9 / 53
第一章
7話僕と手鏡さん
しおりを挟む
昨日は魔法があることを知っちゃった。僕自身にも魔力があるなんて…。それに君主の証としてお父さんの魔力から出来た剣を貰った。
僕は、気持ちが今もハラハラしている。この世界には魔法があるってことに…。
僕は2歳にして、自分の部屋を設#もう#けられた。君主剣を貰った者は皆、もう部屋を設けられるらしい。そして、その剣は今、僕の寝るであろう、大きなベッドの横に立て掛けている。にしても、小さい子の部屋としては広々すぎる部屋だ。しかも、とても豪華な部屋。色とりどりに飾られている。それと一際、目に留まる僕の絵画。赤ちゃんの頃の僕がそこには描かれている。
これが僕なんだな~。でも、何で泣いている絵画にしたんだろう。この絵、水彩画過ぎて、僕が分からない。もっと、僕が分かるのを描いてよ。じゃないと僕、自分の姿を見向きにならないよ。
そんなことを不機嫌に思いながら、見ていたら、僕の前世の姿が過ぎったのと懐かしい顔を思い出す。はぁ、蓮に会いたい…。だめ、だめだ。僕は今を見るんだ。そう決めたんだ。前を見よう。
そして、僕はまだよたよたとしか歩けない足で鏡を探した。僕自身を見るために…。前世も僕はよく鏡で自分の姿を見ていた。そして、チェックするんだ。自分の外見を。少しでも男らしく見られたいから。前世の僕は本当、なよなよしていて男らしくなかった。けど、毎晩のように見ては髪型をいじったりした。
今も僕はその週間をして行こうと思っている。お父さんの願いに込められた、僕になりたい。立派になりたいから。
で、鏡は何処だろう。いくら、周りを見渡しても鏡が見当たらない。
ーガチャ
と音がしてドアに目をやると、アンジェロだった。
「おはようございます~。チーロ様」
アンジェロの色白な肌や薄茶の髪色。もうかっこよ過ぎる。そんなアンジェロにいっぱい構ってもらえるなんて嬉し過ぎる。そして、今日も僕の頭の中の妄想が出てくる。あ~、だめだ。僕の頭の中ー。
「チーロ様、大丈夫ですか。口がおーになってますよ!」
僕はハッとして口を両手で覆った。こんな僕、やっぱり、恥ずかしい。
「チーロ様、何かお困りのようですね~。何を困っているのでしょう。なんなんりとわたくしにお任せ下さい」
とアンジェロが座っている僕に合わせてしゃがんでにこやかに聞いてくる。
「う、えっと…ね、僕は僕が見たいの。どうしても…。でも、鏡無くって…」
「何と!」
とアンジェロは驚いた顔をした。すると、ピクンッと髪色と同じ色の猫耳みたいなのが出た。
…ん、え。僕は自分の目を疑った。後ろからは何やら綺麗な2つの細長い尻尾がひょろひょろっと揺れている。
「そうだ!チーロ様。わたくしがお作り致しましょう」
とアンジェロは言い立ち上がった。左手を下に右手でひゅっと粉を巻くように指を擦る。
すると、みるみるうちに赤ふちの綺麗な手鏡が出た。
「出来ましたよ!チーロ様~」
とにこやかに言う。アンジェロの猫耳と2つの尻尾はさて置き、僕はアンジェロの魔法をキラキラと輝かせて見た。
「しゅごい!アンジェロー!」
と言って、僕はアンジェロの足にハグした。
「チーロ様はまだ小さいですし、わたくしはオーウェン様の元ばかりですし。部屋に一人なのは寂しいでしょうから、もう1つお差し上げしましょう!」
とアンジェロは言って、今度は鏡に手を翳した。すると、ポンッと弾いた音がして、よく見た。クラッカーみたいな紐状の物が入っていく。そして、手鏡に桃色の天使の輪が付いた。
そして、アンジェロの手の上から宙に浮いている。
「わぁあ!」
と僕は思わず言った。そして、アンジェロがぷいっと人差し指を下に動かした。すると、手鏡は僕の方へと来た。
「おーい、アンジェロ。手伝ってくれ」
とお父さんの声がして、アンジェロは『はい、今向かいます!』とアンジェロは応えて、『では、チーロ様』と告げて行ってしまった。
手鏡は僕の前をふよふよと浮かんでいる。僕は掴んで、僕の姿がどんな風なのか見ようした。けれど、手鏡はスルッと僕の手から出ていく。何度か挑戦した。けれど、手鏡を持てずにいた。
あ~、もう。なんなんだ。この手鏡は!僕に掴まれたくないなんて。
と愚図りそうな気持ちを抱いた。
「キミがチーロくんなんだね。キミはあいつに好かれているね。あの猫又男。そう出ているよ~」
ほへ。鏡が喋った。
「な、にこれ……」
と僕がぼやくと手鏡は調子に乗り出した。
「俺はアム。アンジェロによって頼まれた。猫又になり損ないのやろうだよ。ったく、あいつ、俺が猫又になれないからって手鏡にしやがって。まぁ、いいか。また話せるしな~」
「ねこ…また?」
「あぁ、気付かなかったのか。アンジェロは猫又さ。子供だったオーウェン様を成長させた優秀な執事なんだ。あいつは。だから、あいつ、キミが産まれたこととても嬉しがっていたよ~!
