまでに私が着ていた服は今どこにあるのだろう。
「ねえ、私の服はどこにあるの?」
「姫がお召しになっていたものですか?それでしたら、こちらで処分いたしました」
そう悪びれる様子もなく彼女は返答した。
「捨ててしまったの?」
「はい、もう必要ないと思ったので」
まさか捨てられていたなんて。結構気に入っていた服なのに。勝手に捨てられるとは思ってもいなかった。
勝手な律の行いに怒りを覚えつつ、同時に呆れてくる。
「律……これからは私の許可も無しに勝手なことをしないでちょうだい」
「お気に障りましたか? 申し訳ございません」
そうしょんぼりとして彼女は謝った。なんだか私が責めてるみたいだ。
そんなことよりも、彼が私を呼び出した理由はなんだろうか。彼のことだから、また無茶なことを言ってきそうだ。
「ねえ、彼はなんで私を呼んでいるの?」
「私は存じ上げておりませんが……重要なお話とは伺っております」
「重要な話……ね」
なんだか嫌な予感がする。私を蘇らせたくらいなのだから、彼は何かもっと大きなことを企んでいるかもしれない。
「律……」
「はい」
「もし私が彼と対立するようなことがあったら、あなたはどうする?」
試すように、じっと律の瞳を見つめる。彼女は私の言葉に手を止めると、真剣な眼差しを私に向けた。
「もちろん、姫をずっとお守りします」
珍しく真顔だった。迷いのない返答に少し安心する。彼女は何があってもきっと私の味方でいてくれる。そう直感的に思った。
「よかった」
「当然でしょう。私はあなたの僕ですから」
彼女はそう誇らしげに言うと、今度は私の髪を梳き始めた。
黒蛇に言われること次第では、私は律のことも危険に晒すことになる。それを覚悟しないといけない。
彼に再び会うことは少しの恐怖もある。しかし、私は行かなければならない。もう一度、日常に戻るために。大切な人たちに会うために。
身支度を終えると、私は律とともに彼のいる部屋へ向かった。
***
彼の部屋は同じ最上階にあった。しかし彼の部屋への道は入り組んでいて少し遠く感じる。入り口に着くと、そこは他の部屋に比べて薄暗く、少し異質な雰囲気を醸し出していた。
律は一度私の方を見ると、部屋の戸を軽く叩く。
「主様、姫をお連れいたしました」
「入れ」
そう返答が返ってくる。その場に律を残し1人で部屋に入ると、1日ぶりに黒蛇の姿が見える。
「失礼するわ」
そう言って扉付近で立ち止まると、黒蛇がこちらへ向かって歩いてくる。
「紅姫…いや紅羽、やはりそなたにはその衣がよう似合う。衣の朱が白い肌に映えるな」
うすら笑みを浮かべて私の髪に触れてくる彼を一瞥すると、先ほど律から聞いた話を彼にぶつける。
「それで、重要な話とは?」
「ああ、別に大したことはない。そなたと我の話だ」
そう言うと彼は私の両手を持ち上げ、言った。
「我と婚姻を結んではくれぬか」
……突然のことに言葉も出ない。それが重要な話だというのだろうか?彼の真意が見抜けない。
彼の蛇のような瞳は真剣に私を見つめてくる。何か企んでいるに違いないが、おそらく本気で言っているのだろう。
「……何を企んでいるの?私の力が必要なことでもあるの?」
「企みなどない、我が本意だ。だが、一つだけ他意があるとするならば……共に人間達への報復に助力してはくれぬか。」
「助力など、するわけがないでしょう」
彼の望みは知っている。彼は自分を虐げてきた人間を誰よりも恨んでいて、許せないのだ。
「何故だ。そなたも同じ目に遭ってきたはず。なぜそこまで人間の味方をする」
「……たしかに、私も人間達に傷つけられたことはある。裏切られもした。でも、私は……愛することも知った」
「そのような愛など偽りに過ぎん。鬼のそなたに人を愛することなどできぬ」
その言葉に憤りを覚える。私は愛するということがどんなことかを知っている。それを偽りと言われたのだから、怒るのも当然だ。
「私はたしかに人間を愛した! 人を恨むばかりのお前に何が分かるというの」
「そうか……ならばこやつを見てもそう言えるか?」
