みかんちゃんの魔法日和〜平和な世界で暮らす、魔法使いの日常

香橙ぽぷり

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5年生6月

時鳴さん家のお茶会(中)

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そしてわたしとテトリちゃんが座っている絨毯の後ろが、ぱたぱたとなびいています。
その音を聞いて、お母さんは困ったようにいいました。
「私の力じゃこんなものなのよね」
魔法の力の強さで、絨毯がどれくらい安定するかが違うそうです。
でもはじっこがなびいていても、お母さんやわたし達が座っているところはちゃんとしているから、気にならないよ。
「お母さんは18歳の時に、絨毯の免許を取ったんだよね」
ほうきは小学校に入ったら、みんな使っていい乗り物です。
でも絨毯は他の人を乗せるためのものなので、練習して免許を取らなくてはいけないそうです。
みんなが使っている物でいうとほうきは自転車で、絨毯は車みたいなものなんだね。
ほうきで飛ぶよりずっと難しいそうだし、まだまだわたしにはとても飛ばせられそうにありません。
「うん。子どもをもらったら、必ず取るきまりになっているもの」
その子どもをもらうっていうのも、天使様から子育て免許というのをもらってからになるそうです。
その人がきちんと子どもを育てられる力を持っているかどうか、神様がみて決めるそうだよ。
だから人によってもらえる歳はちがうそうです。
15歳から17歳の誕生日までの間には、みんなもらえます。
お母さんは高校生になった時と、早くにもらったそうです。
とってもしっかりしているもんね。
でも免許をもらってすぐに使う人はなかなかいないけどって、おばあちゃんはいっていました。
だからわたしの家は、魔法使いの人達の間でも有名みたいだよ。
わたしは、そんなに早くから赤ちゃんを育てるなんてできないなあと思います。
お母さんは本当にすごいです。
それよりもまず自分の練習をしなくちゃね。
「時鳴さんの家には、私が来るきっかけになった猫さんがいるんですよね」
そうテトリちゃんに話しかけられて、わたしは気持ちを戻しました。
「そうだよ。リリーちゃんっていう白猫さん。
テトリちゃんも仲良くなれるといいね」
そうそう、久しぶりだから絨毯に気持ちが向いちゃっていました。
これからリリーちゃんや響香ちゃんに会いにいくんです。
きっと楽しいだろうなって、にっこり顔になりました。


時鳴さん家の玄関のある広いお庭に、絨毯は到着しました。
地面にぴったりつくのはとっても難しいです。
だから少し浮いたところで降りるんだよ。
降りて、お母さんが絨毯を巻きます。
その時に、玄関から響香ちゃんとリリーちゃんが出てきました。
そしてわたし達のところに、元気に駆けてきます。
「いらっしゃーい。待ってました」
そういう響香ちゃんに続いて、リリーちゃんもうれしそうにあいさつをしてくれました。
でも今日のわたしは、言葉がわかりません。
せっかく会えたのに残念だけど、今日はしょうがないね。
もう少しで話せるようになるから、その時にまた来よう。
わたしはそう思い直しました。
そしてリリーちゃんがテトリちゃんを見ているのはわかりました。
そこで元気に紹介します。
「こんにちは。この子はテトリちゃん。
リリーちゃんが帰った後に、家に来たんだよ」
そういうと、響香ちゃんはテトリちゃんを見て、びっくりしました。
「わあ。普通の猫と違うんですね。
まるでぬいぐるみが生きているみたい」
その通りなので、わたしはうなずきます。
「そうだよ。テトリちゃんは元々普通のぬいぐるみだったんだって」
わたしは、ぬいぐるみだった時のテトリちゃんを見たことはないけどね。
響香ちゃんは瞳を輝かせました。
「本当ですか?魔法ってすごーい」
手を伸ばした響香ちゃんに、テトリちゃんはあいさつをしました。
「こんにちは」
そうお辞儀をしたので、響香ちゃんはますますびっくり。
「言葉も話せるんだ。それに礼儀正しいね」
そう話していると、響香ちゃんのお母さん、晴香さんも出てきました。
わたしのお母さんも、絨毯を移動魔法で家に戻し終わっていました。
人の家に置かせてもらったら悪いからね。
わたしの後ろから、お母さんは晴香さんにあいさつをします。
「こんにちは。今日はお招きありがとうございます」
そうお母さんが丁寧にいうと、晴香さんもにっこり笑顔でこたえました。
「いえいえ。こちらこそあれからお招きをするのが遅くなってしまって、すみませんでした。
どうぞお上がりください」
そう晴香さんに手で合図をされます。
わたし達はお辞儀をして入りました。
「おじゃましまーす」
リビングに案内されると、そこのテーブルには豪華にケーキが乗っています。
真っ白のクリームにいちごののった、きれいなケーキです。
響香ちゃんは胸を張って教えてくれました。
「おかあさんはお菓子を作るの大得意だから、とってもおいしいですよ」
わたしはその本当においしそうな手作りケーキに、よろこびの声をあげました。
「わあ、すごーい。
家からもクッキーを持って来ました」
そのクッキーが入っているバスケットを持ち上げます。
すると晴香さんは、そんなわたしに優しく笑ってくれました。
「ありがとうございます」
「せっかくだから、これは後で開けましょう」
後ろからお母さんがわたしにいいました。
そうだね。せっかくケーキがあるんだから、このクッキーは後で食べた方がおいしく感じるかな。
わたしはお母さんのいった意味に納得しました。
わたし達の席に、バスケットを置いておきます。
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