俺がキミの話し相手に選ばれたってことは俺はアンジェロに見捨てられていないってことか。有難く受け取ろう。そして、キミと沢山話そう」
僕は、気持ちが今もハラハラしている。この世界には魔法があるってことに…。
僕は2歳にして、自分の部屋を設#もう#けられた。君主剣を貰った者は皆、もう部屋を設けられるらしい。そして、その剣は今、僕の寝るであろう、大きなベッドの横に立て掛けている。にしても、小さい子の部屋としては広々すぎる部屋だ。しかも、とても豪華な部屋。色とりどりに飾られている。それと一際、目に留まる僕の絵画。赤ちゃんの頃の僕がそこには描かれている。
これが僕なんだな~。でも、何で泣いている絵画にしたんだろう。この絵、水彩画過ぎて、僕が分からない。もっと、僕が分かるのを描いてよ。じゃないと僕、自分の姿を見向きにならないよ。
そんなことを不機嫌に思いながら、見ていたら、僕の前世の姿が過ぎったのと懐かしい顔を思い出す。はぁ、蓮に会いたい…。だめ、だめだ。僕は今を見るんだ。そう決めたんだ。前を見よう。
そして、僕はまだよたよたとしか歩けない足で鏡を探した。僕自身を見るために…。前世も僕はよく鏡で自分の姿を見ていた。そして、チェックするんだ。自分の外見を。少しでも男らしく見られたいから。前世の僕は本当、なよなよしていて男らしくなかった。けど、毎晩のように見ては髪型をいじったりした。
今も僕はその週間をして行こうと思っている。お父さんの願いに込められた、僕になりたい。立派になりたいから。
で、鏡は何処だろう。いくら、周りを見渡しても鏡が見当たらない。
ーガチャ
と音がしてドアに目をやると、アンジェロだった。
「おはようございます~。チーロ様」
アンジェロの色白な肌や薄茶の髪色。もうかっこよ過ぎる。そんなアンジェロにいっぱい構ってもらえるなんて嬉し過ぎる。そして、今日も僕の頭の中の妄想が出てくる。あ~、だめだ。僕の頭の中ー。
「チーロ様、大丈夫ですか。口がおーになってますよ!」
僕はハッとして口を両手で覆った。こんな僕、やっぱり、恥ずかしい。
「チーロ様、何かお困りのようですね~。何を困っているのでしょう。なんなんりとわたくしにお任せ下さい」
とアンジェロが座っている僕に合わせてしゃがんでにこやかに聞いてくる。
「う、えっと…ね、僕は僕が見たいの。どうしても…。でも、鏡無くって…」
「何と!」
とアンジェロは驚いた顔をした。すると、ピクンッと髪色と同じ色の猫耳みたいなのが出た。
…ん、え。僕は自分の目を疑った。後ろからは何やら綺麗な2つの細長い尻尾がひょろひょろっと揺れている。
「そうだ!チーロ様。わたくしがお作り致しましょう」
とアンジェロは言い立ち上がった。左手を下に右手でひゅっと粉を巻くように指を擦る。
すると、みるみるうちに赤ふちの綺麗な手鏡が出た。
「出来ましたよ!チーロ様~」
とにこやかに言う。アンジェロの猫耳と2つの尻尾はさて置き、僕はアンジェロの魔法をキラキラと輝かせて見た。
「しゅごい!アンジェロー!」
と言って、僕はアンジェロの足にハグした。
「チーロ様はまだ小さいですし、わたくしはオーウェン様の元ばかりですし。部屋に一人なのは寂しいでしょうから、もう1つお差し上げしましょう!」
とアンジェロは言って、今度は鏡に手を翳した。すると、ポンッと弾いた音がして、よく見た。クラッカーみたいな紐状の物が入っていく。そして、手鏡に桃色の天使の輪が付いた。
そして、アンジェロの手の上から宙に浮いている。
「わぁあ!」
と僕は思わず言った。そして、アンジェロがぷいっと人差し指を下に動かした。すると、手鏡は僕の方へと来た。
「おーい、アンジェロ。手伝ってくれ」
とお父さんの声がして、アンジェロは『はい、今向かいます!』とアンジェロは応えて、『では、チーロ様』と告げて行ってしまった。
手鏡は僕の前をふよふよと浮かんでいる。僕は掴んで、僕の姿がどんな風なのか見ようした。けれど、手鏡はスルッと僕の手から出ていく。何度か挑戦した。けれど、手鏡を持てずにいた。
あ~、もう。なんなんだ。この手鏡は!僕に掴まれたくないなんて。
と愚図りそうな気持ちを抱いた。
「キミがチーロくんなんだね。キミはあいつに好かれているね。あの猫又男。そう出ているよ~」
ほへ。鏡が喋った。
「な、にこれ……」
と僕がぼやくと手鏡は調子に乗り出した。
「俺はアム。アンジェロによって頼まれた。猫又になり損ないのやろうだよ。ったく、あいつ、俺が猫又になれないからって手鏡にしやがって。まぁ、いいか。また話せるしな~」
「ねこ…また?」
「あぁ、気付かなかったのか。アンジェロは猫又さ。子供だったオーウェン様を成長させた優秀な執事なんだ。あいつは。だから、あいつ、キミが産まれたこととても嬉しがっていたよ~!
俺がキミの話し相手に選ばれたってことは俺はアンジェロに見捨てられていないってことか。有難く受け取ろう。そして、キミと沢山話そう」
7
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる