腐男子異世界転生して王子になる〜チートになっちゃった僕でゴメンね!〜

優木王

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第一章

7話僕と手鏡さん

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昨日は魔法があることを知っちゃった。僕自身にも魔力があるなんて…。それに君主の証としてお父さんの魔力から出来た剣をもらった。

僕は、気持ちが今もハラハラしている。この世界には魔法があるってことに…。

僕は2歳にして、自分の部屋を設#もう#けられた。君主剣を貰った者は皆、もう部屋を設けられるらしい。そして、その剣は今、僕の寝るであろう、大きなベッドの横に立て掛けている。にしても、小さい子の部屋としては広々すぎる部屋だ。しかも、とても豪華ごうかな部屋。色とりどりに飾られている。それと一際、目にまる僕の絵画。赤ちゃんの頃の僕がそこには描かれている。

これが僕なんだな~。でも、何で泣いている絵画にしたんだろう。この絵、水彩画過ぎて、僕が分からない。もっと、僕が分かるのを描いてよ。じゃないと僕、自分の姿を見向きにならないよ。

そんなことを不機嫌に思いながら、見ていたら、僕の前世の姿がぎったのと懐かしい顔を思い出す。はぁ、蓮に会いたい…。だめ、だめだ。僕は今を見るんだ。そう決めたんだ。前を見よう。

そして、僕はまだよたよたとしか歩けない足で鏡を探した。僕自身を見るために…。前世も僕はよく鏡で自分の姿を見ていた。そして、チェックするんだ。自分の外見を。少しでも男らしく見られたいから。前世の僕は本当、なよなよしていて男らしくなかった。けど、毎晩のように見ては髪型をいじったりした。

今も僕はその週間をして行こうと思っている。お父さんの願いに込められた、僕になりたい。立派になりたいから。

で、鏡は何処だろう。いくら、周りを見渡しても鏡が見当たらない。

ーガチャ

と音がしてドアに目をやると、アンジェロだった。

「おはようございます~。チーロ様」

アンジェロの色白な肌や薄茶の髪色。もうかっこよ過ぎる。そんなアンジェロにいっぱい構ってもらえるなんて嬉し過ぎる。そして、今日も僕の頭の中の妄想が出てくる。あ~、だめだ。僕の頭の中ー。

「チーロ様、大丈夫ですか。口がおーになってますよ!」

僕はハッとして口を両手で覆った。こんな僕、やっぱり、恥ずかしい。

「チーロ様、何かお困りのようですね~。何を困っているのでしょう。なんなんりとわたくしにお任せ下さい」

とアンジェロが座っている僕に合わせてしゃがんでにこやかに聞いてくる。

「う、えっと…ね、僕は僕が見たいの。どうしても…。でも、鏡無くって…」

「何と!」

とアンジェロは驚いた顔をした。すると、ピクンッと髪色と同じ色の猫耳みたいなのが出た。

…ん、え。僕は自分の目を疑った。後ろからは何やら綺麗な2つの細長い尻尾がひょろひょろっと揺れている。

「そうだ!チーロ様。わたくしがお作り致しましょう」

とアンジェロは言い立ち上がった。左手を下に右手でひゅっとこなを巻くように指を擦る。
すると、みるみるうちに赤ふちの綺麗な手鏡が出た。

「出来ましたよ!チーロ様~」
とにこやかに言う。アンジェロの猫耳と2つの尻尾はさて置き、僕はアンジェロの魔法をキラキラと輝かせて見た。

「しゅごい!アンジェロー!」
と言って、僕はアンジェロの足にハグした。

「チーロ様はまだ小さいですし、わたくしはオーウェン様の元ばかりですし。部屋に一人なのは寂しいでしょうから、もう1つお差し上げしましょう!」

とアンジェロは言って、今度は鏡に手をかざした。すると、ポンッと弾いた音がして、よく見た。クラッカーみたいな紐状ひもじょうの物が入っていく。そして、手鏡に桃色の天使の輪が付いた。

そして、アンジェロの手の上から宙に浮いている。

「わぁあ!」
と僕は思わず言った。そして、アンジェロがぷいっと人差し指を下に動かした。すると、手鏡は僕の方へと来た。

「おーい、アンジェロ。手伝ってくれ」
とお父さんの声がして、アンジェロは『はい、今向かいます!』とアンジェロは応えて、『では、チーロ様』と告げて行ってしまった。

手鏡は僕の前をふよふよと浮かんでいる。僕は掴んで、僕の姿がどんな風なのか見ようした。けれど、手鏡はスルッと僕の手から出ていく。何度か挑戦した。けれど、手鏡を持てずにいた。
あ~、もう。なんなんだ。この手鏡は!僕に掴まれたくないなんて。

と愚図りそうな気持ちを抱いた。
「キミがチーロくんなんだね。キミはあいつに好かれているね。あの猫又男。そう出ているよ~」

ほへ。鏡が喋った。
「な、にこれ……」
と僕がぼやくと手鏡は調子に乗り出した。

「俺はアム。アンジェロによって頼まれた。猫又になり損ないのやろうだよ。ったく、あいつ、俺が猫又になれないからって手鏡にしやがって。まぁ、いいか。また話せるしな~」

「ねこ…また?」

「あぁ、気付かなかったのか。アンジェロは猫又さ。子供だったオーウェン様を成長させた優秀な執事なんだ。あいつは。だから、あいつ、キミが産まれたこととても嬉しがっていたよ~!

俺がキミの話し相手に選ばれたってことは俺はアンジェロに見捨てられていないってことか。有難く受け取ろう。そして、キミと沢山話そう」
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