運命と運命の人

なこ

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第3章

4

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仕事初日、なんとかやり遂げることができ、ユアンはほっとしていた。

昼時のことを思い出し、また少し恥ずかしくなる。なんとなく、ではあるが、カイゼルは自分のことを子どものように見ているような気がしてならない。

10歳しか違わないのに…。ユアンは少しだけ面白くなかった。

付き添い人は不用と言われていたので、辺境領には、ユアン1人で残っている。

今日は早めに寝ておこうと寝台の上で、1人目を閉じる。

前向きな気持ちで辺境領に入るつもりだったのに、

結局、あの2人から逃げるような形で、ここに来てしまった。

あんな些細な出来事で、心を揺さぶられた自分が嫌になる。

思い出しくない記憶は、胸のずっとずっと、奥深くへ。

この数ヶ月、ずっとこうしてやり過ごしてきた。

大丈夫。自分は大丈夫。





ユアンはラグアルの隣りを歩いている。何の話しをしているのか、ラグアルの語りかけに、ユアンは嬉しそうに頷いている。

ユアンを見つめるラグアルの紫の瞳は、優しい。

気がつくと、ラグアルの隣りには見知らぬ人物がいて、ユアンの居場所がなくなっている。

焦るユアンは、いつの間にかラグアルの部屋の中にいた。

2人はユアンの目の前で、裸で目合いあっている。

ここにいてはいけない、ここは自分のいるべき所ではない、ユアンはこの場を立ち去りたいのに、身体は固まったまま言うことをきかない。

2人の息遣いや、喘ぎ声が、激しさを増す。

目を逸らしたいのに、逸らせない。

ラグアルがユアンに気が付き、眉を顰める。

「まだ、いたのか。ここは、君のいる場所ではない。君は必要ないんだよ。もうここから去ってくれ。」

ラグアルは冷たく言い放つ。

つい先程まで、ユアンを見つめていた優しい瞳はそこにはない。

ぼくだって、こんなところにいたくない。
でも、動けないんだ。

そう言いたいのに、言葉を発することもできない。

ラグアルは、まるでユアンに見せつけるかのように、抱きしめる人物の首元に舌を這わせる。

ユアンは恐ろしくてたまらない。

そして、ユアンを見つめたまま、ユアンではないその誰かに、がぶりと噛みつく。

「ああああああああああああああ!」

噛み付かれた相手は、恍惚の表情を浮かべている。

「ああ、君も本当は噛んで欲しいのだろう?」

口元を血で染め、薄らと笑いながらラグアルが近づいてくる。

ユアンの知るラグアルではない。

やめて、やめて、

ユアンは、動けないままだ。

嫌だ。嫌だ。嫌だ。

誰か、誰か、ぼくを助けて…

ラグアルの吐息が、ユアンの首元にゆっくりと、近づいてくる。



***

お読みいただきありがとうございます。
この先は、単話の文字数を増やして、1日1話から2話のペースで進めていこうかと、
思います。

お気に入り登録、嬉しいです(๑˃̵ᴗ˂̵)

よろしくお願いします~
               ***
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