彼が呆れたようにそう言うと、目の前に突然1人の人間が現れる。その姿は、私がよく知る人物のようだった。
「な……柚木乃?」
その人物は紛れもなく戸籍上の姉妹である三上柚木乃だった。彼女は気を失っているようで、目を固く閉じたまま床に横たわっている。
なぜ彼女がここにいるのだろう。彼女は黒蛇とは無関係のはずだ。なのになぜ……。
嫌な予感が頭の中に過ぎる。
「なぜ、彼女がここに……?彼女に何をしたの?」
「特段何もしてはおらぬ。ただ利用価値があるために攫ってきただけだ」
彼は私を見ると楽しそうに笑う。その笑みに背筋から悪寒がする。そうか、彼がしようとしていることは……。
「この娘は、人間であったそなたを散々傷めつけてきた娘であろう?我はそなたを傷つけたこの娘が恨めしい。八つ裂きにして殺してやりたいくらいにはな」
彼はそういって私の反応を見る。本当に思っているかどうかは知らない。しかし、その言葉の続きはなんとなく想像できた。
「そなたが真に人間を愛しているならば、我が痛めつけて殺す前にそなたが、一思いに楽になるよう殺してやれ。愛を知るそなたならば出来るだろう?」
彼女を殺せば、私が愛を知っていることになる……?それは本当に正しいのだろうか。
仮に私が彼女を殺したとしたら、理由はどうであれ、私も黒蛇と同じく"人殺し"になる。それでは彼の思う壺だ。
しかし、どちらにせよ彼は柚木乃を殺す。殺してしまう。たしかに柚木乃は、養子として引き取られた私に酷いことをしたといえるかもしれない。でも、私のせいで居場所をなくした彼女の気持ちも想像できる。私は彼女の優しさを知ってる。だから……
「……殺せない」
考えて、俯きながらそう答える。
「ほう、では我が八つ裂きにしても良いと?」
「そんなことは言ってない。彼女を殺さないで」
彼はフッと笑みを溢すと理解できないというように私に目を向ける。
「生かすという選択肢はない。我が殺すか、そなたが殺すか、それだけだ。ほら、早く決めなければ彼女が起きてしまうぞ」
急かすような声が聞こえる。しかし、私の心は決まっていた。
「殺さないで……お願い。彼女には生きていてほしいの」
私はその場に跪く。彼に跪いたことなんて今までなかった。それでも、彼女を殺さないでいてくれるなら、構わなかった。
「そうか、そんなにこの娘に生きてほしいのか。愚かなことだ」
彼は落胆したようにそう言い放つと、床に跪いたままの私を見下ろす。
「ならば、我の願いを聞き入れよ。さすればこの娘の命を助けてやる」
「……」
……今は、彼女を救うために彼の要求に従うしかない。後のことはまた後で考えよう。きっと何とかしてみせる……。今は、無関係の彼女を巻き込むわけにはいかない。
「……わかった。お前の願いを聞き入れる。だから、彼女を元の場所に返してあげて」
彼はそれを聞いて嬉しそうに笑う。
「よかろう。ならば約束通り、この娘を解放しよう。その代わり、そなたは我が妻となり、我の目的に助力せよ」
彼がそう言うと、柚木乃の姿は再び消えた。
「……約束、しっかり果たすのでしょうね」
「ああ、安心せよ。あの娘に危害は加えん。それより……」
彼は跪いたままの私を立ち上がらせると、私の顎を掬い上げる。
「そなたも約束をしかと果たせ」
彼は蛇のような目を細めて私を見る。私も彼を睨みつけるように目を合わせた。
「ええ、もちろんよ」
私は強気にそう言い放った。
翌日。朝なのかは分からない。相変わらず空は薄暗く、外の景色には何の変化もなかった。
部屋の襖の先から律の声が聞こえて来る。随分前に目覚めていたが、今は何時なのだろう。
「姫、起きておられますか?」
「ええ、起きてるわ」
そう返事をすると、彼女が襖を開ける。昨日と変わらない姿で彼女は微笑みかけた。
「おはようございます、姫」
「おはよう」
今は何時なのだろうか。そもそもここに時間の概念などあるのだろうか。気怠い体を起こすと鏡へと向かう。
ひどい顔ね……
色々考えすぎてよく眠れなかったせいか、目の下に薄らとクマができている。
「主様がお呼びなのですが、お加減はいかがでしょう?」
「少し眠れなかったけど、大丈夫よ」
「あまり無理はなさらないでくださいね。どうぞ、お召替えを」
そう言って彼女が手に持っていたのは五つ衣だった。紅姫として生きていた頃によく着ていた衣服である。
「まさか、また着ることになるなんて思わなかった」
「姫はこちらの方が良くお似合いですよ」
律はそう言うと、私にそれを着付け始めた。その言葉にふと思い出す。ここに来るまでに私が着ていた服は今どこにあるのだろう。
「ねえ、私の服はどこにあるの?」
「姫がお召しになっていたものですか?それでしたら、こちらで処分いたしました」
そう悪びれる様子もなく彼女は返答した。
「捨ててしまったの?」
「はい、もう必要ないと思ったので」
まさか捨てられていたなんて。結構気に入っていた服なのに。勝手に捨てられるとは思ってもいなかった。
勝手な律の行いに怒りを覚えつつ、同時に呆れてくる。
「律……これからは私の許可も無しに勝手なことをしないでちょうだい」
「お気に障りましたか? 申し訳ございません」
そうしょんぼりとして彼女は謝った。なんだか私が責めてるみたいだ。
そんなことよりも、彼が私を呼び出した理由はなんだろうか。彼のことだから、また無茶なことを言ってきそうだ。
「ねえ、彼はなんで私を呼んでいるの?」
「私は存じ上げておりませんが……重要なお話とは伺っております」
「重要な話……ね」
なんだか嫌な予感がする。私を蘇らせたくらいなのだから、彼は何かもっと大きなことを企んでいるかもしれない。
「律……」
「はい」
「もし私が彼と対立するようなことがあったら、あなたはどうする?」
試すように、じっと律の瞳を見つめる。彼女は私の言葉に手を止めると、真剣な眼差しを私に向けた。
「もちろん、姫をずっとお守りします」
珍しく真顔だった。迷いのない返答に少し安心する。彼女は何があってもきっと私の味方でいてくれる。そう直感的に思った。
「よかった」
「当然でしょう。私はあなたの僕ですから」
彼女はそう誇らしげに言うと、今度は私の髪を梳き始めた。
黒蛇に言われること次第では、私は律のことも危険に晒すことになる。それを覚悟しないといけない。
彼に再び会うことは少しの恐怖もある。しかし、私は行かなければならない。もう一度、日常に戻るために。大切な人たちに会うために。
身支度を終えると、私は律とともに彼のいる部屋へ向かった。
***
彼の部屋は同じ最上階にあった。しかし彼の部屋への道は入り組んでいて少し遠く感じる。入り口に着くと、そこは他の部屋に比べて薄暗く、少し異質な雰囲気を醸し出していた。
律は一度私の方を見ると、部屋の戸を軽く叩く。
「主様、姫をお連れいたしました」
「入れ」
そう返答が返ってくる。その場に律を残し1人で部屋に入ると、1日ぶりに黒蛇の姿が見える。
「失礼するわ」
そう言って扉付近で立ち止まると、黒蛇がこちらへ向かって歩いてくる。
「紅姫…いや紅羽、やはりそなたにはその衣がよう似合う。衣の朱が白い肌に映えるな」
うすら笑みを浮かべて私の髪に触れてくる彼を一瞥すると、先ほど律から聞いた話を彼にぶつける。
「それで、重要な話とは?」
「ああ、別に大したことはない。そなたと我の話だ」
そう言うと彼は私の両手を持ち上げ、言った。
「我と婚姻を結んではくれぬか」
……突然のことに言葉も出ない。それが重要な話だというのだろうか?彼の真意が見抜けない。
彼の蛇のような瞳は真剣に私を見つめてくる。何か企んでいるに違いないが、おそらく本気で言っているのだろう。
「……何を企んでいるの?私の力が必要なことでもあるの?」
「企みなどない、我が本意だ。だが、一つだけ他意があるとするならば……共に人間達への報復に助力してはくれぬか。」
「助力など、するわけがないでしょう」
彼の望みは知っている。彼は自分を虐げてきた人間を誰よりも恨んでいて、許せないのだ。
「何故だ。そなたも同じ目に遭ってきたはず。なぜそこまで人間の味方をする」
「……たしかに、私も人間達に傷つけられたことはある。裏切られもした。でも、私は……愛することも知った」
「そのような愛など偽りに過ぎん。鬼のそなたに人を愛することなどできぬ」
その言葉に憤りを覚える。私は愛するということがどんなことかを知っている。それを偽りと言われたのだから、怒るのも当然だ。
「私はたしかに人間を愛した! 人を恨むばかりのお前に何が分かるというの」
「そうか……ならばこやつを見てもそう言えるか?」
彼が呆れたようにそう言うと、目の前に突然1人の人間が現れる。その姿は、私がよく知る人物のようだった。
「な……柚木乃?」
その人物は紛れもなく戸籍上の姉妹である三上柚木乃だった。彼女は気を失っているようで、目を固く閉じたまま床に横たわっている。
なぜ彼女がここにいるのだろう。彼女は黒蛇とは無関係のはずだ。なのになぜ……。
嫌な予感が頭の中に過ぎる。
「なぜ、彼女がここに……?彼女に何をしたの?」
「特段何もしてはおらぬ。ただ利用価値があるために攫ってきただけだ」
彼は私を見ると楽しそうに笑う。その笑みに背筋から悪寒がする。そうか、彼がしようとしていることは……。
「この娘は、人間であったそなたを散々傷めつけてきた娘であろう?我はそなたを傷つけたこの娘が恨めしい。八つ裂きにして殺してやりたいくらいにはな」
彼はそういって私の反応を見る。本当に思っているかどうかは知らない。しかし、その言葉の続きはなんとなく想像できた。
「そなたが真に人間を愛しているならば、我が痛めつけて殺す前にそなたが、一思いに楽になるよう殺してやれ。愛を知るそなたならば出来るだろう?」
彼女を殺せば、私が愛を知っていることになる……?それは本当に正しいのだろうか。
仮に私が彼女を殺したとしたら、理由はどうであれ、私も黒蛇と同じく"人殺し"になる。それでは彼の思う壺だ。
しかし、どちらにせよ彼は柚木乃を殺す。殺してしまう。たしかに柚木乃は、養子として引き取られた私に酷いことをしたといえるかもしれない。でも、私のせいで居場所をなくした彼女の気持ちも想像できる。私は彼女の優しさを知ってる。だから……
「……殺せない」
考えて、俯きながらそう答える。
「ほう、では我が八つ裂きにしても良いと?」
「そんなことは言ってない。彼女を殺さないで」
彼はフッと笑みを溢すと理解できないというように私に目を向ける。
「生かすという選択肢はない。我が殺すか、そなたが殺すか、それだけだ。ほら、早く決めなければ彼女が起きてしまうぞ」
急かすような声が聞こえる。しかし、私の心は決まっていた。
「殺さないで……お願い。彼女には生きていてほしいの」
私はその場に跪く。彼に跪いたことなんて今までなかった。それでも、彼女を殺さないでいてくれるなら、構わなかった。
「そうか、そんなにこの娘に生きてほしいのか。愚かなことだ」
彼は落胆したようにそう言い放つと、床に跪いたままの私を見下ろす。
「ならば、我の願いを聞き入れよ。さすればこの娘の命を助けてやる」
「……」
……今は、彼女を救うために彼の要求に従うしかない。後のことはまた後で考えよう。きっと何とかしてみせる……。今は、無関係の彼女を巻き込むわけにはいかない。
「……わかった。お前の願いを聞き入れる。だから、彼女を元の場所に返してあげて」
彼はそれを聞いて嬉しそうに笑う。
「よかろう。ならば約束通り、この娘を解放しよう。その代わり、そなたは我が妻となり、我の目的に助力せよ」
彼がそう言うと、柚木乃の姿は再び消えた。
「……約束、しっかり果たすのでしょうね」
「ああ、安心せよ。あの娘に危害は加えん。それより……」
彼は跪いたままの私を立ち上がらせると、私の顎を掬い上げる。
「そなたも約束をしかと果たせ」
彼は蛇のような目を細めて私を見る。私も彼を睨みつけるように目を合わせた。
「ええ、もちろんよ」
私は強気にそう言い放った。
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