運命と運命の人

なこ

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第9章

6 R

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撫であげるカイゼルの左手がぬるぬると濡れ始める。

「自分、で…?」

「この年になるまで、なぜしてこなかった?知らなかったのか?」

「知っ、ていました…」

知識としては知っていた。ただ、それをしたいと思う程、ユアンは欲情するということがなかった。

早熟な孕み子たちの中で、ユアンは性に対する目覚めがとても遅い方だった。

それでもラグアルとの婚姻が近づくにつれ、その衝動が強くなる度、ユアンは自分で何度か試みようとしていたのだ。

そして、その都度諦めた。

それをしてしまったら、自分の身体が変わってしまいそうで、怖かった。

後数カ月待てばラグアルの元へ嫁ぐ。

その時全てをラグアルに任せればいいと、その熱を身体に溜め込むようになっていた。

のせいか?」

囁きながら、カイゼルは舐め上げていた耳を軽く噛みやる。

「ちがっ、ちがいますっ」

に禁じられでもしていたのか?」

カイゼルの左手が、優しく撫であげるものから、きつく握りしめ扱く手振りに変わる。

「やめっ!ちがっ、ちがいますからっ!」

「薬でも抑えきれない程、溜め込まれていたんだな。」

「ああっ!」

ユアンはカイゼルの手に精を吐き出した。

「前からこうしておけば、あのように発情することはなかったはずだぞ。」

吐き出された精を軽く舐めると、カイゼルはその指をユアンの後孔へぷつりと刺した。

ひっ、と息を飲むとユアンはその指の感触に身を捩りながら、喘ぎ始める。

カイゼルの太く長い指が、ユアンの中をぐにぐにとかき混ぜる。

「あ、うぅ…うっ、あっ…」

一本、二本と指が増え、三本になったところで、またユアンの身体が跳ね上がる。

「ふぅあっ!カイゼルさまあっ…」

「ユアン、もう薬は飲まなくていい。自分で慰める必要もない。わたしがいる。いいな。」

薄らと開いた翡翠の瞳がカイゼルをとらえる。その蕩けた表情に、カイゼルは堪らず張り詰めた昂りをユアンの後孔へとあてがった。

「いいな。ユアン。」

こくこくと頷くユアンの中に、ゆっくりとカイゼルが沈み込む。

「ふあっ、あ……」

ユアンの中は、熱く畝るようにカイゼルの昂ぶりを飲み込んでゆく。

「…くっ」

「ああ、カイゼルさま、あっ……」

「この先、わたし以外を受けいれてはならない。わたしはお前を決して手離さない。いいな。ユアン…」

頷こうとしたユアンをカイゼルが突き刺す。

「ひっっ!ああっ!」

ぐぶぐぶと、ユアンの中をカイゼルが動き出す。

ユアンの膝を自分の肩へと乗せ上げ、カイゼルの動きは加速していく。

「ああっ!カイゼルさまっ、まって、そんな…」

「わたしのものを、こんなに飲み込んでおきながら、待てるのか…」

「あっ、ふあっ、はっ、はあ」

ぐぶぐぶとカイゼルを飲み込みながら、ユアンは快楽を拾い始めた。

「…熱い、です。カイゼルさま、もっと、して……ふあっ!」

ユアンの中が蠢くように、カイゼルの昂りを締め付ける。

ユアンの小柄な身体は、カイゼルに突き上げられ、揺さぶられ、それでももっと、もっとと、カイゼルを求める。

「…カイゼルさま、あ、して、」

「はあっ、なんだ、ん?」

「あ…して…あいして、る」

「ふっ、ああ、わかってる。ユアン、わかってる…」

ユアンを抱く快楽と、愛おしいと思う気持ちの高ぶりは、これまで感じたことのない興奮をカイゼルにもたらしていた。

「あ、して、る…あっ、あ、ふっ、カイゼルさま、あい、して…」

「…くっ、ユアンっ、わたしもっ…」

ユアンをきつく抱きしめながら、カイゼルは中へ精を吐き出した。

わたしも……

わたしは何を言おうとしたのか…

「はっ、は、はあ、はあ…」

カイゼルの下では薄らと汗を滲ませ、ユアンが息を弾ませている。

その上に、カイゼルの汗が、ぽたぽたと雫を落とす。

額の汗を拭うように触れると、ユアンは甘えるように身をくねらせた。

自分を愛していると言うユアンが愛おしい。欲しくてたまらないそれを、自分のものにした。

_____幸せには、できない

兄王の言葉が頭から離れない。

こんな自分をユアンは愛していると言う。

こんな自分が、ユアンを幸せにできるのか。

飲み込んだあの言葉は本物なのか。この気持ちが、あの言葉の意味として正しいのか。

ユアンを幸せにしてやりたい。

自分にそれができるのか、ユアンは自分といて幸せに思えるのか。

その夜、カイゼルは何度もユアンを抱いた。

愛していると言われる度、ユアンの中で何度も果てた。








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