5 / 53
第一章
3話初めて知る街の風景
しおりを挟む
「あう~」
僕は日本では有り得ないような不思議なたまごの形みたいなゆりかごの中にいる。服はカバーオール。当たり前か…。僕、赤ちゃんだもんな~。
体が思うように動かせなくて、ただ手足を上にじたばた出来るくらい。口から出る言葉は全然言葉になってない…。
うぅ、話せないなんて。不思議な形のゆりかごは何もしなくても前、後ろとゆっくり揺れる。
僕から見えるのは窓から日差しが指していることくらい。
お父さんとお母さんは今日の僕のお祝いごとで、忙しく動いているらしい。
はあぁ…。僕も早く動きたいな。赤ちゃんじゃあ動きたくても動けないよ~。うぅ。
…とぼんやり外を眺めていると、寝たはずなのにまた眠くなってきた。僕は暖かい日差しに当たりながらすっと眠りに落ちた。
.+*:゚+。.✩
「あの子がステファーノ家の次期継ぐ王子になるチーロ君か。すげー可愛い子じゃないか!オーウェンがロラ様に似てるって言っていたけど、本当に似ている。特に愛らしい顔立ちが…。
よし、チーロ君にはあいつを護衛につかせよう」
•*¨*•.¸¸☆*・゚
ーシュッ、タンッ
と外から音が聞こえた。僕は思わずパチッと目をまん丸くして外を見た。窓から見える景色は大きな木がある。
その大きな木からパラパラと葉が落ちてる。まるで木から誰か降りた跡みたいに葉が落ちる。
なんだろうと妙な気持ちになった。
ーガチャ
とドア開く音がした。僕はそっちの方を見ようと左に体ごと振り向こうとした。
「あっ!チーロ様ぁっ!チーロ様が落ちちゃう~!」
とアンジェロの声がして、僕はあの時を思い出して目をギュッと瞑った。
ードテッと音がした。僕は痛みを感じなかった。何でだろうと目を開けると、僕はアンジェロの両腕の中にすっぽりとハマっていた。アンジェロは床に前から倒れたらしい。それも僕を助けるために。ふふ、アンジェロカッコイイ。僕の心がポカポカと温かくなって、僕は浮かれた。あぁ、妄想が……!だめだめ。僕は首を横に振って、アンジェロに向き合った。するとアンジェロは目に涙を溜めて僕の方を見て安堵した。
「良かった~!チーロ様無事なのですね!」
と言って、僕は返事をしようとした。
「あうぅ~!」
と言葉が出た。ありがとって言ったはずなんだけど…。うぅーん。赤ちゃんはこんなにも喋れないんだな~。
アンジェロはニコニコと笑顔で僕を抱#だ#きかかえて立ち上がった。
「チーロ様、今日はお披露目会ですよ~。街中の方々の前へと、あとは他国の王家の方々とお会いになりますよ~。
そーだ!チーロ様!お披露目会で町中の方々を目にする前に下見#したみ#をしましょうか!
