みかんちゃんの魔法日和〜平和な世界で暮らす、魔法使いの日常

香橙ぽぷり

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5年生6月

時鳴さん家のお茶会(下)

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みんなが席に着くと、晴香さんはケーキと一緒に準備してあったナイフで、4人分を分けました。
半分を4等分したから、算数でいうと、1人分は八分の一だね。
それをお皿に乗せて、わたし達の前に配ってくれます。
「どうぞ」
そして紅茶も注いでくれました。
「いただきまーす」
ケーキが大好きなわたしは、早速喜んでいただきます。
わたしだけじゃなくって、響香ちゃんもお母さんもおいしそうに食べているよ。
手作りだから生クリームがふわふわで、甘くて、とってもおいしいんです。
晴香さんは、ケーキよりも先に紅茶を飲んでいます。
そしてにこにこして食べているわたし達を見ていました。
「そうだ。テトリちゃんもどうぞ」
ケーキがあんまりおいしいので、テトリちゃんにも勧めたくなりました。
でもテトリちゃんは申し訳なさそうに、首を振っていいました。
「私はクリームは苦手なんです。
みかんちゃんがもらってください」
そういわれて、わたしは考えてみました。
なるほど。手がべとべとになっちゃうからかな?
そういえば出会い記念日の時も、ケーキは食べていませんでした。
でもテトリちゃんにも何かおいしさを味わってほしいわたしは、思いつきました。
「じゃあいちごを半分あげるね」
果物ならテトリちゃんも大好きだもんね。これなら大丈夫なはずです。
いちごをフォークで半分に割って、ナプキンの上に乗せました。
テトリちゃんは期待しているわたしを見ると、今度は食べてくれました。
「いただきます」
そしてテトリちゃんは食べると、にっこり笑いました。
「とってもおいしいです」
「よかった」
そういってもらって、わたしもうれしくなります。
そんなわたし達を、それまで黙って見ていた響香ちゃんがいいました。
「あっ!そういえば、今学校に広まっているみかんちゃんの話があるんだよ、おかあさん」
急にそういわれて、わたしはどっきりしました。
何かな?悪い話じゃないといいなあって心配もしてしまいます。日頃の行いに自信がないからかな?
結構みんなに心配をかけたりしているもんね。
「そうなの。どんな話?」
晴香さんが耳をかたむけると、響香ちゃんは元気に話し始めました。
「あのね、なんとみかんちゃんは1人で、いなくなった学校うさぎを探してきたんだよ」
そう聞いて、わたしはほっと一息です。
あの出来事かあ。あれは3週間前のことだったよね。
わたしはあの時のことを思い出してから、ちょっと不思議に思いました。
あれって、クラスの中だけでまとまった話じゃなかったんだね。
「響香ちゃん、誰から聞いたの?」
たずねると、響香ちゃんは詳しく教えてくれました。
「学校に広まったのは、その時のみかんちゃんや、5年3組の人達を見かけた子達からみたい。
その子達が友達に話して、どんどん伝わったんですね」
そう聞いて、考えてみると納得です。
わたしが帰るまで、クラスみんなが中庭で待っていてくれたりしていました。
それでなかなか目立ったかもしれないね。
わたしがそう思い出していると、響香ちゃんはもう1つ意外なことをいいました。
「そしてわたしは、うわさだけじゃないんですよ。
中庭のうさぎさん達によく会いにいくので、彩さんにも詳しく教えてもらいました。
魔法が使えない時でも、魔法使いはやっぱりかっこいいですね」
そうほめられて、わたしは少し照れました。
わたしだけではみつからなくて、たくさんの鳥さんに助けてもらったんだけどね。
彩ちゃんは何て話したんだろ?
響香ちゃんの様子だと、よく話してくれたみたいだね。
そして響香ちゃんは、今度はテトリちゃんを見ていいました。
「その時にテトリちゃんも学校に来ていたんだよね」
そういわれて、テトリちゃんの活躍を思い出したわたしはうなずきます。
「うん。わたしが動物とお話できなかったから、テトリちゃんが通訳してくれたんだよ」
わたしが魔法を使えないからって、ちょうどテトリちゃんも一緒に学校に来てくれていた時のことでした。
だからすぐに頼めて助かったよ。
元気にいうわたしに、響香ちゃんはにっこり笑っていいました。
「もうすっかり仲良しですね。
今の2人を見ていてもわかります」
そういわれて、わたしとテトリちゃんは顔を見合わせます。
そうみえるかな?
だったら、とってもうれしいです。
わたしもテトリちゃんも、にっこりしあいます。
するとそれまで静かにうなずいて聞いていた晴香さんが、響香ちゃんから、わたし達に向き直って楽しそうにいいました。
「響香から、よくこんなふうに、みかんちゃんの話を聞かせてもらうんですよ」
すると響香ちゃんは照れていいます。
「だって、わたしもみかんちゃんのファンなんだもん。
だからこうやって家に来てもらえるなんて、夢みたい」
そう聞いて、わたしは少しびっくりしました。
そしてとってもうれしくなりました。
わたしの知らないところでも、好きになってくれている人がいるんだね。
それってとっても素敵で、幸せなことだなあって思います。
そうやって見られている分、これからもがんばらなくちゃってことだよね。
紅茶を飲みながら、わたしははにかんだ笑顔になりました。
そんなわたしを、響香ちゃんはまた元気に誘ってくれます。
「そうだ!ケーキを食べ終わったら、庭で遊びましょう」
「うん」
わたしは、いろいろな幸せをいっぱいに感じながらうなずきました。
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