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第八話
しおりを挟むミアと共に暮らして、まだまだ言葉には詰まるが、それでも言葉の意味を理解し、俺の名前を流暢に呼べるようになった冬の夜。
俺はミアと、ミアに毛布を掛けた上で、暖炉の側で一緒に温まっていた。
ミアは俺が渡した、温かい飲み物が入ったカップを両手で持っている。
手が冷たいのか、両手で持つと温かいようで、冬はよく両手でカップを持っていた。
俺はもしミアが落としても大丈夫なように、あまり酷い火傷をしないような温度にしているが、逆にそれがミアにとっていい温度だったようで、良かったと思っている。
「ヒュウ、外」
窓の外では、白い綿のように雪がふわふわと外を舞っていた。
カーテンを開けていたので、ミアからも窓の外の様子が見えたのだろう。
俺は立ち上がり、カーテンを閉めて、ミアの隣に座ってから答えた。
「雪だな。明日は積もっているだろう。雪人形でも作って遊ぶか?」
「うん!」
パチパチと暖炉から、木が燃える時特有の音がする。
明日、雪遊びをするのであれば、防寒をしっかりさせ、帰って来たら必ず温かい風呂に浸からせ、食事も温かいものにしなければならない。
幸いなことに、この村は、他の村と違って温かい水が地面から湧き出るようになっているから、風呂も湯を贅沢に使うことができる。
明日は風邪を引かないように、部屋もしっかりと温めておこう。
俺が、明日の計画を頭の中で立てていると、扉が激しく叩かれた。
まるで切羽詰まったかのように焦りと急いでいるための音だった。
「私、行く」
「一緒に行こう」
ミアの右手を握りながら、近くにあった剣を開いている方の手に取る。
ミアだけを出すのはとても不安だ。
もしかしたら賊かもしれないし、ミアを殺しに来たのかもしれないし、ミアを拐いにきたのかもしれない。
もしも賊であれば、ミアを家の中に閉じ込め、外で賊を殺す必要がある。
ミアに穢れたものは見せたくないから、綺麗に終わらせて、片付けをしないといけない。
明日雪遊びをするのだから、雪は白くなくてはいけないのだ。
だったら、森の中で終わらせないと、明日ミアと雪遊びができなくなってしまう。
しかし、あまり家から離れると、賊が複数人だった場合、ミアが危険な目に遭うことになる。
ミアを喜ばす為だとはいえ、ミアが危険に晒されるのは断固として阻止したい。
となると、あまり森の奥深くではないほうがいいとなる。
俺の家は森のすぐ近くに建っているから、森の浅い部分であればすぐに帰ることができるだろう。
俺は、扉を叩いた奴が賊だった場合の段取りを考え、警戒しながら戸を開けた。
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