その方がお披露目会で緊張しなくても大丈夫でしょう!」
と眩#まぶ#しい笑顔で言い放つ。そんなアンジェロに僕はまたうっとりしちゃった。
アンジェロの笑顔はすごく可愛い~。
アンジェロは僕を抱えて部屋から出た。廊下はとてもお洒落に飾られた風画が何個も連なっていて、電気も大きなシャンデリアだった。…うぅ、ここは本当に日本じゃないんだ。でも、本当に素敵な家だな~。…金持ちなのかな。
ま、いっか。
僕はアンジェロに顔を見上げた。すると、アンジェロはニコッと微笑んで僕の背中を撫でる。あぁ~、アンジェロ好き…。
そんなことを思っていると外を出る大きなドアの前に来た。ドアもとても大きくて、天使の絵柄のドアだった。
そして、アンジェロは横にあるレバーを下げた。ドアはアンジェロが手動で開けた。すると、奥にある大きな門が開く瞬間だった。
ガチャッと門が綺麗に開いた。
僕は思わず、目を丸くしてキラキラと目を輝かせた。
「チーロ様、外ですよ~」
とアンジェロ。アンジェロは慣れてるかのように門を閉める小さなボタン式のリモコンを取り出して閉めた。
僕はわくわくが止まらなくなった。
そして、アンジェロは僕を前向きに変えて、抱えた。アンジェロ優しいなって思って僕はキュッと心が熱くなった。やばい、やばい。
そして、アンジェロは僕に街の店街を見せてくれた。街中は思った通り外国風な街並みだった。女の人はみんなプロンみたいなワンピースの服。男の人はタキシードみたいな服の人ばっかり。
街の人々は沢山で色んな人で溢れていた。そして、みんな僕に視線を向ける。なんだか恥ずかしい。
街の人々は口々に『チーロ様よ』とか『チーロ様だわ』、『可愛いらしいな』とかを言っている。
「おぉ!アンジェロじゃないか!今日は外に出ていいのか?」
とガタイのいい小麦色に焼けた男の人がアンジェロに声掛けた。細身のアンジェロの横に立つととてもガタイが大きい人なのがよく分かる。
「やぁ。ベン!今はチーロ様にお披露目会の前にチーロ様に初めて見る街を見せている所だよ」
「そうなのか。この子がステファーノ家の王子のチーロ様か!噂通りとても綺麗で可愛いらしいお方ではないか!」
「だろ~」
とアンジェロが片手で僕を抱きかかえて、空いている左手で鼻下を人差し指で一回擦って言う。なんか自慢げだ。にしても、僕、王子?僕は王子になるの?
一時の間、アンジェロとベンと言う人が話しをした。その間、僕はずっと考え事した。
そして、お披露目会が始まる1時間半前へと差し掛かった。
「チーロ様、お戻りしましょうか。もうすぐですよ~」
とアンジェロがにこやかに言って、家へと歩いた。
僕はわくわくからまたドキドキに変わってしまった。僕、王子になるのー!?
僕は日本では有り得ないような不思議なたまごの形みたいなゆりかごの中にいる。服はカバーオール。当たり前か…。僕、赤ちゃんだもんな~。
体が思うように動かせなくて、ただ手足を上にじたばた出来るくらい。口から出る言葉は全然言葉になってない…。
うぅ、話せないなんて。不思議な形のゆりかごは何もしなくても前、後ろとゆっくり揺れる。
僕から見えるのは窓から日差しが指していることくらい。
お父さんとお母さんは今日の僕のお祝いごとで、忙しく動いているらしい。
はあぁ…。僕も早く動きたいな。赤ちゃんじゃあ動きたくても動けないよ~。うぅ。
…とぼんやり外を眺めていると、寝たはずなのにまた眠くなってきた。僕は暖かい日差しに当たりながらすっと眠りに落ちた。
.+*:゚+。.✩
「あの子がステファーノ家の次期継ぐ王子になるチーロ君か。すげー可愛い子じゃないか!オーウェンがロラ様に似てるって言っていたけど、本当に似ている。特に愛らしい顔立ちが…。
よし、チーロ君にはあいつを護衛につかせよう」
•*¨*•.¸¸☆*・゚
ーシュッ、タンッ
と外から音が聞こえた。僕は思わずパチッと目をまん丸くして外を見た。窓から見える景色は大きな木がある。
その大きな木からパラパラと葉が落ちてる。まるで木から誰か降りた跡みたいに葉が落ちる。
なんだろうと妙な気持ちになった。
ーガチャ
とドア開く音がした。僕はそっちの方を見ようと左に体ごと振り向こうとした。
「あっ!チーロ様ぁっ!チーロ様が落ちちゃう~!」
とアンジェロの声がして、僕はあの時を思い出して目をギュッと瞑った。
ードテッと音がした。僕は痛みを感じなかった。何でだろうと目を開けると、僕はアンジェロの両腕の中にすっぽりとハマっていた。アンジェロは床に前から倒れたらしい。それも僕を助けるために。ふふ、アンジェロカッコイイ。僕の心がポカポカと温かくなって、僕は浮かれた。あぁ、妄想が……!だめだめ。僕は首を横に振って、アンジェロに向き合った。するとアンジェロは目に涙を溜めて僕の方を見て安堵した。
「良かった~!チーロ様無事なのですね!」
と言って、僕は返事をしようとした。
「あうぅ~!」
と言葉が出た。ありがとって言ったはずなんだけど…。うぅーん。赤ちゃんはこんなにも喋れないんだな~。
アンジェロはニコニコと笑顔で僕を抱#だ#きかかえて立ち上がった。
「チーロ様、今日はお披露目会ですよ~。街中の方々の前へと、あとは他国の王家の方々とお会いになりますよ~。
そーだ!チーロ様!お披露目会で町中の方々を目にする前に下見#したみ#をしましょうか!
その方がお披露目会で緊張しなくても大丈夫でしょう!」
と眩#まぶ#しい笑顔で言い放つ。そんなアンジェロに僕はまたうっとりしちゃった。
アンジェロの笑顔はすごく可愛い~。
アンジェロは僕を抱えて部屋から出た。廊下はとてもお洒落に飾られた風画が何個も連なっていて、電気も大きなシャンデリアだった。…うぅ、ここは本当に日本じゃないんだ。でも、本当に素敵な家だな~。…金持ちなのかな。
ま、いっか。
僕はアンジェロに顔を見上げた。すると、アンジェロはニコッと微笑んで僕の背中を撫でる。あぁ~、アンジェロ好き…。
そんなことを思っていると外を出る大きなドアの前に来た。ドアもとても大きくて、天使の絵柄のドアだった。
そして、アンジェロは横にあるレバーを下げた。ドアはアンジェロが手動で開けた。すると、奥にある大きな門が開く瞬間だった。
ガチャッと門が綺麗に開いた。
僕は思わず、目を丸くしてキラキラと目を輝かせた。
「チーロ様、外ですよ~」
とアンジェロ。アンジェロは慣れてるかのように門を閉める小さなボタン式のリモコンを取り出して閉めた。
僕はわくわくが止まらなくなった。
そして、アンジェロは僕を前向きに変えて、抱えた。アンジェロ優しいなって思って僕はキュッと心が熱くなった。やばい、やばい。
そして、アンジェロは僕に街の店街を見せてくれた。街中は思った通り外国風な街並みだった。女の人はみんなプロンみたいなワンピースの服。男の人はタキシードみたいな服の人ばっかり。
街の人々は沢山で色んな人で溢れていた。そして、みんな僕に視線を向ける。なんだか恥ずかしい。
街の人々は口々に『チーロ様よ』とか『チーロ様だわ』、『可愛いらしいな』とかを言っている。
「おぉ!アンジェロじゃないか!今日は外に出ていいのか?」
とガタイのいい小麦色に焼けた男の人がアンジェロに声掛けた。細身のアンジェロの横に立つととてもガタイが大きい人なのがよく分かる。
「やぁ。ベン!今はチーロ様にお披露目会の前にチーロ様に初めて見る街を見せている所だよ」
「そうなのか。この子がステファーノ家の王子のチーロ様か!噂通りとても綺麗で可愛いらしいお方ではないか!」
「だろ~」
とアンジェロが片手で僕を抱きかかえて、空いている左手で鼻下を人差し指で一回擦って言う。なんか自慢げだ。にしても、僕、王子?僕は王子になるの?
一時の間、アンジェロとベンと言う人が話しをした。その間、僕はずっと考え事した。
そして、お披露目会が始まる1時間半前へと差し掛かった。
「チーロ様、お戻りしましょうか。もうすぐですよ~」
とアンジェロがにこやかに言って、家へと歩いた。
僕はわくわくからまたドキドキに変わってしまった。僕、王子になるのー!?
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる